【コラム】誰かとともに、誰かのために

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団体行動。チームプレー。カンスポに入部する前の私は、そういった言葉が苦手だった。きっかけは、中学2年生の頃にある。

中学2年生までの私の人生は、サッカーとともにあった。兄の影響で幼少期からボールに触れ、プロテインを小学1年生から飲み、順調に技術を磨き中学生に。当時の私は「イナズマイレブン」のような、弱い状態から努力で強くなる物語に憧れていたこともあり、部活動が盛んではない中学に進学した。入部当初は即戦力として扱われ、地区選抜にも進出し、それはもう、ちやほやされた。また学業面では学年トップの成績で入学し、1年生の秋には同年代で唯一の生徒会役員にもなった。

そんなキラキラした生活は、中学2年生の夏に途絶えることになる。サッカー部の新人戦。それまでの先輩に囲まれたチームではなく、自分がゲームキャプテンとして臨む最初のリーグ戦だった。センターバックとしてチームの攻守の要となり、誰よりも声を張り上げ味方を鼓舞した。ハーフタイムでも、思ったことを共有するなど、勝つための努力を怠らなかった。

その結果は、最終戦で現れた。諸事情で私は出場できず、自分がそれまでやってきたチームへの献身を信じ、ベンチから仲間を見守る。結果は、0―13の大敗。努力は報われなかった。悔しさなどなく、虚しさだけが残る。他人を信じることが怖くなった。その試合をもってサッカーをやめ、それ以降も誰かを頼ることをしなくなった。
関スポに入部して半年。取材の中で、心を動かされるシーンに立ち会うこともあった。先輩やコーチ、応援する人のために結果を求める選手たちに触れてきた。なにより、新聞は一人では絶対にできない代物だ。今度は独りよがりにならず、誰かとともに、誰かのために頑張る選手たちを支えたい。【瀧川千晴】