【柔道】1回戦敗退も、又場「次の代に良い形で引き継げた」

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◇平成28年度全日本学生体重別団体優勝大会(男子18回)◇10月29日◇ベイコム総合体育館◇

【1回戦】関大2-内容②岡山商科大
先鋒 澤井  ×  澤田 (100キロ超級)
次鋒 荒木○技あり 美濃 (100キロ級)
五将 仲田  ×  阿河 (66キロ級)
中堅 村田  一本○ 石飛 (60キロ級)
三将 又場 ○有効  鈴木 (90キロ級)
副将 坂本  ×  宮内 (73キロ級)
大将 山本  一本○ 神森 (81キロ級)
※勝者同数の場合は勝ち点(一本10点、技あり7点、有効5点)の合計で勝敗が決定。

大将・山本は、試合が終わってからすぐに起き上がることができなかった。

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関西地区の第3代表として、昨年の16強を超えようと挑んだ今大会。まさかの1回戦敗退でその夢が打ち砕かれ、メンバー全員が暗い表情で畳を後にする。主将の又場も去り際、目に手をやる仕草を見せた。

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「チームは又場中心に良い形で準備できているから、信じてやっていこう」。試合前の円陣、緊張で表情が硬い選手たちに山城監督が声をかけた。先鋒から中堅まで勢いのある4人の2年生が並び、後ろを3人の上級生が締める。前半で差をつけて有利に展開させる戦略だった。次鋒の荒木は、今年の全日本学生体重別選手権大会ベスト16の美濃が相手。先に有効を取られながらも技ありで盛り返す。強い相手から1勝をもぎ取って仕事を果たした。

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しかし、考えていたようにうまくはいかない。先鋒の100キロ超級・澤井、五将の66キロ級・仲田がともに引き分け。

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中堅・村田も足をすくわれて一本負けとなり、前4人でリードすることができないまま主将の又場に回った。

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又場はいつも以上の気迫で相手に攻め込む。開始すぐに、畳の外まで飛び出さんばかりの小外刈で有効を取った。

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「先鋒から中堅の4人で取れなかったら、自分で決めようと思っていた」(又場)。その言葉通り、時間いっぱいまでポイントを守り切って優勢勝ち。同じく4年生の坂本に託した。しかし相手の宮内に戦意はなく、引き分けに持ち込む柔道で逃げられてしまう。

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最終的には続く大将・山本が一本負けを喫したため、「自分が取っておけば勝てた」と坂本は悔しさをにじませた。

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もちろん悔しいのは選手だけではない。監督も「今までで1番良い準備ができていた」と、期待が大きかっただけに表情が曇る。

しかし、又場だけは違った。負ければ引退という大事な大会だったにも関わらず、「後輩が関大の主力になってくれたのは良かった。次の代に良い形で引き継げたと思っている」と最後まで後輩の成長に触れた。主将になるのを最初は渋っていたという又場。試合経験が少なかった今の4年生が最上級生になるにあたって、『後輩育成』を念頭に1年間やってきた。結果として今年は2、3年生が多くの好成績を残し、めきめきと実力をつけてきている。主将を引き継ぐ村井も、先輩が作ったものを礎に「ここから組み立てていくのは自分たち」だと覚悟を見せた。

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来年の春、新生関大柔道部は又場主将やほかの4年生の思いを背負い、一回りも二回りも強くなった姿でこのベイコムに帰ってくる。【文/写真:谷 風花】

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▼山城監督
「接戦は予想していた。ほんの少しの差が結果に出てしまった。坂本で取って決めたかったが、そこだけではなくて一人一人の仕事が果たせなかったのだと思う。同じ学年を4人連続で並べるというのは、自分としてもやったことはなかった。その4人の2年生がキーマンだと思っていたし、2-0で後ろの3人につなげたかった。村田の一本負けは誤算。荒木は関西で優勝してからもかなり力を付けている。副審の1人が一本と言っていたからそこが悔やまれるが、強い相手に技ありを取ってきたのはさすが。又場も勝ちはしたが、一本取り切れなかった。せめて2-2の内容勝ちか代表戦に回したかった。一人一人のちょっとしたところが負けていた。4年生の又場はリーダーシップを発揮してくれて、この団体戦も今までで1番良い準備ができていた。主将として1年間よく頑張ってくれた。本当に感謝している。坂本もインターハイで結果を残して入部してきた実力者だが、3年の夏にはひざを手術してブランクがあった。大学では最初で最後の全国大会。大けがからよく戻ってきたと思う。部としては、この1年で練習に取り組む姿勢は良くなっている。もうワンランク上の意識、取り組みをして来年良い結果を出せるようにしたい」

▼又場主将
「試合では何があるか分からない。トーナメントを見ても、そんなに強いチームが(同じブロックに)あるわけでもなかった。ベスト8に入るチャンスはあった。先鋒から中堅の4人で取れなかったら、自分で決めようと思っていた。一本取りたかったが、取り切れなかった。この1年でチームとしては良くなった。荒木は関西チャンピオンになってくれたし、チーム力は上がっている。来年実力が下がるかと言ったらそれはないし、もっと上を目指してほしい。自分は1年から必ず試合に出ていたわけではなかったし、大きい結果も2年生の時に(関西で)3位になったくらい。これから柔道を続けるかは分からない。ただ、今年の4年生はそんなに実力があるわけではなかったから、この1年で後輩を育てようと考えていた。結果、後輩が関大の主力になってくれたのは良かったし、次の代に良い形で引き継げたと思っている」

▼坂本
「悔いの残る試合だった。自分が取っておけば勝てたのに、取り切れなかった。相手が引き分けにしようとしているのが分かっていただけに、本当に悔しい。今回は負けてしまったが、来年は今の3年生中心に勝ってくれると思う。最近4年生は自分と又場しか練習に来ていなかった。そういう姿勢は上回生として良くなかった。自分としては、練習中にあまり後輩にアドバイスすることができなかった。この4年間いろいろありすぎて何を振り返っていいか分からない。でもこのチームが、どの大会でも全国上位を狙えるチームになったのは確か。後輩たちにはぜひ頑張ってほしい」

▼村井
「又場さんが作ってくれた土台、それをここから組み立てていくのは自分たち。良い引き継ぎ方はできると思っている。今のチームは全体的に技の受けが弱い。攻撃力はあるだけに、そこを高めていかないといけない。(新主将として)今の4年生たちに『僕たちがやっていたことは間違いなかった』と思われるように。個人としては全日本学生でベスト4に入りたい」