【コラム】陸上トラックから記者の道へ

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「走る」ことには魅力がある。私がそう思うようになったのは中学高校と6年間続けてきた陸上競技の影響が大きい。

中学生の時は一生このまま陸上を続けていくのだとばかり思っていた。大会に出れば結果を残し、部屋に飾られるメダルも増えていく。順風満帆な競技生活を過ごした私はもっと強くなりたいと思い、陸上競技の強豪校に進学した。

「この高校でレベルの高いリレーを組みたい」。この思いを胸に日々の練習に取り組んだ。だが、いくら頑張っても結果は出ない。リレーのメンバーにも選ばれることはなく、飾られたメダルの数も3年前と変わることはなかった。

結果を残せなかった高校時代の思い出は、私から自信を奪い去った。関大に入学しても戻ることはなく、受験のブランクが追い打ちをかける。再びトラックで輝く自分の姿を想像することはできなくなっていた。

しかし、陸上競技が嫌いになったわけではない。むしろ大好きなぐらいだ。だからこそ陸上競技を続けたい自分と諦めてしまいたい自分がぶつかる。どちらを選んでも後悔しそうで、長い間決められずにいた。

そんな時、友人と何気なく訪れたブースでカンスポと出会う。選手としてではなく記者として陸上競技に寄り添っていくことができる。先輩の話を聞いていく内に「これだ!」と感じ、入部を決めた。

取材に行くたびに力不足だと感じられるが、できることが増えているのも確かだ。記事、写真など知らないことを知ることができた。自分の成長に喜びを覚え、いつの間にか、今まで無縁だった記者の世界にのめり込んでいた。

カンスポの部室の窓から見える陸上競技のトラック。何度見ても心を動かされる。カンスポを辞め、陸上競技部に入る選択肢だってあったはずだ。だが、記者の道で「走る」ことをやめはしない。1度スタートを切れば引き返すことなどありえないのだから。【宮本晃希】