【剣道】「1本の大切さが顕著に出た」。全日出場ならず、日本一は次の世代へ

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◇第67回関西学生優勝大会兼第43回関西女子学生優勝大会◇9月22日◇おおきにアリーナ舞洲

【男子】
[1回戦]
○関大5—0阪大
[2回戦]
●関大1—2近大

【女子】
[2回戦]
○関大1—1甲南大(2−1)
[3回戦]
●関大1—2関学大
[敗者復活戦]
●関大1—2天理大

全日団体出場とはならなかった。男子はベスト12、女子はベスト11に入れば全国への切符を手にできる今大会だったが、強豪を目の前にその夢はかなわず。4年生はここで引退となった。

はじめに登場したのは男子。ここ数年、安定的に全国出場を決めている関大だったが、昨年でシード権を得られなかったことにより、今年は1回戦からの出場に。初戦の阪大戦を危なげなく突破した先に待ち受けていたのは、昨年度の王者・近大だった。

「正直最悪だった」。近大と対戦することが決まった約3週間前のことを振り返り、二神大也主将(法4)は苦笑いを浮かべた。それでも、「ちょっと楽しみ」。4年間、一度も白星を挙げたことのない相手への挑戦。ミーティングや研究を重ね、この日を迎えた。

先鋒は小阪拓海(人2)。6月の総合関関戦でも鮮やかな勝利を収めた頼れる実力者が、ここでも真価を発揮。競り合いからドウを決め、近大からいきなりリードを奪う。しかし、その直後に同じくドウを返され、引き分けに。そのまま次鋒へとつないだ。


△小阪

2番手の廣崎拓真(商2)は調子が上がりきらず、メンを許し1本負けとなるが、五将の川口大貴(法3)が昨年の関西個人王者・高山にメンを取り返し、1本差と迫る。さらに、続く中堅・若山祐也(人4)が上段相手に引き分けへ持ち込み、三将の平田陸人(文3)へ。


△廣崎


△川口


△若山

1年時から確実な1本でチームに貢献してきた平田。1本を追いかける緊迫の展開で、またしてもその存在感を発揮した。相手が打ち終わり、緩んだところへすかさずメンを叩き込む。3本の旗が一斉に上がり、試合を振り出しへと戻した。


△平田

副将の豊田大海(文3)が0ー0で試合を終え、勝敗の行方は大将・二神へ。3回戦まで駒を進めなければ、全国への切符はおろか、敗者復活戦の望みすらもつかめない。絶対に負けられない戦いに、会場の雰囲気も張り詰めていた。


△豊田

「絶対いけるぞ!」と、応援席からキャプテンを信じる声が飛び交う。その期待に応えるかのように、序盤で1本を先取。「いけるんじゃないか」。誰もがそう信じ、勝利を祈ったが、王者の壁は高かった。直後にドウを返されると、続けて2本目を仕留められ、試合終了。日本一を掲げる関大剣道部男子の今年の挑戦はここで幕を閉じた。


△二神

その直後に行われた女子。「男子の分まで頑張らないと」。岡田光生(人4)を中心に初戦である2回戦へ臨む。先鋒の長谷緋菜(情1)が引き分け、続く谷川真由(法2)が1本負けとなりビハインドを背負うが、好調の藏谷美音(人2)が引きメンで2本勝ちを収め、逆転。そのままリードを保ち、僅差で3回戦へ駒を進めた。


△谷川


△大嶋真依(情3)


△藏谷

ここで勝てば2年ぶりの全日出場が決まる3回戦。相手は昨年も涙を飲んだ関学大だった。会場の声援も大きくなる中、長谷が1本を先取。しかし谷川が1本負けを喫すると、その後3人も引き分けに終わる。因縁の相手に代表戦へもつれ込むが、強豪を打ち崩すことはできなかった。6人目として登場した岡田がコテメンを決められ、敗北。望みをつなぎ、敗者復活戦へ回ることに。


△長谷


△岡田

敗者復活戦では藏谷が再び白星を挙げ、チームを勢い付けるがその後1勝を奪われ、またしても代表戦へもつれ込む。話し合いの後、代表としてコートに入ったのは藏谷。「藏谷が負けたら仕方ない」。前半から積極的に仕掛け、好機を狙うが、最後は相手のコテメンに3本の旗が上がる。全日出場を果たすことはできなかった。


△松岡優奈(法4)


△藏谷

試合後、4年生が口にしたのは「1本の大切さ」。男女ともに、1本差で全国への切符を逃しただけに、それはいっそうの重みを増していた。それでも、強豪を相手に果敢に戦い抜いた熱闘を選手たちは忘れない。4年生の不屈の精神を受け継いだ後輩たちが、今度は全国の頂へと上り詰める。【文/写真:高木満里絵】

▼二神主将
「近大と当たると聞いた時は正直最悪だった。けど、どこかでは勝たないといけない相手だったし、嫌でありながらもちょっと楽しみな部分もあった。動画を見たり、ミーティングをしたりして全員で対策を練っていた。(試合をしてみて)先鋒なんかは、研究していたところで1本を取ってくれて、成果が出た。(最後タイで回ってきて)めっちゃ嫌だな、と(笑)。でも大将である限り回ってくるだろうなと思っていたし、自分がどこまでできるのか楽しみでもあった。1本取った時はいけるんじゃないかと思った。会場も盛り上がっていて。でもそこでちょっと気が抜けてしまったかもしれない。(主将として)自分のコンディションだけでなく、9人のコンディションとそしてサポートと雰囲気作りと、いろいろ気にかけないといけないことが増えて、今までとは全然違うプレッシャーがあったけど、それも含めて楽しかった。同期たちともやってきて、みんながいたからここまでやってこれたし、本当に楽しかった。(思い出に残っていることは)いろいろあるけど、今日の負けは一生絶対に忘れない気がする。あとは、大阪団体で同期の若山と出場できたこと。(後輩たちへ)今度こそ近大を倒してほしい。ここからどれだけ強くなれるか。そして今度こそ優勝してほしい。(同期へ)ついてきてくれて、たくさんサポートしてくれてありがとう!」

▼若山
「初戦が近大と決まったのが9月1日。4年間一度も勝ったことがなくて、もちろん絶対勝つという意識だった。最近あった大阪の大会でも近大と対戦していて、そこでも負けていたので。相手の試合を見て、ミーティングをしたり、癖や相性の良さでメンバーを組んだりして、しっかり対策を練っていた。(終わってみて)1本の大切さが顕著に出た試合だった。自分は相手が上段だったので後ろにつなげることを意識していた。自分自身、今年初めて全国で団体のメンバーに入ることになって、後輩たちも多く出ている中で、団体で勝つということをとても大切にしていた。(最後の大将戦は)二神の調子は最近良かったので、1本取った時は絶対に行けると思っていたが、そこで負けてしまって、改めて1本の大切さを知った。(大学剣道を振り返って)自分は下宿ということもあり、練習以外の時間でもみんなと関わって、そこでチームワークができていた部分もあったと思う。OBの先輩方も良くしてくださった。監督も今年で終わりなので、最後に全国に連れていきたいという思いもあった。(4年生は)唯一推薦がいない学年だったが、そこで頑張ろうという気持ちになれたし、実際頑張ることができた。同期とは長い間一緒に稽古して、一緒に乗り越えることができた。今後も、剣道を続ける予定なのでまたどこかでつながることができれば。(後輩へ)自分は技術面ではあまり教えられることは少なかったが、続けていて楽しかった。剣道は何が起こるかわからないから、気を抜かず必死で頑張って欲しい。そうすれば逆転のチャンスは必ずあると思う」

▼岡田
「最初から1本差の戦いで激戦だった。チームで乗り切るということを大切にしていて、甲南大も強い学校だったので必死だった。初めから流れが良く、絶対勝つぞという気持ちだった。関学戦は、6月の関関戦では女子は大差で負けていたので悔しい気持ちがあったし、その時自分は出ていなかったのでなおさらその気持ちは強かった。(敗者復活戦では)2年生の藏谷が調子が良くて。ああいう場面の代表戦は普通は4年生が出るべきだけど、藏谷が調子が良くて送り出した。藏谷が負けたら仕方ないという気持ちで。結果的には負けてしまって、悔しいけどでも後悔はない。(男子の結果は)男子の様子は見ないようにしていたけど、気になってチラチラ見たりして。負けてしまって悔しかったが、男子の分まで頑張らないとなという気持ちで逆に意識が高まった。個人個人調子は良くて、1本を必死に守ろうというチーム意識がすごく強かった。(4年生は)個性的な学年。女子は4人しかいなかったが、今日一緒に出た松岡は悔しい中でも練習を頑張っていて、感謝も大きい。(後輩へ)1本差が身にしみた試合だった。1本の大切さを忘れずに、来年こそ全日に行ってほしい」

▼松岡
「チームの流れは良くて、全部の試合でチームで戦えた。自分は試合にはずっと出ていなかったが、最後の試合は、先輩に任せて良かったです、と後輩たちが言ってくれて。4回生として、1本を取りにいきたかったが。(試合自体は)取りにいくところは取りにいって、大将までつなげることを意識していた。全員で戦う意識を高く持っていたし、それができていたと思う。(4年生は)推薦がいなくて、一番弱い学年と周りからも言われていて、自分たちも、他学年よりは一歩下がったところにいるという気持ちはどこかしら持っていて。でもその分、男女で悩みを相談したり、協力しあったりして、つながりはとても濃かったと思う。そういうカラーもあって、自分たちが4年生になって、今までの厳しい上下関係がいい感じに緩まって、1年から4年に意見を出したりできるようなチームができた。4年間はとても楽しかったけど、とてもしんどかった(笑)。(後輩へ)慕ってくれる可愛い後輩ばかりで、みんなのおかげで楽しくできた。全日本は今年は行けなかったけど、来年は必ずかなえてほしい」