【ホッケー】ラストゲームでつかんだ悲願の1部昇格

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◇2019年度関西学生秋季リーグ1部2部入れ替え戦◇対阪大◇12月8日◇於・甲南大学六甲アイランドグラウンド◇

[第1Q]関大1-0阪大
[第2Q]関大2-0阪大
[第3Q]関大1-0阪大
[第4Q]関大2-0阪大
[試合終了]関大6-0阪大

勝負が決した瞬間、近藤弘明主将(環都4)はこぼれる涙を腕で拭い、両手を突き上げた。その主将のもとへ、笑顔で、涙で、選手たちが次々と駆け寄っていく。2部降格の屈辱から3年。ついに、関大ホッケー部が1部の舞台に返り咲いた。

2部リーグ戦を全勝優勝で飾り、ついに迎えた運命の入れ替え戦。相手は今季1部8位となった阪大だった。どんな相手だろうと関係ない。「昇格」。その2文字しか、選手たちの目には映っていなかった。

いきなりスコアが動いた。試合開始2分、MF平尾波輝(法4)がペナルティーコーナー(PC)を獲得。その平尾から出されたボールを、2部得点王・FB濱口達也(シス理4)が渾身の一打で振り抜いた。「勝手に(ガッツポーズが)出ていた」と、その行方を確認すると、濱口は高く拳を突き上げた。


△平尾


△濱口

第2クオーター(Q)はさらにその勢いが加速。FW山田慧人(政策3)が単独で左サイドラインを駆け抜け積極的にゴールへと向かう。相手2人がかりで止められシュートとはならずも、その1分後にまたもチャンスが訪れる。FW正岡純也(法4)、FW粕渕正真(人1)、山田でつながれたボールを、FW柳田昂輝(情2)がリバースシュートで押し込み追加点。体制を崩しながらの執念のシュートで、勝利を大きく手繰り寄せた。その後も、1部昇格への執念を感じさせるプレーが続出。MF上田隆ノ介(文2)は倒れこみながらもボールを相手からキープし、DF五味亨介(環都2)は相手がボールを手にすれば一瞬でそれを奪った。そのプレーはさらなる追加点を生む。MF森川大(人3)がサークルトップからボールをもらい、回り込んで狙ったシュート。それが相手ディフェンスの足に当たり、ペナルティーストロークを獲得することに。シューターとGKが1対1となるこの絶好機を、森川が無駄にするわけがなかった。ふわりとボールを宙に浮かせ、GKの上を通過したのちゴール枠内へ。相手を突き放す3点目をチームにもたらした。


△山田


△正岡


△粕渕


△柳田


△上田


△森川

前半の勢いは後半でも止まらない。山田のボールワークやMF水川幹也(経1)のカットで、相手に付け入る隙を与えず。そして第3Qが残り5分を切ろうとしたとき、またも関大に歓声が上がる。ゴール前で相手のディフェンスを交わし、左に回り込んだ森川が4点目を挙げたのだった。最終Qを残し4-0と、大きくリードする関大。待っていたのは4年生にとって最高のフィナーレだった。


△水川


△森川

1部昇格への15分、そして4年生最後の15分間のカウントダウンが始まった。フィールドには、かねてより夢見ていた4年生全員の姿が。点差を開くことができれば、と約束されていたシチュエーションを、若い選手たちで重ねた得点が実現させた。

だが、引退を目の前にした4年生がただフィールドに立ち、プレーをともにしただけではなかった。ボールをゴール付近まで運びチャンスをうかがうと、近藤弘主将のアシストで正岡が正面からシュートを放つ。「力を振り絞って打った」という正岡の一打は、相手の足元をすり抜け、鈍い音を立ててゴールイン。4年生でつないだ、何事にも代えがたい1点をスコアボードに刻んだ。さらに、今季何度も勝敗を決めてきた、PCでの濱口の得点で、ダメ押しの追加点。後輩が用意してくれた最高の舞台の上で、近藤弘主将がこの1年間、思い描いたシナリオを完結させたのだった。


△近藤弘主将


△正岡

4年生が1年生の頃に見ていた景色。それを自らが再び見ることはできなかったが、後輩たちに見せることとなった。全国トップレベルの大学がひしめく1部リーグ。「いかに何かをつかんで成長できるか。常に1部の相手でも、闘志を絶やさずに戦えるか」と、近藤弘主将は次の世代への可能性を口にした。残された後輩たちはどんな物語を作り上げるのか。来春、3年の時を経て復活した関大が、1部に新たな風を吹かせる。【文/写真:中西愛】


▼近藤弘主将
「シナリオ通り。最後圧勝できたし。一番いい引退のしかた。春、悔しい思いをして、みんなに誓った通り、思った通り、2部優勝して。しっかり勝ち切って、1部に上がって、引退。もう思い残すことはない。悔いなし。(入れ替え戦について)点は取りたくて、残り3分で点差が2点以上開いていたらみんな出させて、と言っていた。みんな思いの外決めてくれたから、最終Qみんなでいけた。そこはナイススプレー。序盤から点が取れたことが今日は良かった。最初のほうから決めれて、ずるずるいくというのがなかったから。みんな緊張もあったやろうし。その面ではさっさと決めてくれて、だいぶ心強かったし、緊張もほぐれて追加点につながったと思う。(最終Qについて)俺自身は足を引っ張りまくったけど、無失点で済んだし、なんなら点も決めれてアシストもできた。初めてそういうところで絡めてよかった。(1部昇格について)シンプルにうれしい。でも、実際1部で戦うのは後輩たち。そこでどう戦ってくれるのかというわくわく感もある。1部の上の方がレベルが違うから、前の山梨学院大戦みたいな試合をリーグ戦でもやっていかなくてはいけないということもあり得る。そこでいかに、なにかをつかんで成長できるか。常に1部の相手でも、闘志を絶やさずに戦えるか。そこは来年の大事なところになると思う。(1年間主将を務めて)最初は嫌で仕方なかったし、しんどいと思っていて。同期にも『やめたい』と言ったこともある。だけど、同期とか1つ下とかがよく支えてくれて。あまり俺がキャプテンをやって引っ張ったというチームではなくて、みんなでつくっていけた。それが秋リーグの安心感、安定感につながった。これは来年にもつながると思う。みんなでつくってきたチームだからこそ、4回生がいなくなったとしても支障なくこれからもいいチームをつくっていけると思うし。そういう面では、みんなに協力をあおって良かったなと。そう思う。(大学からホッケーを始めてみて)難しかった、ホッケーはやっぱり。試合にも出れなかったし。だけど、この1年が一番楽しかったし、なにより主将として、ベンチにいて本気で声出してみんなに指示出してやっているだけでも、『試合に出れていない、残念だな』という気持ちも沸かなかった。そういうところは、ベンチメンバー全員がそういうことをしてくれたら、もっといいチームになると思う。1回生も2回生も、やめたいと思う時期はあると思う。俺もあった。だけど、最後ここまでやって、みんながやっていて良かったと4回生は思えたと思う。特に下回生の初心者とかは、ここで諦めずもっと頑張っていってほしいと思う。(ここまで引っ張ってこれた原動力は?)俺らの知っている関大が1部がベースであって、2部はやばい、というのがみんなあったと思う。俺がなにかしたわけではなく、みんな一人一人が1部に上がらなあかんという気持ちでできてたと思う。順位決定戦から今日までも、みんな練習を熱心にやっていたし。引っ張る身としては、やりやすかった。どうやって、というよりかは、みんな一人一人が意識してやってきてくれたおかげだと思う。(同期について)感謝しかない。仕事は主務のはま(濱口達也)に全部振っていたし。練習も引っ張るのは俺だったが、声も出してくれたし。どうしようかな、こうしようかな、というのも、同期に相談して決めていたし。俺一人じゃ実際のところなにもしていない。同期ありきのこのホッケー部だった。本当に感謝している。俺が主将だから、最初に提案を出したりはしたが、結局みんなで決めた。4回生みんなのおかげだという風に、俺は思う。(後輩に向けて)最初、1回生がバラバラだったが、秋リーグになってそれがどんどん仲良くなっていったし、練習も熱心にやってくれるようになった。2、3回生は正直なにも心配はしてなかった。しっかりしている。あとは、2回生はみんないい子だが、まだ自分だけがいい子というところまでしか行っていない。ここから上回生に入っていくから、しっかり後輩にも指導できるように頑張ってほしい。3回生は一番上として引っ張らなければいけない。これから強豪とあたる上でもモチベーションを絶やさずに、いかに引っ張っていけるか。頑張ってほしい」


▼田中大貴副将(文4)
「(振り返って)試合に出たり出なかったりで、複雑な気持ちではあったけど、1部に上がれたので今となってはそんなことは関係ない。(副将としてどうここまで引っ張ってきたか)自分たちの代が実力的に一番ないので、他学年に頼らなくてはいけない部分が多かったが、その中で後輩にいっぱいしゃべって、助けれるようになったので、そこが良かった。1部に上がれたのは後輩のおかげなので、そのために僕たちは後輩とよくしゃべって。その結果1部昇格まで気持ちを持ってこれたかなと思う。(入れ替え戦について)最後楽しかった。前半で3点とったら出してくれるってなっていて。後輩がみんな点をとろうとなっていたので、とてもうれしかった。最後4回みんなで出て楽しかった。楽しかったしかない。(1部昇格について)うれしいが、後輩が1部に上がって勝つことがほとんどなくなって、しんどくなると思うが、頑張ってほしい。これからもOBとして応援に行って、伝えることあれば伝えて、頑張っていきたい。(同期について)ずっとぐちゃぐちゃだったが、最後の1年は、実力がないやつはないやつなりに後輩を後押ししていたし、あるやつは結果を出していたので、最高の同期だったなと最終的には思っている」

▼濱口
「今日は珍しく始めからエンジンがかかっていたので良かった。最後は良かった。(先制点について)いつも1本目を打つけど入っていなかったが、今日は決まったし、時間も早かったので良かった。勝手に(ガッツポーズが)出ていた。(どんな試合をしようと?)ここまで今シーズン積み上げてきたので、その成果を出そうと。圧勝しようと思っていたので、それができて良かった。(最終Qについて)4年生が試合に出ることが少なかったので、最後みんなで一緒に試合に出れたのは面白かったし、楽しかったので良かった。そのためにも、自分もそうだが後輩も点を始めからとってくれたので最後できた。(これで引退となったが)まだ実感がない。最後いい形で終われた。後輩にも1部でいい戦いをしていってほしいと思う。(4年間を振り返って)始めの頃は先輩に言われたことをやるだけだったが、だんだんそれが責任を持っていけて。自分のプレー一つでチームが変わってしまうので。上になるにつれて意識するようになったが、それも同期や後輩が付いてきてくれたので、いい4年間だったと思う。(同期について)始めはどうなるかわからず、みんなわけのわからないやつばっかりだったが、なんやかんやでやらなくてはいけないときにしっかり力を発揮するし、力強い仲間だった。(後輩に向けて)これからこういう簡単な試合は少なくなっていくなっていって、法政大とやったような試合が続くと思うが、我慢して上位目指してほしい」

▼正岡
「最後なので、4年間初心者で入って1年生の頃から試合に出させてもらって、今年も初心者いるし、毎年初心者いるが、そんな人でも出れるんだよ、活躍できるんだよということを証明したかった。推薦や強豪でやっていた人、競技歴10年の人がいる中でもがんばれば(試合に)出れるんだよということを、最後、点を決めれて照明できたんじゃないかなと思う。(第4Qの得点について)左でごちゃごちゃしていて、僕はずっと90度で待っていた。『取ったらボールをこっちに出して』と言っていて、出てきたので『やった!』と思って、最後の力を振り絞って打ったらゴールに入った。一番うれしかった。最後、引退試合で決めれて。最後第4Qは、残っている4年生全員が出た。この4年間通しても最初で最後だった。今年は3回生主体のチームだったが、なんとか4回生がいた証、ここまで頑張った姿を後輩たちに見せたかった。得点を決めれてよかった。みんながつないでくれたパスで。(1部昇格に関して)僕らが1年生のときに2部に落ちてしまった。1部で戦ったことがあるのが、今の4回生だけで。大聖(笹木大聖)とかは伊吹高などから、関大1部だからという理由で大学を決めて、その年に落ちたので、1部だと思って入ってきたら2部だったみたいな。かわいそうというか、もっと上のところでプレーするべき人だと思うので。なんとかラストチャンスをつかめてよかった。(同期に向けて)辛いときときもあった。そんなときも励まし合って。やめてしまう選手もいたが、残った仲間で一緒にごはん行ったりとか仲良くさせてもらって、経験者とかは親身になって教えてくれたりしたので、この同期がいたからこそ僕は4年間続けられた。ありがとうと言いたい。特にこんちゃん(近藤弘明)は1年間、右も左もわからない状態からキャプテンを頑張ってくれた。一番しんどかったのはこんちゃんだと思う。本当にありがとうございますと伝えたい。後輩も、3回生中心に仲も良くて。いろんな話、ホッケーの話もいろいろできた。3回生に支えられた部分も大きいかなと。3回生は後輩というか同期に近い存在だった。3回生にもお世話になった。これから4回生になって強いチームになっていくと思う。今年1回も関学に勝てなかったので、来年はぜひ倒していただきたい」

▼平尾
「今日の試合は正直、阪大さんには悪いが勝ち負けではなく、1秒でも1分でも早く点を入れて、1Qでも早く4回生、3回生で試合に出たいというモチベーションでプレーしていた。だから点を入れても勢いが落ちなかったので、そこは良かった。ショートカウンターメインで攻めていったが、それが一番うちの得意な形。ずっと練習もしてきたし、そこをしっかり出して点までつなげて、またPCにつなげて点を入れるといういい形で終われた。自分的には100点満点の試合だった。最終Qは途中から泣きそうになって涙をこぼしていて。PCでボールを出すときも、涙で見えなかった。やばいと思ったが、みんなも助けてくれたので、いい4年間のピリオド。今まで引退試合というのは負けて泣いて終わるというパターンしか経験したことがなかった。最後に勝って泣いて終われて満足。(1部昇格について)こんちゃんがずっと掲げていた目標をどうしてもかなえたかったので、そこに関しては満足。でも、来年、1部になってから当たりというのは強くなってくる。今年以上に頑張らないと、また2部に落ちてしまうという可能性も否めない。そこはもっと頑張っていただきたいなと、後輩には思う。ずっとみんなには言っていたが、ホッケーが好き。ホッケーが好きで、練習もめんどくさいとかの理由でさぼったことがない。と、ずっと思っていたが、今日の試合を終えて、ホッケーが好きなんじゃなくて、こんちゃんや純也(正岡純也)とかと一緒にやるホッケーが好きやったんやなぁってすごく思った。このメンバーで4年間、ホッケーさせてもらって、すごい関大には感謝している」


▼筒井裕太(人4)
「半年前にけがをしたが、最後治りきることがなく。痛い中でも最後出させてくれて感謝している。(第4Qについて)上手い下手おいといて、みんなフォローしてくれたので、自分もすごく楽しかった。10年ホッケーをやっているが、1番楽しかった。(4年間を振り返って)1部から降格した試合に出ていて、そのときは涙を流すぐらい悔しくて。今いる同期の子らや下の子たちとなんとか上がりたかった。いろいろやってきたし、自分もできることで貢献したつもりではある。やり切った感はあるが、最後けがをしてしまったのでそこだけは心残り。(同期に向けて)僕は1年生の頃はやんちゃというか自由奔放だったが、その中でも見放さずやろうぜって言ってくれたことにすごい感謝している。下の子らも、僕がきついときを知っている子らは知っている子らでよく付いてきてくれたなと思うし、もっと上の子たちはあまり頼りがいのある部分を見せてあげられずごめんなという感じ。その中でも、キャプテンをはじめ、よくやってくれたなと思う」


▼笹木大聖(人3)
「(1部昇格について)やっと昇格できたと。自分が(関大に)入ると決めたときは1部で、その年の秋リーグで降格してしまって、『2部か…』という感じで。すぐに1部に上がるだろうと思っていたが、ずるずる3年間2部で。やっと上がれたのでうれしい。(今日の試合について)今日も点を狙っていたが、点に絡むことができなかったのでまだまだ。今日はこういう風に勝てたが、1部では相手も強くなってくると思う。これから先輩が引退した後も、得点にはこだわっていきたい。(4回生について)自分たち3回生は試合に出ていて、4回生が試合に出れない人が多かった分扱いずらい存在だったと思うが、その中でも良くないことをしたときはしっかり叱ってくれた。人間的な部分も、技術的な部分も成長させてもらえた。(次期主将としてどんなチームを作りたいか)4回生の中でスタメンで出ていたのが2人で、また来年もスポーツ推薦で強豪校から3人入ってくる。自分が大学でホッケーやってきた中で一番強いチームになるのかなと思っている。絶対に勝たないといけないというプレッシャーもあるが、しっかり勝ち切って上位リーグに入っていけるように頑張っていきたい」

▼山田
「うれしかったが、4年生が引退という複雑な胸中。うれしいが、悲しい方が大きかった。(最後は泣いていたが?)最後は泣くと決めていたので。勝てて良かった。(試合について)こっちが上なことはわかっていたので、点をとるなら早めにとって3、4回で出る、という形にしたかった。最終Qでやりたかったことができて良かった。(新チームについて)もっと厳しく、しんどい戦いになると思うが、1からしっかり練習して頑張っていきたい」

▼森川
「(PSについて)サークルトップでパスをもらって、そこから右に純也さん(正岡純也)が見えて、後ろからGKが出てきていたのが見えたので抜いてからパスしようと思ったが、抜いた後にいなくなっていて、体の向きを変えてシュートまで持っていったらたまたまディフェンスの足に当たった。点を取っておきたいなという感じだったので、とれてよかった。(第3Qの得点について)リバースで、パスも出せんから打ったら入るかなと軽い気持ちで打ったら入ったので良かった。(試合を終えて)今シーズンラスト、このチームラストの試合だったので、勝ちたい気持ちが強かった。自分が思っていたより点が入って勝てたので、すごく良かった。(大学ラストイヤーをどう過ごしたいか)4年生が最後の試合で1部まで上げてもらったので、1部の大学としての試合が待っている。そこでしっかり勝ち上がっていきたい」