【コラム】出会い

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生まれてこのかたスポーツというものに全く興味がなかった。今までの人生において、経験したことのあるスポーツといって思い出されるのは、学校の体育の授業くらいだ。もちろん、興味がないので、観戦すらした事もない。大学入学まで、本当にスポーツというものに縁がなかった。そんな私がなぜカンスポに入ろうと思ったのか。

入学当初は、部活に入るつもりはなかった。さまざまなサークルの新歓やお花見に参加し、楽しいサークル探しの日々が続いていた。と周りからは見えていたと思う。しかし、昔から「ノる」ことが苦手だった。騒いでいる人をどこか冷めた目で見てしまう。サークルのノリは私には向いていなかった。本当にどうしよう。悩みながらハンドブックを眺めてみた。体育会部活はハードルが高いなと思いながらペラペラとページをめくる。と、最後のページにカンスポの紹介があった。体育会なのに新聞を作るんだ!と興味が湧いた。本を読むことが好きだし、文章を書くことにも抵抗はない。さらに、新聞がどんなふうにできるのか知りたい、取材とかなんかカッコいい、というミーハー心も働いた。

入部前の体験取材をさせてもらったのは野球。甲子園球場で行われる春の関関戦だった。生まれて初めて野球観戦をする私は、当然の事ながら、全くルールがわからない。バッターが3人で終わる時と、何人かが打つ時とあるのはなぜ?どうしてみんな打ったら右に走るんだろう?右に打ったら左に走った方がいいのに!というレベルだった。

延長13回まで続き、3時間にも及んだ試合だったが、結果は同点のまま終わった。一体、何が面白いんだろう?というのが、その時の正直な気持ちだった。写真を撮る事は楽しかったが、こんなにもスポーツのルールも知らず、興味もない私が、このままカンスポに入部していいのか?ご迷惑ではないか?何より、私自身が楽しめるのか?と不安がよぎった。しかし、試合後、高校の元校長先生であった野球部の顧問が、私のことを見つけてくださり、「瑠那、カンスポか!頑張れよ!」と声を掛けてくださった。私は校長先生の事を心から尊敬していた。だから、その瞬間、カンスポ部員になろうと思った。単純かもしれないが、ここで元校長先生に出会い、頑張れと声を掛けて下さった事が、私の気持ちを動かした。

入部して約半年がたった。同期や先輩方と比べると、知識不足、力不足ではある。それでも今、私はスポーツに魅了されている。どのスポーツにも、歴史があり、シーズンごとに物語が生まれ、そして新たな歴史を紡ぐのだ。その物語を、過去の私のようなスポーツに興味がない人にも伝えていきたい。【坂井瑠那】