【アーチェリー】波乱の王座。予選敗退も、『悔いはない』

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◇第54回女子王座決定戦◇6月16日◇つま恋リゾート彩の郷第1多目的広場◇

[予選ラウンド最終結果]
26位 久野和(人4)526点
27位 奥本碧(化生4)525点
31位 青木愛実(法3)520点
39位 上田沙紀(社3)501点

11位 関大 1571点(※上位3名の記録を合計した点数)

今年の王座は波乱に満ちた。例年、1日目に行われる予選ラウンドが悪天候のため中止。そのため、予選が2日目の午前中に持ち越され、午後から王座を決める決勝ラウンドが実施された。決勝ラウンドに勝ち進めるのは、いつもなら16校。しかし、時間短縮のため今年は予選で8校まで絞られる。異例の特別措置だった。天候は、雨は止んだとはいえ、風が強く、70㍍と距離の長い王座決定戦では難しい状況。それでも、奥本主将率いる女子チームは一丸となって全国の強豪校に挑んだ。

初めの6本打ち終えて首をかしげる選手たち。矢を放つ場所と、的前で風向きが変わり、いつもの感覚とズレが生じた。それでも、コーチや部員間で状況を確認し合い、その状況に対応させていく。


△青木

失敗の許されない王座の舞台。一射一射にプレッシャーはかかったが、4年生の奥本、久野は積極的に後輩2人に声を掛け、「楽しもう」と言い続けた。その言葉と表情が選手たちの力に変わり、4エンドには久野が48点、上田が47点と調子を上げる。5エンドには奥本も47点、6エンドでは青木が49点と状態を良くしていった。前半終了時点で関大は10位。まだまだボーダーまでは射程圏内だ。


△上田

後半戦がスタートするも、相変わらず強風が吹き乱れる。風が弱まる瞬間を狙って矢を射るが、待ちすぎると制限時間が少なくなり、気持ちに焦りも出た。満足のいく競射をできたエンドは少なかった。しかし、「悲しい顔とかもせずに、最後まで笑顔でやってくれた」と赤木理彩子(人4)。最も近くで声を掛け合い、共に戦った赤木やマネージャーの冨本真由(社3)、そしてベンチ後方から熱い声援を送る仲間の支えが4人を後押しした。


△久野

9エンドには奥本が50点を出し、ガッツポーズを見せる。久野は11エンドにこの日のチーム最高点である53点を叩き出した。だが、最後まで8位との点差を縮めることはできず。今年の王座は、予選敗退という悔しい結果に終わった。


△奥本

悔しい気持ちはもちろんある。しかし、4年生の表情に曇りはなかった。憧れの、ど真ん中で立て打ちをする、最後の決勝の場に立つことはできなかったが、心の底からアーチェリーを楽しむことができた。「めーっちゃ楽しかった」(久野)。予選ラウンドは個人戦。決勝ラウンドの出場メンバーになるため、4人はライバルとなり、しのぎを削るのが例年だった。だが、今年は少し違った。4人で力を合わせて、チームで戦った個人戦となった。

青木新主将が率いる新チームはもう始動している。1年後、「リベンジしたい」と青木。今日の悔しさは明日のエネルギーに変わった。関大アーチャーは今日も一射に磨きをかける。【文:勝部真穂/写真:北島大翔・勝部真穂】

▼奥本女子主将
「ほんとは昨日、予選グラウンドがあるはずで、でも大雨で、天気も結構悪くて中止になってしまって。本当だったら多くの学校が決勝ラウンドで打つことができたはずだったが、今回は8校しか進めなかった。やっぱりどこかでちょっとはプレッシャーとかがあったと思うが、みんなまず72本をしっかり打っていこうと、風も結構強い中ではあったが、しっかり打ち切ることはできたかなと思う。(風の影響は)昨日も風が強かったが、雨があったので雨を見ながらまだ判断ができた。今日は(雨はなく)立っている側と的側で風が吹いている向きが違ったりした。読みにくくて、打ちにくいところがちょっとあったかな。(王座に向かう気持ちはどんなものだったか)私と久野が4年生で、あと2人が3年生で。私たち2人にとっては最後の王座だったから勝ちたいっていう気持ちはやっぱり強かった。ただ、全員で楽しく、最後まで楽しんでやろうってことも常に意識していた。試合中もずっと『楽しもう楽しもう』って言って。途中点数が良くないことも多かったが、楽しんでいこうということは声をかけ続けられたと思うので、そこは良かった。(矢取りの時も声を掛け合っていたように見えたが)そうですね。久野と私はやっぱり最後だから悔いがないように。最後まで打ち切ろうっていうのを。下の2人は、やっぱり先輩の王座というところで気負ってしまうところがあったと思う。私と久野も去年はそうだった。でも、そういう思いはしてほしくないなと思って、私たちの最後の王座だったけど、そこは気負わずに、自信もって、集中してやっていこうというふうにずっと言っていた。(今後も個人で大会を目指すか)奈良県の国体のメンバーにはなれているので、8月くらいまではその近畿ブロックとかもあるのでそこまではやります。そのあとも…わかりません(笑)。(この王座で)この部活としては引退になる。(関大アーチェリー部での3、4年間を振り返って)1年生の時から久野と赤木っていう女子の同期がいて、3人でこの王座の舞台に立とうっていってやってきた。2年生の時は王座メンバーから外れて、3年生の時は王座に出たけど、立て打ちのメンバーにはなれなくて。悔しい時もいっぱいあった。でも、やっぱり2人がいてくれたおかげで、最後までできたなっていうのが一番強くて。男子合わせても同期7人しかいなくて、すごい少なかったが、みんなに助けてもらいながらここまでこれたなっていうのが一番の思い。負けてしまったが、悔いはない。(後輩へ)やっぱり今年悔しい思いしたし、みんなに立て打ちしている姿を見せれなかったっていうのが、みんな大阪から来てくれて、すごく申し訳なかったなと思う。でも、みんなにはこんな思いしてほしくないので、ここからまだまだ、人数も多くて可能性もあると思うので、最後まであきらめずにやってほしい。やっぱり部活とアーチェリーを楽しむことをいつも忘れずにやっていってほしい」

▼赤木
「リーグ戦でも全然活躍できなくて、王座もメンバーなれなくて、マネジャーの予定だったが、就活が入っていけなくなって、代わってもらって結局応援組になって。でも近くで応援させてもらってみんな一生懸命頑張ってくれたので、いい引退かなという風には思う。(1番近くで戦った今日の試合は)たぶん選手それぞれに悔しい思いもあるとは思う。でも、今自分たちがやるべきことをしっかりやってくれて、何よりもみんなずっと悲しい顔とかもせずに、最後まで笑顔で試合終わるまでやってくれたのが一番うれしかった。(関大アーチェリー部で過ごした日々を振り返って)1年生の時に左打ちに転向したりして、なかなか思うように点数も出ず、悔しい思いをした時期も続いた。でもやっぱり先輩、後輩、同期のみんながすごい優しくて、途中あきらめそうにもなったけど、みんな一緒にいてくれて。すごく周りの人に恵まれてこの4年間過ごせたかなと思う。(同期のみなさんは)結構、けんかまではいかないけど、お互いの意見が合わない時期もあった。でもやっぱり、部室でみんな幹部(4年生)でそろって仕事している時とか、ほんとにもう、めちゃめちゃみんな楽しくて。だから、仲の良さはこの代が一番自慢できるところかなと思う。特に女子2人は、しっかりチームを引っ張ってくれていて、私も一緒にチーム引っ張りたかったけど、できなかった中で、一生懸命引っ張ってくれて。なおかつ私がしっかりメンバーになれるようにも指導してくれたり、応援してくれたので、本当にいい代のメンバーに恵まれたなという風に思っている。(新チームへ)関大の良さはいっぱいあると思う。でも、悪いところも、絶対周りのチームに比べてあると思う。そこを、今の強みを持ちつつ、改善していったら、もっともっといいチームできあがっていって、もっと強いチームになっていくと思うので、みんな全員で、いいところは伸ばして、悪いところはもっと良くしていくっていう風に、チーム全員でしていってほしいなと思う」

▼久野
「風も強くて、これだけ応援周りにいっぱいいるし、緊張もしたが、最後の試合なので、思い切って、悔いないようにやることだけ考えていた。(風の影響は)普段と全然違た。しかも、風が手前と億とで全然違うかったので難しかった。でも、コーチがうしろから指示出してくれたので、ありがたかった。(メンバー内で声掛けはあったか)後輩たちが結構緊張してたので、『思い切ってやれ』ってことは声掛けてやっていた。(王座の舞台は)めーっちゃ楽しかった。いつもは緊張するなくらいの気持ちでやっているが、今日はもう、みんなの顔見ながら打ったり、声が打ちながら聞こえるので、4年間のことが頭の中でよみがえってきて、思い出して、『4年間幸せだったな』とか思いながら。楽しかった。(4年間を振り返って)正直、この4年間は苦しかったし、スポーツ推薦で入学したが、結果がなかなか出なくて。楽しい思い出より苦しい思い出の方が多い。でも、今日こうやって終えてみて、関大に入って、アーチェリー部に入って良かったなと思うし、本当に悔いはないアーチェリー人生だったなと思う。(同期の女子2人には)感謝しかない。あの2人がいなかったらここまでアーチェリー続けてないと思うし、自分が一番苦しかった時に支えてく(今後の予定は)全日本に申請できる(個人の)点数は持っているので、悩むところ。国体まではやると決めているが。悩んでる。(後輩の皆さんへ)こんな悔しい思いは来年してほしくないので、できる限りのこと精一杯やって、来年ここで笑って終えてくれたら、それで十分。頑張ってほしい。応援してます」

▼青木
「(今日の試合を振り返って)ほんとに…なんて言うんですかね。めっちゃ悔しい。本当に悔しいしかない。いろいろ予定の変更があって今日72本で、まず立て打ちできるかが決まるっていうのがあって。まずそこに残らなきゃっていうので、すごく緊張してしまって。結局そこには残れなくて。それが一番悔しい。(王座は特別か)チームとしてはリーグ戦に向かってやってきて、リーグ戦で勝てて、この王座がある。それを想ったら、チームとして日本一を目指せるのはやっぱり王座。ここで勝つということは、(主将の)奥本さんとかだとチームのトップとしてはやっぱり一番うれしいことだと思う。個人でも勝てたらうれしいが、やっぱりここで勝つことがチームにとって一番うれしい。みんなで獲った勝ちっていう。『関大』っていう大きいくくりで見ても、成し遂げたいっていうのが強い場所だった。(この王座で4年生は引退となるが)絶対に足は引っ張れないと思っていた。やっぱり59代の王座で、ここで59代の方に輝いてほしかった。『初めての王座で緊張するよね』とかいうことも言われていた。でも、勝たなきゃいけないことは同じだった。とにかくいっぱい練習をしようと思って。練習をすることで、安心ではないが、チームの自信につなげていかなきゃなっていうのをすごく思って練習はしていた。(予選で8位までに入らなければいけないという状況でプレッシャーや緊張感はあったか)めちゃめちゃあった。普通だと初日に(予選を)やって、2日目は立て打ちっていう形。昨日だったらチームのみんながライバルで、3人のだれが(決勝メンバーに)なるかっていう戦いとかになってくるところで、何位で通過するのか、それで対戦相手が変わるとかなるはずだった。でも、今日は8位に残って、なんとかみんなで決勝いこうというので、緊張感が全然違った。いつもとは違う王座になってしまったんじゃないかな。いい意味でも、悪い意味でも。と思ったし、本当に実力不足だったと感じた。緊張っていうのも、何回も打ってれば緊張しなかったのかなとか、もっと打ってきてればって思って。負けちゃって、もっと練習してこればよかったっていうのをすごく思う。(矢取りの時4年生に声を掛けられたか)後半で1本ほんとにミスっちゃった時があって、『最後楽しんでいこう』って言ってもらって、ちょっと気を遣わせてしまったなとは思いながら。でも、やっぱりすごく『先輩』を感じた。代が変わっちゃって忘れかけていたが、まだ後輩だったんだって。安心した。でも、点数の面とかで心配かけちゃったんだなっていう風に思って。声掛けてもらって本当にすごくありがたかった。『やばいやばいやばいやばい、点数落としちゃいけない』とか思い始めていたので、『大丈夫だよ。楽しく打って』っていう風に声掛けてくれたのがすごくうれしかった。(4年生の存在は)ずっと上は3人しかいないので、上は3人で一つみたいなところがあって。ずっと練習も一緒にするし、3人の意思がずっと同じ方向に向いていたので、全員が『よし頑張ろう』っていう風に。練習で先輩としての態度とかを見せてくれたので。ずっと夜まで打っていたりとか、そういう態度見せてくれていたので。今これからいなくなると思うと。先輩が頑張っているから頑張っていた部分もあったから、早く帰ったりしたら、もう帰るんだとか思われちゃうと思ったりとか。でもそれが全体の練習量につながっていたことは確かなので。すごく大きい存在だったなと思う。(これからは青木さんたちがその存在になっていくと思うが、新チームでの意気込みは)今日初めてこの場で打って、リベンジしたいなと思った。すごく自分の実力が足りないとか、緊張しちゃったとか、経験が足りなかったとか、ほんとにただただ自分ができなかったことが多かった。1年後、チームとしてはここに照準を合わせて、しっかり練習して、もう一回新チームで戻ってきたい」

▼上田
「(8分の1しか団体戦に進めない状況となり)王座に来て団体戦をしないのは絶対に嫌だと思って、(ベスト8に)入りたかったが今日も風がきつかったりして、ボーダーと23点差で通れなくて。団体戦ができなかったということは、私たちもさみしいし、これで引退される4年生の方たちもさみしい試合になってしまったかなと思って、それは悔しい。でも、風の中でもやり切れることはやり切ったので、来年は天候とかの変更がなければ団体戦あると思うので、絶対に団体戦で準決勝以上に出て、真ん中のレーンで打つという言を目標にして頑張っていきたいと思う。(王座のメンバー選考は)団体戦は4人が出れる。リーグ戦の点数を考慮して、上位3人はもう決まっていて、4番手を誰にするかっていう選考があった。私と、2年生2人のうち1人が4番手になる選考。それが一番緊張した。個人戦と同様、72本打った合計で決めた。(そんな選考も経て王座への思いは大きかったと思うが)選ばれなかった子たちの分まで。『自分選ばれなかったのに』って言われないように頑張ろうと思っていた。その分は頑張れたかなと思う。(4年生への思いは)1つ上ってことで、まるまる2年とちょっとを一緒にやってきた先輩たち。人数は3人と少なかったが、絶対に追いつけないというか、いつも自分たちの前に出てくれて、付いていきたいと思うし、いつも自分たちの盾になってくれて守ってくださる先輩方という感じだった。引退されてしまうのがすごくさみしい。やっぱりもっと長い間一緒にやりたかったと思う。先輩方もやり切ったと思えてくださったなら良かったかなと思っている。(今後の目標は)1つ上の先輩方みたいに、目指したい、追いかけたいと思える先輩になること。チームを引っ張っていきたい」