【野球】森翔が8回0封の力投!最後は高野で完全優勝達成だ!

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◇令和元年度関西学生秋季リーグ戦第7節◇対近大3回戦◇10月22日◇わかさスタジアム京都◇

近大000 000 001=1
関大001 000 01X=2

(近)村西、宮崎洸、鷲崎―井町、藤井、大杉
(関)森翔、高野―久保田拓

1(中)安藤大
2(三)関本
3(一)上神
4(遊)野口
5(左)吉川
6(捕)久保田拓
7(右)倉川
8(二)坂之下
9(投)森翔

[最終結果] 優勝 関大

[最優秀選手] 高野

[最優秀投手] 高野

[ベストナイン] 
投手 高野
捕手 久保田拓
一塁手 上神
遊撃手 野口

[打率順位]
2位 野口.352
3位 安藤大.339
9位 上神.323
10位 久保田拓.319

「このまま神宮へ連れてってくれないか」。スタンドから声を枯らしてエールが送られる中、歓喜の瞬間がついに訪れた。

9回2死、1点差で高野脩汰(商3)が投げた7球目、相手打者のバットが空を切る。その直後、ベンチから飛び出す選手たちと、スタンドから紙テープを投げ入れる部員たちの歓声に飲み込まれる。2017年秋以来4季ぶりとなる悲願のリーグ完全優勝を果たした瞬間だった。


△高野

負ければその瞬間に神宮への道が断たれ、4年生の引退が決定する大一番。関大の先発マウンドには森翔平(商4)の姿があった。

今季は2戦目の先発投手を任され、第7節の近大戦からは1戦目に登板。ラストイヤーで関大を背負うまでに成長した左腕は、リーグ最終戦で最高の輝きを放った。

初回、ヒットでランナーを背負うが、以降は守備陣の堅い守りに後押しされながらアウトを量産。6回には無死で得点圏に走者を許すも、二塁手・坂之下晴人(人2)の見事な併殺に助けられると、最後は空振り三振で難を逃れた。


△守備職人の坂之下

最大のピンチは、終盤の8回。ここまで無失点でスコアボードに0を刻み続けてきた森翔だが、「全身がつっていた」と、疲れが見え始める。この回先頭の中川にヒットを浴びるなど、2死一、二塁に。それでも最後はセカンドライナーに仕留めて胸をなで下ろした。

一方の打線は、この日は早めの先制点を挙げることに成功する。3回、この回先頭の倉川竜之介(文4)がセンターへのヒットで出塁すると、8番坂之下の犠打で二塁へ。そして、ここでも森翔が真価を発揮する。今季バッティングでも大活躍の投手が、追い込まれながら返した4球目。レフト方向へポテンと落ちてタイムリーに。


△先制のランナーとなった倉川


△犠打を確実に決める坂之下


△打撃でも大活躍の森翔

1点リードのまま迎えた8回、なんとか追加点を挙げて投手を安心させたい関大打線は、3番上神雄三(法1)の特大の右越三塁打でチャンスメイクすると、打席には5番吉川周佑(経3)。内野への当たりを放つと、その間に代走の里泰成(情4)がホームに滑り込み判定はセーフ。「ずっと練習していた」というこの方法が功を奏し、終盤に2点目を追加した。


△三塁打を放つ上神


△2点目を挙げた吉川


△ホームインし叫ぶ里

最終回も登板しようベンチから飛び出した森翔だが、早瀬監督が制止する。限界近くまで力投を続ける森翔にこれ以上無理をさせるわけにはいかなかった。代わって、高野がマウンドへ向かう。「高野すまん、後は任せた」。調子の悪さに苦しみながらもチームのために命を削る高野への申し訳なさから、4年生投手は静かに涙を流した。


△涙を流す森翔と声を掛ける本城円(人4)

近大投手陣からなんとか奪った得点と、先輩投手が死力を懸けて守り抜いた0の並ぶスコアボード。200人を超える部員の思いや期待、そして願い、全てを背負って高野が左腕を振る。1人目を三振で斬ると、2人目に二塁打を許す。そして、連続暴投でまさかの失点。1点差に詰め寄られたが、「(打者を)塁に出してもいいから思い切り腕を振ろう」と、高野は決して焦りは見せない。淡々とピッチングを続け、3人目を投ゴロに打ち取り2死に追い込む。そして、最後のバッター。フルカウントの7球目、振り抜いたバットが空を切ったその瞬間、関大の優勝が決まった。


△クローザーを任された高野

試合後、スタンドの前に整列して学歌と逍遙歌を斉唱した25人のメンバーたち。勝利を静かにかみ締める者、笑顔を浮かべる者、そして涙を流す者。それぞれ喜び方は違えど、全員が優勝の余韻に浸っていた。

ここまで長く、険しい道のりを命懸けで越えてきた男たちにとって、ここまでの苦労が報われる結果となった。しかし、このリーグ優勝はあくまでもスタート地点にすぎない。関大野球部は翌週、神宮大会出場を懸けた関西地区代表決定戦に駒を進める。各リーグの優勝校が2枚の神宮への切符のためにしのぎを削る。6月に行われたオールスター5リーグ対抗戦で関西学生連盟は優勝しているため、1勝すれば神宮に出場できるスーパーシード権を持つ。目指すのはもちろん、関西第一代表の枠。聖地まであと1勝。「一丸突破」で必ず勝利し、悲願の聖地に足を踏み入れる。【文:松山奈央/写真:松山奈央、高木満里絵、中西愛】


△試合終了後、ホッとした様子の久保田拓真(社2=左)と森翔


△スタンドは声を枯らして応援し続けた


△チームを率いた上田竜也副将(政策4=左)と松島恒陽主将(人4)


△胴上げされる主務・大島領太郎(文4)


△ベンチメンバー


△4年生


△3年生


△2年生

▼早瀬監督
「先発は昨日試合後に練習を見てて森にしようと決めた。抜け球も少なくなってきれるし、それに懸けた。しっかり抑えてくれて自信になったのでは。森はリーグ最初の方に自分のミスもあってなかなか勝ちにつながらずストレスも溜めていたと思う。今日のようなピッチングをずっと期待していた。成長した。高野も最後抑えてくれたから勝ちにいけた。短いイニングではあったが、絶対に投げるという強い思いで貢献してくれたのでは。高野が秋を引っ張ってくれて、定本(拓真=文1)や池本(純=社2)もいい味を出してくれたから粘り強くいけた。(2点目について)サインはインパクトゴーというか。ずっと練習してきたから、懸けだがやろうと。春は1点差ゲームが9個もあって悔しい思いをした。後半が勝負だとオープン戦の時から言っていた。言っても形にならないこともあるが、今日は粘り強く最後にも1点を取れた。クリーンアップが中心にリーグ前半では活躍してくれていたが、倉川が7番にいくなど最近は落ちていた。それでも関本(英実=政策4)や下位打線がつないでくれた少ない点をピッチャーが守り切ってくれた。2年生が中心のチームではあるが、上回生がサポートしてくれて、控えやスタンドも出場できない悔しさもありながら4年生を中心に盛り上げてくれた。ここ数年秋に優勝する流れは感じている。献身的にサポートしてくれている4年生がその流れに乗せてくれた」

▼松島恒主将
「なんとか野球を続けられる。これが最後にならなくて良かった。ベンチの雰囲気はとても良かった。森が頑張っているのは分かってたし、正直森はボロボロだった。それくらい自分の力が0になっても戦おうとしている姿に感動した。連戦でみんな疲れているとは思うが、そんなのは乗り越えるしかなかった。ずっと我慢して耐えてきた結果が優勝につながった。秋は勝負強くなった。追い込まれても粘り強く。その結果がヒットにつながって、得点になった。(関西地区代表決定戦に向けて)絶対に今までやってきたように一丸となって全員で戦ったら、必ず勝てる。それができるよう、しっかり休んでまた練習をする」

▼丸山喬之(たかゆき)学生コーチ(法4)
「素直に嬉しい。夏は全力疾走とカバーリングを重点的にやってきた。できることをやっておこうとオープン戦からリーグと臨んできた。(学生コーチとして)声をかけて指導してきた選手が結果を残すのは自分が選手時代の時より嬉しいこと。最後に追加した1点は、内野ゴロで点を取るという戦法でそこはずっと練習してきていたので実って良かった。これは関関戦の2戦目でも上田がセカンドゴロで決めてくれたのも同じやり方で、特に印象に残っているし思い出深い。(スタンドの応援は)今日は今までよりも最高だった。自分が知っている中で一番えぐかった。(森は)うまくいかず悔しい思いをたくさんしてきたとおもうが、最後は素晴らしかった。あれがいつも通りの森。(神宮出場へ)第1代表でいかないとこの1週間意味ないのでさらにパワーアップして。気持ちを引き締めて士気を高めるのは学生コーチの仕事でもあると思うので締めながらやっていきたい」

▼森翔
「今まで1戦目で勝って2戦目負けてて、3戦目も高野に投げさせるのが申し訳なかった。今日は絶対に勝つと誓って臨んだ。0で抑えられて、4年間で一番のピッチングだった。リーグ戦では自分の中で一番長いイニング。甘い球も結構あったが、いいところに飛んでくれた。6回のセカンドライナーなんかもそうで、今日は運があるなって。(意識したことは)とりあえず一人一人取っていく。常に攻め続けて、ピンチになっても守りに入らずに気持ちで押していこうと。絶対に1点を守らないと、ピンチで逃げに入ったら取られるから。8回のピンチで全身がつってて、高野に投げさせたらあかんと最後もいこうと思ったが、ストップがかかった。(泣いていた?)高野すまん、後は任せた、という申し訳なさの涙。(出場機会が増えた契機は)夏のオープン戦で結構投げて、肥後ちゃんもけがだったから2枚目として結果残した。でもこのリーグはずっと悪くて、みんなに申し訳なかった。納得は全然できていない。今日は両親と友達と後輩が見に来てくれて、父親がずっと見に来てくれてたのになかなかいいところ見せられなかったから、今日は見せられて良かった。(代表決定戦に向けて)相手も勝ち上がってきたチーム。ピッチング精度を高めて、攻めの姿勢を変えずに優勝したい。関西第一代表に絶対こだわって。神宮のマウンドに絶対に立ちたい。次必ず勝って、また神宮でも一戦一戦一丸突破で勝ちたい」

▼高野
「ずっと森さんがなかなか勝てていなかった分、今日はすごく良かった。4年間で一番良かったのでは。それを引き継げるように準備はしていた。ずっと調子は悪かったが、悪いのは承知の上で悪いなりのいいピッチングを心がけて。最後のバッターは3ボールになってて、塁に出してもいいから思い切り腕を振ろうと。投げた直後は下を向くからそれがストライクか分からなくて、でもスタンドの盛り上がりで『ストライクだ』と分かってそれに導かれるようにガッツポーズが出た。自分にとっては三冠(最優秀選手、最優秀投手、ベストナイン)を取れたことがうれしい。立命の坂本さんが春に取ってて、『自分も取れたらいいかな』くらいには思っていたが、本当に取れて良かった。肘の違和感はあるが、少しでも無くせるようにできることはやって代表決定戦に臨みたい」

▼吉川
「嬉しい。チームに貢献できて良かった。この試合は、絶対緊張するなと思っていたのでそこは受け止めてできることはやろうと思って試合に臨んだ。春は良くない結果で、そこから4年生中心に一からやり直したことが実った。本当に嬉しい。(8回の内野ゴロは)バッターボックスに入る前に、監督から意地でも転がせと言われた。ランナーも里さんで信頼できる先輩だったので意地を見せた。打球はインコースのまっすぐ。そういう場面では得意ではないが、楽しもうと。(今秋からスタメン)春も頑張ればスタメンのところまで来ていたけど打てなくて悔しい思いをした。夏は振り込みを強化して、一球で確実に仕留められるように練習してきた。頑張った甲斐があって、スタメンを勝ち取れたのは嬉しいし、リーグ戦ではその成果が出た。もっと成長できるなとも思えたリーグだった。(神宮出場へ)2年前は上で応援していた側だった。絶対に神宮に行って、スタメンで活躍したい」

▼肥後
「感謝のみ。(スタンドから見て)頼もしかった。(最後泣いていたが?)泣いていない。まだ。神宮決めてから。とりあえず決めて、また喜びたい」

▼坂之下
「嬉しすぎて、嬉しすぎて。学歌を歌っているとき、4回生が泣いているのを見て本当に泣いてしまった。歌いながら出てきてしまった。最終回はめっちゃしんどかった。(次は順位決定戦だが?)勝って神宮に行きたい。勝つしかない。神宮行きたい。ここまで来たら。ここまで来て行けないのは嫌。第一代表で行きたい」