【コラム】スポーツの力・可能性

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気付いたらテレビにくぎ付けになっていた。今年は、4年に一度のスポーツの祭典、オリンピックが行われる年だ。リオデジャネイロの地で、17日間にわたって繰り広げられた熱戦に改めてスポーツがもたらす力、大きなエネルギーを感じた。2020年に母国東京で五輪を控える日本は、金メダル12個をはじめ史上最多のメダル数である計41個のメダルを獲得し、激動の日々に花を添えた。

寝不足になりながらも、勝負の瞬間にこだわってLIVEでの放送を見続けた五輪期間。数多くの名場面の中でも特に、日本人選手が活躍するシーンには、ただただ感動するしかなかった。しかし、金メダルを獲得できるのはたった一人で、大多数が敗者として大会を後にする。スポーツの世界では、どうしても結果を出した人がピックアップされてしまう。アスリートとして結果を出すために、日々想像を絶するような練習の賜であるから称賛されるのは当たり前だ。しかし、スポーツの名場面、スポーツから学ぶものは決して勝者だけとは限らない。

陸上女子5000㍍予選で、接触して一緒に倒れた選手が、お互い助け合うシーンがあった。結果にこだわるだけであったら真っ先にレースを再開するはずだが、「助けたのは本能」と結果だけにこだわらない人間味あふれる場面に世界中が共鳴した。ゴール後の抱擁しあう両選手の表情は、今でも忘れない。もう一つは、記憶にも新しい体操の内村航平選手が44年ぶりに個人総合連覇を飾った記者会見での出来事である。ある記者から耳を疑いたくなる質問を内村選手が浴びたが、これに対してわずかの差で敗れたウクライナの選手が「その質問は無駄だと思う」と応答。しのぎを削り合う選手同士がお互いを尊重し合う、スポーツマンシップにのっとったシーンから考えさせられることは多かった。

結果や出来事をただ伝えるだけでは、意味がない。どんな試合でも、どんな結果であろうと、思いを持って選手たちはプレーをしている。時には、勝負の垣根を超えた人の心を動かすシーンもスポーツからは生まれる。選手に寄り添ってそれらを伝え、多くの人に届けるのがカンスポの役割である。それと同時に私は、スポーツの限りない可能性を発信していきたい。きょうから9月、まだまだ暑い日々が続くが、スポーツの秋が到来する。リーグ戦も徐々に始まり、注目カードは目白押し。一つでも多くの優勝、KAISERSの笑顔はもちろん、一つでも多くの会場に赴き、一つでも多くの感動、選手一人ひとりの思いを伝えたい。今年はどんなドラマが待っているのだろうか。今から楽しみで仕方ない。【高橋良輔】