【コラム】喜びも悔しさも写し出す

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中学、高校の時に所属していた吹奏楽部のコンクールや演奏会では、いつも大事なところで音を外した。大学受験も、思い通りの結果になったとは言えない。本番に弱い自分が嫌だった。「少しでも自分を変えるきっかけが欲しい」。そう思い、大学入学を機に何か新しい挑戦がしたかった。

運動が苦手で、音楽ばかりやってきた私にとって、カンスポに入部するという決断は、人生の中でも特に大きな変化をもたらした。しかし、偶然勧誘を受けて話を聞いたとき、自分を成長させ、今後につながる経験ができるのはここだと思った。

楽器奏者からスポーツ記者へ。ほとんど未知の世界に飛び込んでから約半年が過ぎた。毎試合、新しい出会いの連続だ。最近は、昔から観戦が好きだったアイススケートの取材に行かせてもらっている。実際に会場へ行くと、様々な発見があった。観客の熱量、選手から伝わる緊張感などを肌で感じる。一番印象的だったのは、各選手の演技終了直後にしたインタビューだ。選手の中には、自分の演技に納得できなかった人もいる。涙を流しながら質問に答える姿に、胸が苦しくなった。

誰でも、どんなに努力しても、試合本番で自分の実力を全て出すことは難しい。それは、スポーツ、音楽、勉強、全てに共通することだと実感した。だからこそ、最高のパフォーマンスを成し遂げられたときの喜びは大きい。そして、うまくいかなかったときには涙が溢れる。

この事実を目の当たりにして、結果だけでなく、選手のやってきた努力も、喜びや悔しさなどの思いも人々に伝えられるようになりたいと思った。今はまだ、スポーツのすばらしさを伝えきれるほどの知識も文章力も全然ない。しかし、私のカンスポ記者としての日々は始まったばかり。これから懸命に勉強し、選手の軌跡と栄光を発信していく。【森本明日香】