【コラム】カンスポに出会って

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高校3年生の春。私はなんとかテニス部を最後までやり遂げ引退した。日曜日も朝早くから日が暮れるまでコートに立ち、真っ黒に焼けるまでテニスに打ち込んだ。戦績を残すことはできなかったが、高校生活の中で最も大きな思い出だ。しかし、消極的な3年間だったと今になって思う。

先輩方が引退してから団体戦の補欠だった私は、レギュラーの練習に入ることがあった。だが、得意のラリーですら相手に打ち込まれ、まともに自分のプレーができなかった。「真面目にやってきたのに、全然敵わない…」とレギュラーとの大きな差を改めて実感した。それから私は、彼らに追いつこうともせず、目を背けてしまった。ついには後輩にも抜かされてしまう。悔しかったが、どうすることもできず、それからは団体メンバーに入ることもなかった。

関西大学に入学した私は、「引っ込み思案で弱気な自分を変えたい」と思った。何をしようか迷っていた時、友人の誘いもあって入学時は全く考えていなかったカンスポに出会ったのだ。

初めての体験取材は野球だった。序盤相手にリードを許したが、その後は投手戦が続く息の詰まる試合。ところが、4番の選手が雰囲気を一変させる。相手投手の球を振りぬくと、球場に快音が響き打球はライトスタンドへ吸い込まれた。その時の球場のどよめき、喜ぶ選手に向けシャッターを切る先輩を見て「私もこんな場面に立ち会い、写真に収めてみたい」と思い入部を決意した。

カンスポでの活動は簡単なことばかりではない。中でもインタビューには苦戦している。聞き上手だったらうまくいくと思っていたが、いざしてみると緊張して、何を話せばいいかわからないこともあった。また、上手に話の流れをつくらないと、いい情報も手に入らない。もっと積極的に選手と会話しなければならないと感じた。さらに、競技を把握していないと、どういうときに喜んでいる選手を撮ることができるのかわからない。多くの競技を取材するために様々な競技について勉強している。難しいことが多いが高校生の時では考えれないほど人と話す機会が増え、少しずつ積極的に人と関わっていると思う。そのことがうれしくてたまらない。

カンスポに入ってみて自分の足りない部分が嫌でもわかった。持つ道具もすべきことも高校のときとは全く違う。だが今度は逃げず、大学生活の4年間でカンスポとともに大きく成長していきたい。【松浦 智】