【コラム】知られざる古武道の世界

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「古武道」と聞いてすぐにイメージできる人は少ないだろう。主な関西の大学でも古武道部があるのはわずか4校。超マイナースポーツともいえる古武道の魅力を探るべく、田中主将にインタビューを行った。

――あらためて、古武道とはどういったものですか?
闘うのではなくて、演武といって人に見せる「形」を通して自分たちの限界、精神を鍛えていくものです。古武道という大きいくくりの中の特に武器術をやっているんですけど、武器術の中でも限定された棒術、釵(さい)術、杖(じょう)術と太刀をやっています。
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▲太刀

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▲釵(さい)

――全国的には古武道はどのくらいの規模で行われているのですか?
古武道はマイナーもマイナーなので、全国どこでもってわけじゃないですね。関関同立でも古武道部があるのは関大と立命館大だけです。
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――古武道を始めたきっかけは何ですか?
私は関大に入ってからサークル探しをしてる時に知って。ほとんどの部員が同じだと思います。あとは私たちが広報活動をしているSNSとかで気になって入ったっていうのが多いですかね。古武道に触れるのは関大からっていう人ばかりです。

――普段の練習はどんな感じですか?
空手術と古武術の2つに分かれていて、空手では形、ミット稽古といった実践的なものだったり、組み手も少しします。古武道の体の使い方の基礎をつくるためにまず空手で鍛えています。古武術の方は武器を持って体を動かしたり、演武の練習をしています。
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――どういった大会に出場されていますか?
全日本古武道連盟大会という全国大会を大学が主催していて、今年は関大が主催してやります。様々な武器を使うことを総称して古武道って言うんですけど、だからこそ大学ごとにそれぞれ特徴があって、やってることが統一されているわけではなくて。なので大会といっても、その中でお互いの形を見て交流を深めようというのが趣旨です。同様の大会があと2つ、この3つが主な大会です。さっきも言った通り、組み手もちょっとやっているので空手の大会にも出たり。全員が出ましょうというのではなくて、任意で出ているものもあります。
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――古武道の魅力とは何ですか?
私が思うのは形のかっこよさ。時代劇で殺陣とか斬り合いとかあるじゃないですか。あそこまでの派手さはないんですけど、武器を使って真剣勝負を演じるっていうかっこよさ。真剣さが周りに伝わってくるし、真剣ゆえのかっこよさが魅力でした。
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――古武道をしていて身についたことはありますか?
精神が鍛えられますね。自分の高み、限界を目指すって意味では、目標に向かってきっちりやっていく習慣が身についたかなと思います。それから、古武道って普通の動きじゃないんですね。力でやるわけじゃなくて体の使い方でやる武道なので。最小限の力で最大限の力を出す、みたいなところがあるんです。最初は本当に体の使い方が分からなくて、すごい苦労するんですけど、うまくできた時の感じっていうのは体に染みついてるから分かるんですよ。その時の達成感とか、人に「かっこよかったよ」と言ってもらえた時はうれしいですね。
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――逆につらいことはありますか?
合宿の最終日に先輩に形を見てもらう「審査」っていうのがあるんですけど、きれいな形なのはもちろん、それを連続して何本もするんです。長い時は6・7時間もやったりするので大変です。でも、終わった後の爽快感は人生初くらいの感じで、それくらいすがすがしいです。体力もつくし、悪いことばっかじゃないですけど審査は嫌です(笑)。

――関大古武道部はどんな部ですか?
一言で言うならば「仲がいい」ですね。人数が少ない部なので、一人一人が仲良くなります。練習では厳しい時は厳しくやっているんですけど、基本的には先輩後輩関係なく楽しくしています。上下関係はあるんですけど、垣根を越えた、変な壁がないっていうか。団結力はすごくあると思います。でも、欲を言えばもうちょっと1年生に入ってほしいですね(笑)。
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――最後に、今後の目標を教えてください。
全日本古武道連盟大会を私たちが主催するので、それをつつがなく終わらせることと、古武道をもっともっと知ってもらう機会を増やしていくこと。アクティブに広報活動もしていきたいなと思うので、実績の面でも空手の大会などに積極的に出て、外に全面的に古武道をおしていこうかなと思います。古武道はマイナーなので、まずは知ってもらうことから。SNSを使ったり、外での演武にもどんどん参加して古武道部の名前を売り出していきたいです。

競技人口は少ないが、その中でも自らを鍛えるために日々練習に励む古武道部。練習中も先輩が丁寧に後輩を指導する姿が印象的だった。6月の総合関関戦では迫力ある演武を見せてくれる。関大でなければ目にすることの少ない古武道に、この際触れてみてはどうだろうか。【文/写真:庄田汐里】