【野球】エース肥後復活の友情リレー 全国ベスト4進出だ!

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◇第五十回記念明治神宮大会◇対金沢学院大◇11月18日◇明治神宮野球場◇

金沢000 000 000=0
関大010 013 00X=5

(金)松井、武並、長谷川、和田、孫大-黒田
(関)森翔、肥後-久保田拓

1(中)安藤大
2(三)関本
3(一)上神
4(遊)野口
5(左)吉川
6(捕)久保田拓
7(右)倉川
8(二)坂之下
9(投)森翔

5-0で迎えた最終回、力投を続けてきた森翔平(商4)がピンチを背負うと、代わりにマウンドへと向かったのは肥後皓介(人4)。肩のけがのために秋リーグはスタンドでエールを送っていた関大のエースが、ついに復活を遂げた瞬間だった。1死一、二塁で、まずはライトフライとしてツーアウト。そして最後は相手の打球を一塁手・上神雄三(法1)がつかみ、肥後が自ら一塁ベースを踏んでランナーアウト。森翔との4年生リレーを完封という形でつなぎ、全国で大きな一勝を挙げた。


△森翔


△肥後(右)

47年前の優勝以来、明治神宮大会での勝利に恵まれていない関大野球部。悲願の一勝を挙げるべく、先発のマウンドを託されたのは、今季大躍進を遂げた森翔だった。「昨日先発と言われたが、ずっと自分が先発するつもりでいた」。リーグ優勝決定戦、神宮代表決定戦と、大事な場面での先発投手を任されてきた左腕は、この初戦も意気込んでいた。

その意気込みは、確かな実力となって遺憾なく発揮される。3回までを三者凡退で抑えると、ヒットを許しながらも、ピンチを三振で切り抜ける。要所を締めるピッチングで本塁を死守した。

一方の打線も、森翔の力投に応える。2回、4番野口智哉(人2)が四球を選ぶと、打線が続き、2死一、二塁に。この好機をものにしたのは、坂之下晴人(人2)だった。追い込まれた5球目、短く持ったバットを振り抜くと、打球は右方向へ。この秋絶好調な男が、チームに大きな先制点をもたらした。


△野口


△坂之下

さらに5回、今度は坂之下が四球で出塁すると、犠打で二塁へ。このチャンスを、2番関本英実(政策4)がつかむ。「翔平も頑張って投げてくれてて、なんとか力になりたかった」。捉えた3球目は、レフトへと大きく伸びる。その間にランナーが生還し、2点目を挙げた。


△関本

続く6回、6番久保田拓真(社2)のタイムリーと押し出しで2点、さらに、再び関本のタイムリーでもう1点、この回計3点を追加。一気に金沢学院大を突き放す。


△久保田拓


△安藤大一郎(経2)

打撃陣から心強い援護をもらった森翔だが、ストライク先行だった投球が崩れ始める。ピンチを背負う場面も多くなるが、ひとつひとつアウトを丁寧に取ってなんとかしのいでいく。そして最終回。大学で一度も完封したことのない森翔にとって大きなチャンスだったが、ヒットと死球で得点圏にランナーを許す。「調子はあまり良くなかった。抑えれる気がしなかった」と、この秋の活躍を誰より一番応援してくれていた戦友・肥後に託した。

森翔の思いを背負った肥後は、半年以上ぶりの公式戦とは思わせない安定したピッチングを披露。7球で試合を終わらせた。


△肥後


△上神

試合後、森翔の元に駆け寄った肥後。「やっと完封リレーできたな」という復活のエースの言葉に、「後ろにいてくれて心強い。しんどくなったらお願いします」と森翔は笑顔で応えた。2人の4年生ピッチャーの強い絆が、全国の地での大きな一勝をもたらしたのだった。

見事ベスト4に進出した関大は、翌日の準決勝で東海大と対戦する。ドラフト指名選手を擁する強豪だが、「すごい応援が味方にあるし、いつも通り戦えば最終的には勝てるはず」と、松島恒陽主将(人4)の瞳に不安の色はない。どんなに高く厚い壁も、一丸となって突破する。日本一の応援とともに、さらなる高みを目指すのみだ。【文:松山奈央/写真:松山奈央、高木満里絵、中西愛】

▼早瀬万豊監督
「森はリーグ最終戦の近大戦あたりから関西代表戦にかけて素晴らしい投球をしてくれていて、それを今日はそのまま出してくれた。(神宮では)良い戦いができていた。4点以上取りたいと思っていた。今日(今年)の勝利は三度目の正直。(試合を振り返って)前半からバントなどでつないで坂之下で先制。大きかった。ヒットは7本とそんなに多くないが効率よく点を取れた。後半3点を取れて、4年生の倉川もきっちりやってくれたのも良かった。(肥後は)春から肩の調子が良くなく、無理をさせないようにしてきたが、春は肥後を中心にやっていた分、秋は悔しい思いがあったと思う。こっちにきて間に合ったというのはチームにとっても大きいこと。森と4回生2人でやってくれる、大事なところでうまくやってくれた。肥後には中盤から用意しておけと。もう少し厳しくない場面で出してあげたかったが森もいいピッチングをしていた。抜けが多くなってきて点を取られる前に最後に替えた。肥後は左バッターに躊躇しないし、コントロールも良い。だいぶ元どおりに戻ってきている。(関本は)大事なところで守備でも打撃でもやってくれる。一般で入ってきてすごく成長した。2番という大事な役割を任せられる。リーグ戦は途中から先発起用したがそこからもより良くなっている。見事。変化球にもついていけているし、バント、エンドランとどれを取ってもオールマイティー。(明日に向けて)ここでまず1勝というのは念願だった。選手の自信にもつながるはず。明日は関東の強豪で厳しいリーグを勝ち抜いてきていると思うがやりがいはある。頑張って勝ちたい」

▼松島恒主将
「チームが勝てたということは、考えて練習してきた成果が出たということ。自分はこれで神宮が3回目だが、いつも初戦で負けていた。自分の最後の代で勝利できたのは、やってきて本当に良かったなと思えた。3回目だから雰囲気も分かっていたが、後輩にはいつも通りやればいけると言ってきた。関大らしい野球ができたのでは。すごい応援が味方にあるし、いつも通り戦えば最終的には勝てるはず。勝利したことに、正直ホッとしている。明日も楽しみだし、不安はない。ここまで来たらやるだけ。自分も試合に出たいが、最後にどこかにチャンスがあると思って待つ。肥後はリーグに出れなくて、悔しさやしんどさもあったと思うが、こうして神宮で投げれたのは自分のことのように嬉しい。絶対に抑えてくれると思ってたし、その通りになった。みんなで一丸となって戦った成果でもあるのかな。この大会で野球が最後の人もいる。みんないい思いをしてほしい」

▼森翔
「調子はあまり良くなかった。抜けた球を振ってくれた。取った!という感じはあまりない。今日出した149㌔は自己最速。良かった点は、先制点を与えなかったのと、要所で0で抑えられたところ。昨日先発と言われたが、ずっと自分が先発するつもりでいた。すごい応援が力になった。試合前は緊張があったが、試合に入ってみたらなくなった。(肥後選手について)交代の時は、『交代かよー頼むわー!』って言ったかな。ライトフライが一瞬ヒヤリとしたけど、抑えたから、これはいけると。肥後ちゃんと『やっと完封リレーができたな』『自分は完封したかったけどな』と試合後に言い合った(笑)。けがしていた中でやっと復帰してくれて、後ろにいてくれるのは心強い。やっと帰ってきたなという感じ。おかえりなさい!しんどくなったらお願いします(笑)。(今日の投球について)試合前に緊張していたので山口さん(=山口高志アドバイザリースタッフ)にビンタしてもらって(笑)。2年前はスタンドから見ていた。中に入らないと応援の凄さは分からない。かっこいいな、立ちたいなと思って見ていた。リーグ戦には3回生の春にベンチ入り。オープン戦で失点しないようにやってきていた。今日は調子は良くなかった中でも要所で低めを意識して、丁寧に投げることを意識していた。それが0につながった。神宮は投げやすかった。ピンチで集中できたことが良かった。先制点の後からつながってくれて、気持ちが楽になった。とりあえず0でいこうと。(神宮について)応援がすごすぎた。いつもよりもっとすごい。相手の応援が聞こえなかった。自分が相手ピッチャーだったら嫌だろうなって(笑)。関東は強いけど関係ない。ここまできたらやります!」

▼肥後
「展開が分からないが、行くとしたら肥後と言われていた。任されたからには頑張りたいと臨んだ。1週間前のオープン戦で社会人チームにボコボコに打たれたが、投げれたことが嬉しかった。1年2年で神宮に出て、初戦で負けてたからこそ勝ちたい気持ちは強かった。初めての神宮のマウンドは、何度もブルペンには立っていたので、『こんな感じかー』ってくらいだった(笑)。まだ先はあるが、とにかく一勝することを考えて。とにかく勝てて良かった。秋リーグは、ベンチに声が届くように声を出して応援してきた。『投げたいな』とは思っていた。最初は肩も痛かったし、焦りはあったけど、リーグ優勝決めた頃には間に合うと思っていた。ここまで連れてきてくれてありがとう。でもまだ7、8割なのでもっと上げていける。最後は笑って終わりたいです」

▼坂之下
「全力で戦った。神宮球場は関西にはないグラウンド。思っていたのと違ったが、シートノックの7分間で慣れた。(東京に来てからは?)生活が全然違う。練習時間も短いし、環境も違う。その中で、体幹やダッシュ系を大阪にいるときよりも多めに。東京ガスのグラウンドで練習をしていて、関大OBの久米さん(久米健夫=18年度卒)からアドバイスをいただいた。(今日の守備に関して)森さんが必死に投げていたので、打球を抜かさず無失点に抑えようと思った。(次戦に向けて)どんな手を使っても勝ちたい」

▼関本
「緊張した。独特な雰囲気だった。坂之下が打ってくれて楽になって、少し落ち着いていけた。みんなも坂之下の先制でほぐれたと思う。翔平(=森翔平)も頑張って投げてくれてて、緊張はあったと思うがいいピッチングだったから、なんとか力になりたかった。最後だし、このチームでできるのも少ない。特別な思いを持ってこの大会に臨んでいる。明日は強い相手なのは分かっている。みんなで力を合わせて勝ちたい」