【漕艇】笑いと涙の朝日レガッタ終幕

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◇第72回朝日レガッタ最終日◇5月6日◇滋賀県立琵琶湖漕艇場◇

【一般女子シングルスカル 山本千 決勝】
2着 4:16.02→準優勝
【一般男子ダブルスカル 決勝】
6着 3:37.14
【一般男子エイト 決勝】
4着 3:11.20

笑顔と涙で最後を締めくくった。朝日レガッタ最終日、関大勢は3クルーが決勝に臨み、迫真のレースを繰り広げた。そんな中、女子シングルスカルに出場した山本千咲(文4)は2年連続でメダルを獲得。男子ダブルスカルとエイトは、残念ながら表彰台にあと一歩届かず。ただ、漕艇は漕ぐだけの競技ではない、そんな内容の大会だった。

数秒、艇の中で倒れ込んだ後、瀬田川の上で、拳を突き上げ喜びをあらわにした。最終日最初に登場したのは、女子シングルスカルの山本千。昨年は一般女子舵手つきクォドルプルで銅メダルを獲得したが、「昨年よりも良いメダルの色を」と、レースに臨んだ。開始直後から逆風が吹き荒れたが、そんな波をものともせず、攻めのレースを見せる。「落とさず攻めれた」と、ラストスパートで後続をさらに突き放しゴール。見事、銀メダルを手にした。関大勢として、2年連続で表彰台に上がるのは快挙。関大漕艇部96年の長い歴史に名を刻んだ。


△山本千

続く男子ダブルスカルは、予期せぬ結果となった。岡田孟志(経4)と加納劍武(経3)ペアは、一番輝くメダルを狙い、蹴りだした。「状態は普通に良かった。万全の状態」(岡田・加納)。スタートからパドル全開で漕いだ。しかし、ラスト300㍍地点で彼らは突如、漕ぐ手が止まった。「700㍍で突如、襲い来る乳酸。体が急に」。徐々に後ろから刺され、ゴールしたときには6着。クルー目標である金メダルを手にすることはできなかった。


△岡田・加納ペア

最後に行われた、男子エイトは波乱の幕開けだった。波が荒れ始め、出艇できない事態を知らせるアナウンスが響く。20分間の中断の末、13時5分。ついにすべての観客が待ち望んだレースがスタートした。今回、関大エイトは、スタートからゴールまでスパートをかけ続けるという最も過酷なレースプランで挑んだ。「しんどいレース展開で、タフなレースにはなるんですけど。それでもみんな1本1本全力で漕いでくれた」(今井健太主将=シス理4)。COX川崎登夢(経4)の声とともに、プラン通りフルスパートで1000㍍を漕ぎ進める。しかし、じわじわと隣のレーンで漕ぐ同大Bが追い上げてくる。ゴールの瞬間、誰も着順を確信することができなかった。その判定には時間を要し、もどかしい時間が全クルーに流れる。「不安だったけど、僕らが勝ってるとずっと思ってました」と、喜びのガッツポーズも飛び出すほど、彼らには自信があった。しかし、それよりも大きな声で、大きなしぐさで、喜びをあらわにしたのは隣のクルーだった。関大と3位の差はわずかに、0.05秒。あと一歩、届かなかった。状況を呑み込めず、負けを認められない関大の選手たち。少し漕ぎ進めるも、凪いだ瀬田川のど真ん中で最後までとどまり、焼けた肌には熱い涙が伝った。

誰もが予期せぬ幕切れとなった。「本当に悔しかった」(今井主将)。14年ぶりに決勝に進出した昨年から、表彰台へあと一歩のところまできた関大エイトだったが、その一歩は決して簡単に踏み出させてもらえなかった。ただ、山本千の2年連続表彰台の快挙もあり、関大漕艇部としては歴史に大きな1ページを刻んだこの朝日レガッタ。最終日まで駒を進めた3クルーはもちろん、女子ダブルスカルや舵手付きクォドルプルも関大のレベルアップを関西に知らしめた。今回の結果が彼らの胸にどう刻まれるのか。関大が真の水の王者になる道のりは、まだ始まったばかりだ。【文/写真:中西愛】

▽今井主将
「今日朝も乗ったんですけど、いい感じで行けたので。行けたかなと思いました。最初からずっとスパートかけていって、本来コンスタントにボートって落とすんですけど、もう落とさずずっとスパートで駆け抜けていくっていうレースプランでした。ずっとフルスパートなので、しんどいレース展開で、タフなレースにはなるんですけど。それでもみんな1本1本全力で漕いでくれたので。プラン通りにはいったと思います。いいレース展開ではありました。(判定が出るまで時間がありましたが?)実際どうなったかは全然わからなかったので、不安やったんですけど、僕らが勝ってるとずっと思ってました。1000㍍の中の0.05秒なので、本当に悔しいです。まだまだ、技術面で劣っている部分はありますし、いかに日頃のあいさつだったり、身の回りのことであったり、そういうことから変えて、良くしていくか。じゃないと、この0.05秒は埋まらないと思うので。そういう身近なところからやっていきたいです。エイトやダブルだけじゃなくて、他の男子やったり女子の部員にも言えます」

▽ダブルスカル 岡田・加納ペア
「状態は全然普通に良かった。結構万全の状態。これスタート出れるわって。案の定、スタートは出れたんですけどね(笑)。もともとレースプラン的に、500で突っ込むっていう、頭取って。あとは精神、気持ちで耐えるっていうレースプランで行った。レースプラン通りには一応行けたんですよ。頭は取れなかったけど、一番速いとこに競ることもできたし。だがしかし。700㍍で突如、襲い来る乳酸。体が急に。割と逆風だったので、それでレートに力が入って。軽く漕ぐってよりかは、力で漕ぐって感じになって、ラスト300ぐらいで来ました。それで、僕らが落ちてきたりときに、ちょうどほかが上がってきた。それもあって、俺らがめっちゃ遅く見えて。本当に悔しかった。悔しかったけど、出し切ったからなんも言えないです。これ以上僕でないですもん。攻めれたし。(次戦は?)5月の後半にある最強の大会、全日本に出ます。リベンジします。企業に」

▽山本千
「調子はすごい良かった。スタートスパートをかけて。スタートは出たけど、500㍍で落てきたのを止めるために、300、400ぐらいで。ラストスパートのレースプランでした。荒れてるっていうか、逆風。漕げへんかったので、それがちょっとあおられそうになりながら。1位の人とだいぶタイムは詰めれたけど、勝てなかったことが1番残念。でも、その他の5レーンとか6レーンの人とかと競ったときに、落とさず攻めに行けたレースだったので、良くはなったんじゃないかなと。(2連続で表彰台に上がったことについて)今年はシングルなので、私が頑張れば、っていうところがあったので。ただ、関大としてちょっと活気づけれるような出来事だったらいいかなと。(今後に向けて)最終目標は、インカレの最終日でちゃんと順位がつけることってやってるから、それに向けてその通過点である試合も、1つ1つ勝っていきたいなと思います」