【野球】両校の意地 伝統の一戦15回引き分け

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◇平成27年度関西学生春季リーグ第7節対関学大2回戦◇5月17日◇阪神甲子園球場◇

関学大 000 000 000 000 000=0
関 大 000 000 000 000 000=0
(規定により延長15回引き分け)

(学)後藤田、中内―仲川
(関)吉川、石田―高橋佑、久米

両大学のプライドを懸けた伝統の一戦。金曜日に行われた1回戦は関大が5-0で快勝を収めた。1日雨で流れ、この日は快晴となった甲子園。連勝を目指して宿敵・関学大撃破に挑んだ。

大事な一戦のマウンドに上がるのは甲子園初登板となる吉川。「憧れの舞台で緊張したが、気負わずいった」と意気込んだように落ち着いたマウンドさばきで相手打者を手玉に取る。同じく初先発となった捕手・高橋佑とも息の合ったプレーで相手打者を翻弄(ほんろう)する。6回まで毎回奪三振を奪う好投を見せた。

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一方の打撃陣は初回、いきなりチャンスを作る。相手投手・後藤田の立ち上がりに付け込んだ。1番・多田が俊足を飛ばし、内野安打で出塁。これが口火となって1死一、三塁となり、迎えるは4番・平岡。しかし、1ボールからの2球目を放つも平凡な遊飛となり、得点を挙げることができない。その後は両投手の白熱した投手戦となり、0-0のまま試合が進む。

好投を続ける吉川だったが7回、先頭打者に四球を与えここで降板し、「石田さんにあとを託す形となって悔しい」と猛省。しかし、吉川の気持ちにナインが応える。まずは、女房役・高橋佑が見せた。相手の犠打を素早く処理し、二塁へ送球。間一髪のタイミングで封殺を完成させ、チームを救う。

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マウンドを引き継いだエース・石田も140㌔を超えるストレートで見逃し三振を奪う気迫の投球を披露し、見事に守り抜いた。

投手陣の頑張りに応えたい打線は終盤、立て続けに得点機を演出する。ピンチを守り切った直後の7回、6番・柿山が内野安打で出塁に成功。膠着した試合展開に終止符を打つためにここで早瀬監督が動く。期待を込めて代打・湟打を送りこんだ。その湟打は快音を響かせるも一直に倒れる。さらに一塁走者・柿山も戻り切れず併殺となり、得点を奪うことができない。

しかし、9回、3番・西田尚が右前打で出塁し、副将・平岡も続き、4年生の意地でサヨナラのチャンスが到来。

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スタンドも今日一番の盛り上がりを見せ、選手を後押しする。続く5番・湯浅が倒れ、迎えるはこの日安打を放っている柿山。2球目を捉えた痛烈な打球は左翼へ。しかし、関学大の左翼手の正面でまたしても好機を生かせない。今季リーグの課題でもある、決定打不足に泣き、勝負は延長へと突入した。

7回途中からマウンドに上がった石田は「15回は想定していなかった」と振り返ったが、圧巻の投球を見せる。延長に入ってからは、相手打線をわずか1安打に封じ込め、守りからリズムを作った。

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サヨナラ勝ちに向けて攻撃陣にすべてを託すが、相手投手の好投に阻まれ、そのまま試合終了。3時間半にわたって、甲子園の舞台で繰り広げられた争いは伝統の一戦にふさわしい緊迫したゲームだった。

また、今日の試合は日曜日ということもあり、多くの観客が関大のスタンドを埋めた。その中でも応援団やチア、吹奏楽が関関戦を盛り上げ、スタンドに一体感をもたらした。

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試合後、石丸主将は「次で決めて逍遥歌を歌いたい」と意気込みを語った。選手だけではなく、多くのファンが伝統の一戦の勝利を望んでいる。全員野球で勝利をつかみ取り、次こそ球場中に逍遥歌を響き渡らせる。【高橋良輔】

▼早瀬監督
「守りは良かったけどどっちもどっちという試合。点を取らないと勝てない。チャンスの時にボールに押されていた。向こうのピッチャーが良かったのもあるが、振る力をつけないといけない。吉川も良かった。今日がある意味スタート。これからもいい投球をしてほしい。平岡はずっと練習の状態が良くて、今日も3安打。でも、初回のチャンスの場面で打てるようにならないといけない。裏の攻撃で積極的にいける中で、チャンスを作ったが、まだまだ力不足。内容のある試合だったが良いゲームだったと満足したらだめ。これをいかにつなげるか。仕方ないではやくて、今日出た課題やリーグを通しての課題を練習で解決していきたい。まだ1戦やらせてもらえるという気持ちで次につながるような試合をしたい」

▼石丸主将
「守りの方はきっちり出来ていたけど、チャンスでの勝負強さが課題。でも、甲子園でいつもとは違う雰囲気の関関戦をこんなに長くできたことは良かった。しっかりと次につなげないといけない。いい緊張感の中で全員が自分の役割を果たせたと思う。今年は固定メンバーではなく全員で戦うスタイル。3戦目で決めて、逍遥歌を歌えるようにスタンドとベンチが一体となって頑張っていきたい」

▼平岡
「初回のチャンスの場面での自分の打席で取りきれなかったのでずるずるいってこういう結果になってしまった。でも、初回の悔しい気持ちから切り替えて、打席に立つように心がけたのが、その後の3安打につながったと思う。試合に出ている以上、副キャプテンとしてチームを引っ張りたいと思っている。リーグ戦を通して、打線が線となっていない。チームでしっかりと徹底する力をつけないといけない。甲子園は小さいころからの憧れの舞台。最後なので、楽しもうと思っていた。関学は同じリーグでも特にライバル意識を強く持っている相手。次の戦いも勝ちにこだわってやっていきたい」

▼石田
「吉川の頑張りを無駄にしないように1イニング1イニング投げた。15回は想定してなかった。最初のイニングはばたばたしたが、徐々に良くなったと思う。高橋佑のリードは久米と違う配球なので勉強になる。前回の登板では遅い球を有効に使って、左打者の内側にストレートを投げた。今日はリリーフなので左打者の外を意識した。最近はいい感覚で投げられている。コントロールが定まってきた。今日は関大の悪さが出た試合。引き分けだが、決めきれなかったので負けた気持ちで反省して次につなげないといけない。あと1週間、リーグ戦の練習ができるので濃いものにしたい。3点を取って、2点以内に抑える試合をして、勝利をつかみたい」

▼吉川
「ずっと憧れの甲子園で投げたいと思っていた。先発は今日言われたけど準備はしていた。緊張したが、調子は上がっていたので、気負わずにいった。関関戦ということもあって応援もすごかったし、甲子園の雰囲気もすごかったけど、いい意味で開き直れたのが良かった。左打者が多いことはわかっていので、インコースの真っ直ぐと外のシンカーを投げ分けることができたのが良かった。キャッチャーの高橋佑とはオープン戦から組んでいたし、相性も良くてリードも自分とあっている。初先発だったけど、投げやすかった。石田さんがいる中で、何とか石田さんを助けられるようにと思って練習してきた。今日も1人のランナーを出して、石田さんに託す形になって悔しかった。もっと修正するところはあるし、細かいところも含めて練習で突き詰めていきたい」