【柔道】鈴木柔道最後の全国舞台「いいチームだった」

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◇2019年度全日本学生体重別団体優勝大会◇10月19日◇ベイコム総合体育館◇

[1回戦]◯関大3-2秋田大
×先鋒・鈴木
●次鋒・嶋田
○五将・石川
×中堅・岡本
○三将・千葉
×副将・東阪
○大将・奥野

[2回戦]●関大0-6明治大
●先鋒・野原
●次鋒・嶋田
●五将・石川
●中堅・岡本
●三将・松山
×副将・奥野
●大将・鈴木

鈴木隆聖主将(情4)率いる柔道部が今年度最後の学生大会を迎えた。「チームでみんなで勝ちに行きたいなと思っていた」と千葉信介副将(人4)。おのおのが強い思いを胸に、畳に上がった。

初戦の相手は秋田大。先鋒には鈴木主将が登場。「やりづらい柔道で」と何度も仕掛けるが決め切れない。刻々と時間が過ぎていくなか、両者ともポイントを取ることはできず、引き分けとなる。次鋒の嶋田将人(人3)は粘りながら勝機を探っていたが、残り時間が1分となったとき、一瞬の隙を突かれ技有りを取られ、そこから巻き返すことはかなわず、敗戦した。五将・石川貫太(法3)は一本勝ち、続く岡本康平(政策3)が引き分けこの時点で1-1。試合は中盤へ差し掛かる。


△石川


△岡本

三将・千葉は序盤から積極的に仕掛けていく。試合時間の半分が過ぎようとしたとき、内股で一本を取り、貴重な勝ち星を挙げた。「本当に嬉しかった」と試合後に振り返ったように、最後の試合にふさわしい豪快な一本勝ちだった。副将・東阪泰輔(法4)は絞め技を決められ、敗戦を喫し、2-2に。勝負の行方は大将・奥野友輝(文2)に委ねられた。序盤から積極的に攻め、優位に立つ。最後は払い巻き込みで一本勝ち。2回戦進出を決めた。


△千葉


△東阪


△奥野

2回戦の相手は明治大。昨年の同大会や今年の全日本学生優勝大会でベスト8入りを果たし、また今年の全日本個人チャンピオンを擁する強豪校だ。関大の先鋒は野原悠司(情3)。序盤から相手に攻められるが、粘りを見せなんとかしのぐ。しかし、中盤に相手に一本勝ちを許す。「本当は勝ってポイントを取って流れを作りたかった」と畳の上で悔しさをにじませた。次鋒・嶋田は激しい組手争いが続く。途中、2つの指導をもらったが諦めず立ち向かった。しかし、終了間際に相手の技が決まり白星を献上。五将の石川、中堅の岡本も敗れこの時点でこの試合自体の勝敗は決する。


△野原


△嶋田

三将・松山直暉(人2)は仕掛ける場面もあったが決めきれず。残り時間約30秒の時点で3目の指導が宣告され、反則負けとなった。副将・奥野は強敵を相手に善戦する。しかし、技を決めることはできず引き分けた。


△松山

残るは大将・鈴木。畳に足を踏み入れる前、鈴木のそばには田野遼主務(文4)の姿があった。「最後キャプテンらしく、チーム鈴木らしく終わってほしいなって思いと俺の出れへんかった分の気持ちも入れて」。共に関大柔道部のために尽力してきた戦友を一番近くから送り出した。攻めの姿勢を忘れず相手に向かい続ける。「全部出し切れた」。最後は仕掛けた技を返され敗戦したが、主将として、エースとして戦ったこの1年を悔いなく締めくくった。


△左から田野、鈴木


△鈴木

「弱くても努力でなんとか頑張ってこれた」と鈴木主将。絶対的なエースがいるわけではなかった。だが、昨年は突破できなかった1回戦の壁を破り、強豪・明治大にチームで立ち向かった。ここまで、鈴木柔道が歩んできた道、作ってきた土台は次の代、さらにその先にまで受け継がれていく。「1年後、この大会の2日目に残れるようなチームを築いていってほしい」と田野。バトンを受け取った次の世代が、かなえられなかった関大の躍動を必ず果たす。【文:金田侑香璃/写真:宮本晃希】

▼鈴木主将
「今日に向けてやってきたことは、僕ら4回生が、というか僕自身が強くなるというよりも後輩たちをできるだけ追い込んで、最後僕も勝ちたかったですけど後輩たちにもっと勝ってもらえるようにいろいろ、今までの取り組みもさらに強化してやってきたし、練習でも鼓舞してきた。けが人が多い中ここに向けて、多少の緊張感を持ってやってこれた。1試合目は、僕は先鋒で取って流れを作ろうと思っていたけど、かなりやりづらい柔道で、引き分けになってしまった。だけど個人戦の時もそうだったけど後輩たちが勝ってくれて、そこで助けてもらって2回戦、明治とやることができたのでそこは良かった。2試合目は格上相手でみんな思い切りできたと思う。チャンスは僕らにも少しはあったし、絶対に勝てない相手ではないってみんな確認できたと思う。奥野なんかは個人戦だったら勝ってる内容だった。そういった意味で強豪とか、格上とできて自信がついた者もいるし、目指すもの、ゴールが見えたというか目標も見えた者もいると思うので良かったと思う。僕自身も相手が全日本ジュニアチャンピオンで、結構強いと聞いていた。(相手の)身長が高めだったので担ぎを狙っていたんですけど、組手が上手くてなかなかワンポイントを狙えなくて。結果返されて技ありを取られて負けてしまった。試合内容的には全部出し切れたと思う。最後の最後も狙いにいって結局無理だったので完全に力の差だったと思う。後輩にも助けてもらったし同級生にも助けてもらった。全体的に僕らの代は弱かった。弱かった分チームの仲、幹部の仲が良かったからそれで助け合ってやってこれたのは大きかった。仲の良さもあるし、本当にバランスのとれた幹部の割り当てだった。実績は僕らの代は残せなかったけど、後輩たちが頑張れる環境を少しは作ることができたと思う。あとは次の代がどうつなげてくれるか。いつか関西とか、全国で勝ち進められるようになったらいいなと。そういった基礎作りがちょっとはできたと思う。高校のときもけがに悩むことはあまりなくて、大学になってけがに悩まされて思い切った柔道ができなくて、最後の方も柔道も変わっちゃって、あまり思い切った柔道ができなかった。それでもなんとか工夫して、いろんな違った技で対抗してきたりした。けがは全国誰でもあることなので僕だけじゃないけど、でもそういった中で戦ってきて、多少は今まで強い人に勝ってきたし、負けてもきた。柔道人生に悔いはないです。後輩には、本当にとにかく筋肉をつけて、ワンチャンスをものにしてほしい。それが最後の僕からのメッセージ。この大会は僕が3年生のときから出させてもらっていて、階級の代表が出るからすごい特殊な試合でもあると思う。本当に個人戦と変わらないような全国大会。1階級上で出れるとかそういったちょっと特殊な大会なのでこの大会については強い奴が弱い奴に負けることもあるし、弱い奴が強い奴に勝つこともある。順当に負けることもあるけど、そういったなかでチャンスを生かし切れなかったのは、あとちょっと何か足りないものがあったと感じる。全体的に関西勢も頑張ってやれてたけど、やっぱり関東との力の差を感じた。主将として、この1年については、ほんとに僕的にも主将をしてきたっていう感覚があまりないんですけど、けがもあって、けがの期間は信介(千葉信介)にほとんど引っ張ってもらって影では主務として田野が支えてくれてた。みんな僕がやろうって言ったことも否定しないで、やろうってどんどん取り組んでいけた。そういった仲の良さでチームを引っ張ってこれた。弱くても努力でなんとか頑張ってこれた。いいチームだったと思う。チーム作りに関してはレギュラーを中心に強くしていくのはこの大会の直前ですけど、その前はもっと団体には選ばれないけど個人戦にギリギリ選ばれるか選ばれないかぐらいの選手の地力をつけさせるためにいろんな全体でやっていく取り組みをしてきた。ボトムアップをいかに図れるかということでやってきた。いま、ボトムアップを図れたのかと言われたら結果としてはあまり出ていないと思うけど、これを続けていけばいつかもうちょっとチームが底上げできて、チーム力の向上に繋がると思う。今後のチームは練習の基礎をもっと良くしていって今の一個下もあまり強くないけど、技が切れる選手もいれば団体戦でしっかり仕事してくれる奴もいれば、リーダーシップを張れる奴もいる。そういった意味では、僕らと同じようにチーム力で引っ張っていってもらえれば。その下の代が過ごしやすい環境というか、計算しやすい環境を作っていってもらえば今後に期待はできるんじゃないかなと思う」

▼千葉副将
「今日に向けて、自分自身は教育実習中で大学の練習には参加できなかったですけど自分なりに練習したり、減量とか調整をできる範囲で頑張ってきた。久しぶりに見たチームはいい意味で全然変わっていなくてみんないつも通りだった。ホッとしました。自分自身1回戦しか出れなかったけど、自分の役割をしっかり果たすことができて、一本勝ちできたのは本当に嬉しかった。これが本当の最後。社会人になった後の予定はないのでこれが実質的な引退試合。そういった意味ではここにかける思いは非常に強かった。チームでみんなで勝ちに行きたいなと思っていた。実際練習していなかったので、不安もめちゃめちゃあった。でも、今までやれることはしっかりやってきたので不安はありながらも、自信を持ってしっかりとやった結果がここで出せたと思う。この4年間は、関大に来るに当たって、絶対に団体戦のメンバーに入って試合に出たいって気持ちがずっとあった。その目標を達成できて、こうやって最後の試合に出られたっていうのはすごく有意義な時間を過ごせたと思う。2年間副将をしていたんですけど、自分のチームになってからの方がいろいろ大変だったこともあった。キャプテンが最初の3カ月ぐらい決まらなかった時期もあって、僕たち自身、全員で結構悩んだところもあった。最終的に隆聖(鈴木隆聖)をキャプテンにしようって決めてからは結構順調にここまでこれて、全員で戦ってこれた。自分自身、一番はやっぱり関西学生で勝って、個人で全日本学生に出ることを一番の目標にしてやっていた。それができなかったことは非常に悔しいところではある。でも、その反面団体戦ではしっかりと出ることができて全日本の無差別も体重別もしっかりと出してもらえた。この4年間頑張ってきた結果がこうやって使ったもらえたりとかっていうところにつながったと思う。やっぱり今年一年、一個上の先輩たち、荒木さん(荒木佳祐前主将=18年卒)と澤井さん(澤井亮一=18年卒)が抜けて自分たちも、周りの人たちも関大やばいなっていうのは思っていて。それを選手たちも全員が理解して自分たちの弱さを理解できたからこそ、前の先輩たちに劣らないぐらいの成果というか、結果は残せたんじゃないかなと思う。全員でしっかり戦ってこれたのは一番良かった。2回戦で、隆聖以外みんな後輩たちが出て、そうやって下の子たちがしっかりと出てきて試合をしているっていうのはいいことだし、この試合を1つの経験としてこれからの自分たちの新チームにいい影響というか、うまく生かしていってほしいってことが今一番思うことです。(明治大戦の途中、試合を待つ選手のもとへ行かれましたが)チームの負けはもう決まっていたけど、奥野と隆聖の2人は残っていたので、最後負けてるけど頑張ってほしいなと思って行った。来年も今年と一緒で小柄な選手が多いチーム。ここで隆聖がキャプテンとしてやってきたことを生かしてまた、新しいチーム作りをしていってくれたらもっともっと良くなっていくと思うので、そこを期待したい」

▼田野主務
「この大会で最後っていうのは例年決まっていることだし、1回生の時から見てきた大会。だけど1回生、2回生、3回生ときて今まではただの観客だったのが去年副務になってもっと近くでチームを見るようになって、それが今年主務になって、もっと近くで見るようになって、幹部だしそういう思いと最後っていう思いが一緒になった。自分戦えへんけど勝ってほしいっていう思いはすごいあるから、その時点で俺に今日一日できる最大限のことを考えたら声掛けとか、選手のメンタル部分のケアだと思った。そういうところは人一倍頑張ってやろうと思った。(明治大戦では鈴木主将のもとへ行かれていましたが)俺たち最後までキャプテンをどっちがやるって話がちょうど1年前にあって、今の形ができて、一番バランスのとれた形。そのなかで1年間やってきて、一番チームを良くしようとしてきた2人で、去年になかったような関係を幹部同士で築けた。隆聖に回るまでに試合は決まってたから、勝っても負けても負けやったけど最後キャプテンらしく、チーム鈴木らしく終わってほしいなって思いと俺の出れへんかった分の気持ちも入れて隆聖のところに行った。たまたま、隆聖が最後に大将で良かったなと思う。一番いいときに、いい形で俺からもサポートできたし結果は負けたけど隆聖らしい試合をしてくれたかなって思っています。4年間…いろいろあったけど自分は高3の時に京都でチャンピオンになってインターハイに出てちょっとだけ強い選手として大学に入った。だけど、大学柔道と高校柔道は違うなって1回生で思い知らされて、減量も辛くなって階級とかも上げたし、そうこうしているうちに後輩たちが入ってきて、今回もメンバーに貫太(石川貫太)と横幕が選ばれた。自分としてはもっと選手として花咲せて、一番支えてくれた親とかいろんな人に恩返ししたかったなっていうのはすごく思っている。毎年言われてるけど、主務やから出れへん試合じゃなかった。そこは自分が柔道着を着てないことに対する不甲斐なさもある。自分の成績抜きにしてこのチームで、この学年でやってこれたことを今すごく誇りに思っているし、結成当時、1年前は戦力ダウンして、強い奴がいないって言われながらも、去年ぐらい、去年以上の成績も出したから、それはやっぱり俺たちのやってきたことかなって。今は4年間通して誇りには思っています。主務としての仕事っていうのは俺が知らないところでマネージャーの2人が一番頑張ってくれてた。その分俺は一生懸命柔道のことを考えられた。マネージャーがいなかったら俺はこんなに柔道を頑張れていなかったし、そこはマネージャーの2人に感謝したい。競技面では勝ちたかったっていうのはある。そこは悔しいですけど、周りに恵まれたことで1年間自分が精一杯やってこれた。関大の柔道部で主務をやれたことは結果的に良かった。同級生はある意味結構凸凹してて、でもそういうのもひっくるめて隆聖であったり信介(千葉信介)であったり日光一喜(人4)も俺も一緒になっていい方向に向いていこうっていう形ができたことで4回生のまとまりはすごく良かった。後輩たちもたぶんいろんな思いがあったと思うし、俺らがみんなの見本になれるような幹部だったかと言われればそうじゃないかもしれないけど、そんな中でもここまでついてきてくれて試合でもいっぱい活躍してくれた。だから、チーム力っていう点に関しては今年の関大はすごく自分は好きやし、1年前、2年前よりも今年の関大は結束していたんじゃないかなと思う。それはやっぱりキャプテンの色があってのこと。チームに対してはもう何回も言うけどありがとうという感じ。自分がここでこんなに立場をもらって、主務としていかしてもらったのは同級生、後輩のおかげ。来年もたぶん幹部選びがすごく難航すると思うから、そこは俺たちの意見も加味しながら監督と相談する部分でもある。誰が幹部になったとしてもそれはもう1回決めたらなかなか変えられることじゃないから、40人、50人の部員全員が納得する形っていうのは100%ない。いろんな不平不満もある中で、どうまとめていくか、どうまとまっていくか。それはリーダーシップ、フォロワーシップある。俺らのチーム力的な仲の良さって言ったらちょっとカジュアルな感じになるけど、そういう点は見習ってもらって、もっと詰めれたところとかもっと追い求められた部分はやっぱりもっと来年から頑張ってほしい。次の1年生も強いって聞いているし、今の2年生奥野、松山も強いし、3回生も裕司(野原悠司)だって頑張ってたし、嶋田も頑張ってた。選手の看板はあると思うから、1年後、この大会の2日目に残れるようなチームを築いていってほしいなと思う」

▼野原
「先鋒だったので、本当は勝ってポイントを取って流れを作りたかった。取ることができなくて、負けてしまったので悔しい。僕、背負い投げが得意なんですけど、背負い投げで一本取って勝ちたかった。ポイントも取れなくて、最後相手にボコボコにされてしまったので悔しいです。この1年は、チームとしてはちょっとずつ良くなっていったと思う。来年は4回生なので僕たちが引っ張っていかないといけない。しっかりポイントを取れるような選手になって試合で勝っていきたい」

▼奥野 「個人が終わって、期間があまりなかった。練習もちょっとけがしてしまってあまりできていなかった。今日、少し不安だったけどなんとかいけた。第1試合は、相手がたぶん1つ階級を上げてきていたので、勝てるとは思っていたけど巻き込んでしまったのでそれは良くなかった。もっと、崩して崩してかけれるようになれたらもっと強くなると思う。重量級の得意な巻き込み。それでしか最近投げれていないので、足技とかちゃんと崩せるようになってきたらもっと強くなれると思う。(試合を決める一戦でしたが)緊張はしました。ちょっとだけ。2試合目は、相手が強いって知っていたので緊張はしなかったけど、どれぐらいできるかなと思っていた。ちょっとはできたと思う。いけるかなと思ったんですけど、いけるかなと思った時にはもう遅かったです。同じ組手をやる相手だったのでやりにくいところはあった。(この1年に関して)全国には出れたけど、入賞、8位以上に入りたかった。そこまでいけなかったので、まだ力が足りない。来年はもっとウエイトをして、体を大きくして負けないようにしたい。ウエイト頑張ります。鈴木さんのように。まだ2回生なので、3、4回生がいると思って思い切っていくことが今年まではできた。来年からは上級生になるので、負けたらあかんなって、絶対勝たなあかんっていうのが出てくると思う。また、緊張してくるなと思いますね。来年は個人では講道館杯に行けるように頑張りたい。団体では絶対に負けないように、絶対取ってこれるようにしたい」