【アイススケート】それぞれの思いを胸に笑顔のラスト演技

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◇第19回関西学生フィギュアスケート競技大会◇2月15・16日◇大阪府立臨海スポーツセンター◇

[4部女子]
15位 安田真子(商4)
16位 田中桃子(社2)
18位 安田朋(情4)
32位 下北祥子(安全3)
33位 合川舞(情2)
34位 小川優恵(安全4)
40位 山口遥美(文3)
41位 野内彩里(情3)
46位 東夏奈(政策3)

[3部女子]
3位 奥野絢音(社4)

[2部女子]
11位 畦地日菜子(情3)
15位 久保涼音(政策1)

[1部女子]
11位 久保舞和(人1)
14位 髙木優衣(情4)

[1部男子]
2位 須本光希(政策1)
5位 本田太一(経3)

多くの4年生が引退を迎える今大会。いつもの試合とは異なり、暖かな雰囲気で行われる。リンクサイドには大勢の観客、要素を決めるたびに響く大きな歓声。また、4年生の演技終了後にはたくさんのプレゼントが投げ込まれる。引退を迎える選手たちはみな、幸せそうな表情で氷上を舞った。

初日は4部女子、3部女子、2部女子に関大の選手たちが出場した。田中は、新しいプログラムを披露。豊かな表現力でみせ、要素も確実に決めていく。終始笑顔を絶やすことなく滑り終えて会場を引き込んだ。


△田中

下北は、シングルアクセルに挑戦。惜しくも両足着氷とはなってしまったが、その後のジャンプで立て直す。スピンでは精彩を欠いてしまったものの、上半身を大きく使ったしなやかな動きで魅了した。


△下北

野内は、冒頭の1回転フリップ+1回転トーループを着氷。ステップシークエンスで転倒してしまう場面も見られたが、その後は気持ちを切り替えながら、要素を決めていく。曲調を捉えて、最後までしっかりと滑り切った。


△野内

安田真は、冒頭のスピンは乱れてしまったものの、シングルアクセルにも挑戦するなど、強気の姿勢を見せた。可憐に表情を舞うその姿に、観客たちは引き込まれていく。ミスはあったが、笑顔で演技を終えた安田。集大成となる自身の滑りに、「最後はみんなにも笑顔で見てもらいたいと思ったし、自分も笑顔で滑りきりたいと思って。こんなに応援してくれて幸せ」と振り返った。


△安田真

小川は、自身の最後のプログラムに『江』を選曲。持ち前の豊かな表現力で観客を虜(とりこ)にしていく。取得に苦戦していたというシットスピンも、質の高いものを披露。会場からは大きな歓声が上がった。演技終了後、小川は、「とりあえず、スピンが爆発せずに終われたことが一番ホッとしています。滑っていて、この曲使っていて良かったなと思いました」と話した。


△小川

山口は、冒頭のシングルアクセルが両足着氷になってしまう。しかし、その後のジャンプを確実に決める。曲調に合わせて、クールでキレのある滑りを披露した。


△山口

合川は、ブルーの衣装に身を包み、落ち着いた表情で登場した。序盤のジャンプで細かいミスが出てしまうものの、指先まで意識し丁寧に滑る。3連続ジャンプも成功させ、笑顔でラストポーズを決めた。


△合川

安田朋は、果敢に攻めた構成で挑んだ。冒頭に組み込んだ2回転サルコーは、回転不足ではあるが着氷。その後のシングルアクセルも何とか着氷し、会場は大盛り上がりに。スピンは乱れてしまったが、美しいY字スパイラルでみせる。安田朋は、自身の演技について「チャレンジしてよかったなと思いました。(Y字スパイラルは)今までで一番楽しんでできました。最後の最後で自分の中で一番良い形でできて。満足です!」と振り返った。


△安田朋

越智は、最初の2回転サルコーを着氷し勢いに乗る。回転の速いスピンや美しいスパイラルで会場を引き込み、大きなミスなく滑りきった。


△越智

4部女子の最終グループには東が出場。後半のスピンが乱れる場面はあったものの、身体をしなやかに使った演技を披露した。


△東

続く3部女子には、奥野が出場した。人一倍大きな声援と共に、笑顔でリンクイン。冒頭のシングルアクセル+2回転トーループを着氷し、流れをつかむ。そして、2本目のジャンプにはダブルアクセルを組み込んだ。惜しくも転倒はしてしまったが、会場からは歓声が上がった。持ち前の表現力で、『ニューシネマパラダイス』の世界観を作り出す。美しいイーグルでみせ、最後まで滑り切った。昨年、念願の5級取得を果たした奥野。演技終了後は、「挑戦できたという面ですごく満足しています。幸せが大きすぎてあんまり他のことが覚えてないです」と笑顔で話した。


△奥野

2部女子には、久保涼と畦地が登場した。久保涼は冒頭、果敢にルッツジャンプに挑んだものの回転がほどけてしまう。その後のスピンでは転倒があり、会場から励ましの声が飛ぶ。身体の不調もありジャンプは思うように跳べなかったが、伸びのあるスケーティングと表現力を見せた。


△久保涼

畦地は、初めの連続ジャンプを決め笑顔を見せる。その後、ダブルアクセルジャンプの転倒はあったものの、スピードに乗り全身を使ったステップシークエンスで会場を魅了。表情豊かに演じ切った。


△畦地

大会2日目は1部女子と1部男子に関大の選手が出場した。先に行われた1部女子には、久保舞と高木の2人が登場。久保舞は左手首の負傷によりサポーターを着けた状態での演技となった。本調子ではないものの、果敢に3回転トーループに挑戦。惜しくも転倒となったが、気持ちの強さを見せる。後半のスピンでは逆回転も披露し会場を沸かせた。


△久保舞

今大会で引退となる高木。曲を口ずさみながら最後の『Chicago』を披露した。1本目の3回転トーループで転倒したが、続けて3回転トーループにトライ。見事に成功させ、会場から大きな歓声が上がる。ステップシークエンスでは、観客の手拍子の中笑顔で踊り、銃を撃つ振り付けで盛り上げた。演技後には、「心から楽しいと思いながら滑ることができて。幸せです」と話し、会場を一つにするラストダンスとなった。


△高木

1部男子には須本と本田が出場。須本は冒頭で大技・トリプルアクセルを成功させ、会場を沸かせる。その後も質の高いエレメンツを決めていく。コレオシークエンスでは流れるようなスケーティングからのイーグルを披露。スピード感のある滑りで会場を引き込んだ。


△須本

本田は、冒頭の3回転トーループを着氷すると、安定した滑りを見せる。しなやかな腕使いで、しっかりと曲を表現。中盤にはシングルアクセル+逆回転のシングルアクセルというコンビネーションジャンプを披露し、会場を盛り上げた。


△本田

今大会で引退する4年生は、多くの仲間に見守られながら最後の演技を終えた。4年間、またはそれ以上の期間アイススケートを続けることは、楽な道のりではなかったはずだ。しかし、最後はどの選手も笑顔で氷上を舞い、リンクを去っていった。後輩たちは4年生の思いを受け継ぎ、来シーズンも飛躍する。【文・写真:竹中杏有果、森本明日香】

▼安田真
「万全の状態ではなくて、エレメンツとかは不安要素はあったんですけど、最後はみんなにも笑顔で見てもらいたいと思ったし自分も笑顔で滑りきりたいと思って、4年間のことを思い出しながら滑りました。まず声援がすごくて、みんなが応援してくれているなというのが伝わってきたし、こんなに応援してくれて幸せだなと思いました。1回生のときからスケートを始めて、見ているだけでは分からないこともいっぱいありました。見ていて、単純にスケートがいいなという思いで始めたけど、自分でやってみたら上手くいかないこともあったし、周りに置いていかれているなと思うことも多かったんですけど、そういうときも、同期同士で教え合ったり、先輩後輩と助け合ったり、他大の人とかも関わりを持ったりして、大学生ならではの部活の感じがあったから4年間続けられたのかなと思います。(後輩に伝えたいことは?)やっぱり楽しいことばかりではないと思うけど、競技としてやるとなったら真剣にスケートと向き合ってほしいなと思います。でも、スケートが楽しいという気持ちも忘れずにやってほしいという思いもあります。途中でスケートをやめちゃったりする人もなかにはいるんですけど、4年間続けたらいろんなことを学べると思うし、これから先もずっと仲良くしていける仲間が見つかると思うので頑張って欲しいです。自分だけだったら、無理だなって思ったりスケート向いてないなって思うことばかりで、やめたほうがいいなと思うこともあったけど、それでも頑張っている隣の人とかがいたから、すごい励まされたし、一緒に頑張ろうと言ってくれる仲間がたくさんいたからなんとか4年間続けることができました」

▼小川
「とりあえず、スピンが爆発せずに終われたことが一番ホッとしています。そもそも、シットスピン自体が4回生の春まで取得するのに苦戦していて。やっとコツがわかってきてッていう感じです。(曲に関しては)『江』の曲を初めて聞いたのが、中学生くらいの時で。その時は全然、スケートとかはやっていなくて。スケートを見るのはすごく好きだったので、「この曲スケートに合いそうだな~」という感じで聞いていて。それで、引退するときに候補には入れたいなって思っていた感じです。(自分の好きな曲で滑れてどうでしたか)結構、ジャンル的にも私に合っているような感じで。滑っていて、この曲使っていて良かったなと思いました。(4年間を振り返って)社会安全学部に入っていなかったら、スケート部には入っていなかったから。ただ、憧れで始めたので。自分が滑れるのかという不安もあったし。スポーツの経験もあまりないし、飲み込みも悪い方なので(笑)。なかなか苦労するところも多かったんですけど、自分がなりたいと思っていたところには近づけたかなという感じです。(楽しかったですか?)楽しかったです!(辛いこととかは?)まあ、物事をやるにあたっては、それなりに壁とかは乗り越えないといけないし。運動をやってこなかったから、立ちはだかる壁みたいなのもあって…(笑)。でも、それをフォローしてくれる同期とか先輩方がいたから、乗り越えられました。感謝しています。(後輩に何か伝えたいことは?)自分の好きなことにお金と時間をかけることができるっていうのは、大学生だからできることで。すごく貴重な時間だから、それを大切にしてほしい。それと、折れそうになったとしても、環境にも恵まれてるし、教えてくれる人たちもたくさんいると思うし、諦めずに乗り越えていってほしいなと思います。(スケートの経験はこれからいきてくる?)スケートをして思ったのは、飲み込みがすごく悪くてもそれなりの時間をかけてやれば、できるようになるということ。何にするにあたっても壁には当たると追うけど、このことを思い出しながらやっていきたいなと思います」

▼安田朋
「キャメルシット(コンビネーションスピン)が入らなかったのが悔しいんですけど。でも、最初のジャンプにダブルサルコーをどうしても入れたくて。ファーストタッチは片足で、でも回転も足りないし全然成功ではなかったんですけど、自分の中ではチャレンジしてよかったなと思いました。(Y字スパイラルは?)今までで一番楽しんでできました(笑)。Y字は、最初の試合の全大阪では減点を食らってしまうくらい(足が)上がらなくて。そこから、次の試合でもやってもなかなかうまくいかなくて。そういうのがずっと続いてたんですけど、でも最後の最後で自分の中で一番良い形でできて。満足です!(サイコフスキーは体現できましたか?)サイコフスキー(笑)。細かいことを言うと、スピンが悔しいとかあるんですけど。でも、一番楽しく滑れた試合だったから、自分の中では満点サイコフスキーです(笑)。(4年間を振り返って)最初は本当に、壁にしがみつきながら滑ってて(笑)。体験滑走の時はヘルメットくれたのに、入部してからの部練ではヘルメットをくれなくて。なんでやねんとかも思ったし。最初はなんで手袋をするのかもわかってなかったから、ミトンの手袋とかで練習に行ってて(笑)。そのくらいスケート初心者で、知識もなくて。バッククロスするのですらすごいと思っていたくらいで。先輩がやっていたことを、練習していくうちにだんだん自分もできるようになってきて。それで、後輩が入ってきたら、「朋先輩教えてください」とかを言われるようになってきて、逆の立場になったんやなっていうのを感じたり。言い出したらきりがないくらい…。あっという間といえばそうですけど、あの頃よりはうまくなったなあと思います(笑)ダブルジャンプまで挑戦できるようになって、良かったです。(後輩へ向けて何か伝えたいことは?)もう本当にすぐ(時間が)過ぎるから。やりたいことはやってほしいし。「朋先輩を目標に頑張ります」とか後輩は言ってくれるんですけど、目標にしたらあかん!もっと上に行きなさい!って言いたい(笑)。なんで私で止まるの、全日行きなさいって思うくらい(笑)。自分を目標にしてくれるのはうれしいんですけど、もっともっと上に行けるし。私の1回の時に比べたら、今の子たちはもっとできてるし。私なんかでとどまらずに、もっと上を目指して頑張ってほしいです。でも、後輩の憧れの存在になれたのが、初めての経験で。すごくうれしかった。それが役に立ってくるかとかは分からないですけど。先輩後輩のつながりがすごくいいなと思いました。高校は部活に入っていなかったから。自分の大学だけじゃなくて、他大学の後輩とかも話してくれるし。順位が競技でみんなライバルだけど、互いに応援し合って。その空気がすごい良かったと感じます」

▼髙木
「技術的なことで言うと、もともとの構成は3回転トーループ+3回転トーループ、3回転トーループ、3回転トーループの予定で。練習でも3回転+3回転が決まってた時があったから、最後に決めたいなっていう思いがあって。でも、やっぱり緊張しちゃって、本番は転倒してしまったんですけど。それでも2本目は降りることができて、歓声も上がって。見送られながら滑るのは幸せだなと感じました。(久しぶりに人前で演技をして、どうでしたか?)近畿しか出場してなくて、今シーズン。せっかく万莉子ちゃん(=木原万莉子)に振り付けしてもらった大好きなプログラムだから、人前で滑り達っていう気持ちもあったけど、なかなかそれができなくて。ようやく滑ることができて、ずっと出てなかったにも関わらず、みんなあったかい声援をくれて。本当にうれしかったです。(17年のスケート人生を振り返ってどうですか?)今までの練習とか試合とかを思い出して、考えただけでも泣きそうになるんですけど。コーチに怒られたり、喧嘩したり、励ましてもらったり。両親も一緒に苦しんで。ダイエットのための食事つくりとかも協力してくれたりして。当たり前のように今までやってきたけど、自分がスケートをするのに色々な人に支えられてきたんだなと感じて。周りの人のおかげで、17年間続けられてきたんだなと思いました。楽しかったです。ほとんど辛いことばっかりで、結果が出ない結果が出ないで。でも、最後は心から楽しいと思いながら滑ることができて。幸せです。(後輩に向けて伝えたいことはありますか?)私が先輩に言われた言葉なんですけど…。心配しなくても、最後はいい演技できるし、最後は勝手に頑張れるから。ちゃんとスケートに向き合うことができれば、最後は底力が出るから。みんなも先輩たちの演技を見て、憧れを持ったりすると思うから、それを目指して、納得のいく形で引退してほしいなと思います。(スケートの経験はこれから生きてくると思いますか?)そうですね。本当に学んだことが多すぎて。一言ではまとめれないんですけど…。やっぱりここで負けるかっていうプライドはついたと思います。普通だったら折れてしまうであろうところで、踏ん張れるっていうのもそうだし。反対に、頑張りすぎてもつぶれてしまうっていうのも学びました。一番は、今ある環境に感謝するっていうことを理解していくっていうこと。それを大切にして、これからも頑張っていきたいなって思います」

▼奥野
「演技だけで言えば、ジャンプもスピンもスケーティングもできるときよりは良くなかったかなという感じなんですけど、何よりフリー大会でダブルアクセルが締めたくて、それがとりあえず回転が抜けずに締めることができたので、挑戦できたという面ですごく満足しています。でも、ジャンプの失敗とかダブルアクセルに挑戦できたということよりも、こんなにたくさんの人がリンクサイドに並んでくれて、いろんなプレゼントが投げ込まれて、親に迎えに来てもらわないと持って帰れないくらいのプレゼントがもらえたことが本当に幸せで、幸せが大きすぎてあんまり他のことが覚えてないです。一緒にやってきた同期については、常にいいときばかりではなくて山あり谷ありだったのを知っているから、演技を見ていると、そのときとかのことも思い出して号泣してしまいました。同じ大学の人はもちろん、他の大学の人とも合宿をしたりしてすごく刺激をもらっていたから、他の人の演技でも感動しました。今シーズンの途中までは全然いい演技ができてなくて、全日本インカレくらいから、ちょっとずつ今までやってきたことが結果として残ってきたのかなという気がしていて、でもノーミスを2回生のときからしていないので、残りの4試合でノーミスをしたいです。(後輩に伝えたいことは?)いいところを見つけて伸ばして欲しいです。練習していると、自分の悪いところを強化しないとって思ってしまうけど、結局4年間しかないからいいところを最大限に伸ばして、悪いところを補っていくしかないと思うので、自分のいいところを見つけて頑張って欲しいです。自分が出戻り経験者で、出戻り経験者なりの悩みとかもあったから、自分を見て同じような境遇の人にちょっとでも希望が与えられたらいいなと思います」