【コラム】スポーツの瞬間に出会うとき

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スポーツとは無縁の生活を送っていた。

小学校は料理部や手芸部に所属し、中学校では帰宅部。運動部に入ったことがなかったため、スポーツの経験はほぼゼロ。幼い頃から運動自体が苦手で、週2、3回の体育の授業でさえも億劫だった。両親もスポーツ観戦をしないので、生観戦はおろか、テレビでもほとんどスポーツは見ない。見ていたバラエティ番組が終わり、スポーツ番組が始まるとチャンネルを変える。私はそんな子どもだった。

中学2年生の春休み、偶然つけたテレビの放送で、私はフィギュアスケートを目にする。放送されていたのは、国際大会だった。最初は、チャンネルを変えるのが面倒くさくて、なんとなく見ていた試合。でもだんだん目が離せなくなって、私はテレビを食い入るように見ていた。「感動した」「すごかった」とはまた違う、なんとも言えない熱い感情。私は試合を見ながら泣いていた。悲しくないのに涙を流すのは、初めてのこと。スポーツの、ある瞬間にここまで揺さぶられたということに、私自身とても驚いた。

その日から私は毎日、インターネットで「フィギュアスケート」と検索し、スケートに関するニュースを読み漁る日々を送った。フィギュアスケートのルールを勉強し、雑誌を買って読み、アイスショーの会場に足を運んだ。フィギュアスケートのシーズンが始まると、試合のテレビ放送を欠かさず見たし、生放送ではない試合は、インターネットのライブストリーミングを利用して見たり…。それはもう、今までの私にはない熱中ぶりだった。

友人の影響で柔道部のマネージャーになったのと、少しサッカーを見るようになったのは、高校2年の夏。数年間はスポーツといってもフィギュアスケートしか見ていなかったが、ほとんど毎日練習を見た柔道はもちろん、ワールドカップ開催期間であったことも手伝って、サッカーは見るようになった。それでもスポーツに触れる機会としては、かなり偏っていたと思う。しかしカンスポに入ってから、より多くのスポーツに関心を持つようになった。

カンスポの部員になってから、およそ4ヵ月が過ぎた。入部してから発行されたカンスポは2号。新しい号を発行するとキャンパス内で新聞配りをするが、手にとってくれる人がいると、それはそれはうれしい。そのカンスポの中には、KAISERSのあらゆる瞬間がつまっている。

私には文章を書く力も、写真を撮る力も、スポーツに関する知識も、まだまだ全く足りていない。どんなスポーツにもある、歓喜の瞬間や悲しみの瞬間。誰かがスポーツに打ち込み、そしてその力をぶつける時、スポーツをする人、その周りの人の感情が動き、渦巻く。その瞬間を切り取り文字にするというのは、なんとも難しいことだ。できていないことを痛感し、落ち込むこともある。だが、私の挑戦、どこまでも終わらない研鑽の日々は、まだ始まったばかりだ。

昔の私のように、スポーツに関心のない人にも、是非ともカンスポを手にとってもらいたいと思う。スポーツとの出会いは、どこに転がっているかわからない。それは偶然つけたテレビの放送かもしれないし、友人の影響かもしれないし、もしかしたらカンスポの記事かもしれない。スポーツを心から愛する人へ。そしてこれから、大好きになる人へ。未熟な私だが、カンスポの部員として、KAISERSの新鮮な瞬間を届けるために走り続けたい。【宮西美紅】