【ソフトボール】早大相手に完敗。日本一の夢は後輩が引き継ぐ

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◇文部科学大臣杯第51回全日本大学男子選手権大会2回戦対早大◇8月27日◇諏訪運動公園◇

早 大 220 015=10
関 大 000 000=0 (6回コールドゲーム)

(早)松木、吉田―山本
(関)松田―黒田裕

あと1点に泣き、試合後チームの象徴である笑顔が消えた。8月上旬の西日本選手権大会で連覇を逃したシーンは記憶に新しい。そんな選手たちが必死に前を向き、照準を合わせてきた全日本選手権がきょうから開幕する。春先に太田主将が掲げた「人に慕われ、楽しむチームで日本一」。今大会での優勝こそがチームの目標である。関西リーグ4連覇、そして西日本での悔しい経験を踏まえ、一回り成長した選手たちがグラウンドに立つ。

初戦となる2回戦の相手は早大だ。ここ4年で3度の日本一とソフトボール界での実力は群を抜いている。また、2011年には北海道日本ハムファイターズから7位指名を受けた、大嶋匠選手を輩出。日本一への最初の壁であり、最大の鬼門となる一戦が幕を開けた。初回、関大のマウンドに上がるのは、西カレ5試合でわずか1失点、敢闘選手賞を獲得した絶対的エース松田。

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しかし、応援団も駆けつけ、異様な盛り上がりを見せる相手の雰囲気にのまれた。初回に2点の先行を許すと、さらに続く回にも2失点。いきなり0-4と離され、早大に主導権を握られる苦しい展開となる。

しかし三回、徐々に持ち味である外角への制球力がよみがえり、この日初の三者凡退に封じて流れを引き戻す。するとその裏、先頭打者の松田が今度は自らのバットで中前打を放ち、チャンスメイク。

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9番・穂束がきっちり犠打を決め、迎えるは最も頼りになる1番・太田が打席に立つ。

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一度流れに乗ると手が付けられなくなるのが関大の持ち味。主将の一打で流れを変えたいところだが、邪飛に打ち取られてチャンスを逃した。

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「力を出し切るか、出せないかの差」と太田が振り返ったように、その後も相手の勢いは止まらない。コンパクトにミートしてくる高い打撃力も光ったが、打球が野手の間に落ちる場面も多く、際どいジャッジも関大に味方することはなかった。完全に劣勢に立たされ、勝機は逸したかに思われた。

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そんな中、グランドで孤軍奮闘する選手が一人いた。これまで幾度となく攻守でチームを救ってきた遊撃手・穂束だ。諦めてもおかしくない状況の中誰よりも声を出し、チームを盛り立てる。

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「楽しむ」関大ソフトを率先して行い、それにつられるように4年生がカバー。学生最後の大会にかける最上級生の思いの強さが後半は垣間見えた。

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しかし、最後まで学生チャンピオン相手に成すすべなく、0-10で敗退。試合後、あまりにも早すぎる全国の舞台での敗退に、選手たちは涙が止まらなった。「楽しんで、自覚と責任をもって勝ちたい」(川添)。日本一の夢は後輩に託され、また新たな挑戦が始まった。【文:高橋良輔/写真:谷 風花】

▼太田主将
「貪欲さ、泥臭さをプレー面で出していこうと思っていた。エンドランやランエンドなどを積極的に使って走者を返す練習をやって準備はしてきたけど、こういう結果になってしまって悔しい。先制点を取られてしまって仕掛け切れなかった。動きをつけることができなかったし、自分の責任を痛感している。力の差自体はあまり感じていなかった。でもその持っている力を出し切れるか、出せないかの差がこのような点差になってしまった。取れるアウトを取れなかったり、敗因はたくさんある。人に慕われるチームということを一年間思ってやってきた。こんな遠い鹿児島まで、応援に来てくださる方も多かったし、期待されていると常に感じていた。そういう状況でできたのは感謝しかない。劣勢にはなってしまったけど、最後まで笑顔で楽しく自分たちらしいプレーを最後まで続けることができた。こういう場面でも楽しもうとメンバーの口から言葉が出ていたのは、成長した部分だと思う。関大の良さは楽しんでやること。伝統として後輩にはこれからも引き継いでやってほしい。まだ整理はできてないけど、1年間主将として、4年生が今年は試合に出てプレーで見せないといけない場面が多かった。言葉も大事だけど、プレーでも引っ張ることを意識してやってきた。最後に力が出せなかったのは悔しい。3回生以下は優勝できる実力を持っていると思うので、練習から本番で力を出し切れるようにやってほしい」

▼穂束
「早稲田とは2年前、全日本選手権で対戦していた。当時の主将も今日来てくれていて、絶対にリベンジできるようにと思っていた。でも、向こうの雰囲気にのまれてしまった。最初から先制されて、押せ押せムードを食い止めれなくて不甲斐ない。自分は守備から引っ張る立場で、雰囲気作りを大事にしてきたが、それがやりきれなかった。泥臭く、全力で声を出すプレースタイルでここまでやってきて、なんとか松田の苦しい状況を打開してあげたかった。今年は松田が投げて、守備からリズムをつくるチームだったので、自分の声で松田のベストボールを引き出そうと思ってやっていた。自分は2回生の時に留学に行ってチームを離れたが、帰ってきて合流したときにみんなが本当に暖かく迎えてくれた。関西では4連覇できて、インカレでいかに勝つことができるかを考えてやってきたけど、今日の結果になってしまって悔いが残る。後輩には各々が個性を生かして、自分たちの真似ではなく、自分のプレースタイルを理解してチームに還元していってほしい。今日も本当にベンチも含めて最後まで楽しくできたし、全員が気配りできるいいチームだった。だからこそ、実力を出して勝ちたかったけど、本当に悔しい」

▼川添
「今まで支えてくれた後輩、引っ張ってくれた先輩に対して勝利をプレゼントしてあげられなくて、正直悔しい。力のなさが分かった。本当に申し訳ない。松田はいつものように投げていたが、早稲田が当ててきた。空振りが取れなかった。アンラッキーなヒットも多くて、相手の食らいついていく姿勢に対して、自分たちの守備が負けていたと思う。自分たちのバッティングをしていこうと試合前から言っていたが、相手のバッテリーは的を絞らせない配球だった。自分たちの力を出し切れなかったことが、結局0点につながってしまった。2点先に取られた後の一回裏で返しておけば。やっぱりその後の攻撃でまず1点取りたかった。もっともっとチーム全体として真剣に考えてやっていかないといけない。9月は練習できる日が少ない分、厳しく、詰めてやっていく。関大の伝統として明るい雰囲気で、試合を楽しむということは引き継いでいきたい。あとは、楽しみながら勝つ。今日も楽しい場面は何回かあったが、最終的に負けていたらやっぱり悔しさが残る。試合を楽しみつつ、勝ちたい。(リーグ4季連続優勝)は先輩たちが作り上げてきたもの。僕らもそれに続いて勝つ義務がある。自覚と責任を持ってやっていく」