【アイススケート】近畿男子の日常〜シーズン編1〜

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1年ぶりに帰ってきたこの企画。(取材は1月の全日本インカレ時)。3人の近畿男子はどんな思いでシーズンを過ごしたのでしょうか?

ーお久しぶりです! シーズン編なので、シーズンのことを聞いていきたいと思うんですが、今シーズンはいかがでしたか?
本田 はい。環境が変わって、今まで長いスケート人生の中で一番自分のスケートに対して向き合えた時期だったかなと思います。きついこともあるし、結果もついてきていないですけど、スケートに対して真摯に向き合った時間が、無駄にならないと信じています。今シーズンはなかなか練習から上手くいかない時期が続いたんですけど、来シーズンに向けて、ちょっとずつ自分の中で歯車が噛み合って来ている感じがするので、このまま継続していきます。

ー一番変わったところは?
本田 結構、全部ですね。ジャンプ、スピン、ステップ…全て一から見直していますし、練習内容や変化についていけない部分もシーズン前半では多かったんですけど、徐々に練習環境にも慣れて、自分から積極的な練習をするように気持ちの面でも変わってきました。

ー結構、きついと聞きますが…?
本田 そうですね。氷上練習はそんなに時間自体はないんですけど、オフアイスとか氷上練習以外の練習も重視していて、1日中スケートって感じですね。

ー中村さんは?
中村 僕は、今シーズン一番結果を残したかった全日本で、去年よりはちょっと良くなりましたけど、一番大事な試合で目標としていた結果が出せなかったのがすごく自分の情けなさを実感したし、周りが思っている以上にすごくへこんだんですけど、残り試合もあるし自分にはまた次があるのでへこんでいる場合じゃないなと年明けから気持ちを切り替えられたので、(全日本)インカレにも臨みました。全日本の悔しさは全日本でしか返せないので一年間しっかり頑張って、残りの試合もきっちりこなして良いスタートを切りたいなと思っています。

―SPはどうでしたか?
中村 そうですね。今シーズン、SPはまあまあ自分の中で納得いく演技ができたかなと思うんですけど、フリーでどうしても失敗が目立ってしまっていたので、まあそこが今シー ズンの自分の課題だったなと思っているので。今日もSPはまずまずいいスタートが入れたと思うんですけど、フリーが残っているのでまだまだ気が抜けないなって感じです。

―フリーは構成変えないって全日本の時におっしゃっていたんですけど、全日本の公式練習で少しだけ4回転サルコーを練習していましたね
中村 時間にも余裕がありましたし、まだ本番まで期間もあったので。違うリンクで一度挑戦してみようって感じでした。まあそんなに感触は悪くはなかったですね。

―今年は、例年とは違うブロック大会(=近畿フィギュアスケート選手権大会)だったと思うんですけど皆さんどうでしたか?
本田 緊張感もあったし、今までとは違う雰囲気でした。
友野 でも一番感じたのは、高橋大輔選手(関西大学KFSC)の存在のすごさ。改めて、身近に試合に出たことで、わかってはいたんですけどそれ以上に、技術はもちろん、やっぱり滑りがうまくて。 一アスリートとして、スケートだけではなく日本のアスリートの中でも伝説級(笑)。知名度がやっぱり違うし。復帰する前よりかは、彼にとってはいろんな課題があると思うんですけど、ジャンプとか表現がもっと良くなっているかなと。やっぱりいろいろな経験を重ねているので、よりたくさんのことを吸収して帰ってきて、よりレベルアップしているというか。改めて凄さを感じました。
中村 まあでも初戦からあの雰囲気の中で滑らせてもらえるっていうのはありがたいというか。
友野 楽しかったし。
中村 そのおかげで全日本でそんなに慌てずにできたところがあったし。
友野 楽しかったー。
本田 アップの時が良かった。
中村 うまくなれそうやった。
友野 6分間練習の時が僕ら一番調子よかったんで(笑)。
一同 (笑)。
友野 近畿は全員6分間練習キレッキレやったのに(笑)、本番ぼろった(笑)。
中村 大ちゃん(=高橋大輔)跳んだら俺も飛べるみたいな(笑) 。
本田 一希6分間いつも4回転あんま跳ばれへんのに、3本ぐらい跳んでたやん(笑) 。
友野 そうそう(笑)。
本田 6分でハーハ―ゆーてたやん(笑) 。
友野 楽しすぎて何本もやっちゃって(笑) 。
中村 俺も(笑) 。
友野 大ちゃん含め全員(6分間調子良すぎた)みたいな(笑) 。
本田 大ちゃんもめっちゃやってた(笑)。
―緊張して飲まれるというよりかは楽しんでいた感じ?
中村・本田 緊張なかった。
友野 うん、近畿は(緊張は)なかったですね。
中村 普通に楽しかった(笑) 。
友野 全日本とかはやっぱり自分の中での目標とかがあって、まあ近畿もそうなんですけど、全日本とかになると自分が目指しているものもあるし、雰囲気とかではなくて自分にどんどんプレッシャー掛けている部分もあるので、それが重なっていってしまうんですけど。近畿はより気楽にというか。
本田 楽しさしかなかった。
友野 そう、楽しさしかなくて。
本田 みんな言ってたやん。
友野 みんな終わってから「楽しかったなー。6分間」って(笑) 。
一同 (笑)。

友野 でも、フリーは地獄やった(笑)。
中村 ほんまにきつかった(笑)。
―ルールが変わりましたがどうでしたか?
中村 もう慣れたなあ。うん。
本田・友野 うん。
本田 振り付けの段階で、『こ、濃い』って思いました(笑) 。
友野 僕は4回転のリスクが上がりました(笑) 。
本田 今シーズン、4回転跳ばへんくてもノーミスしたらめっちゃ点でる。怖いなあ。
友野 間違いない(笑)。
本田 みんな多分完璧な演技ほとんどしてないし。
友野 そうそう。今シーズン通してよな。間違いなく。海外選手も含めてなあ。 ほんとにチャンスもたくさん出てくるし、リスクもたくさん出てくるけど、やっぱりしっかり練習してきたものが報われるっていう感じはある。
中村 スピンはでかいよな。ジャンプはその時によるけど。
友野 そうそう。今まではただジャンプ出来たら点が出るって感じは少しあったと思うんですけど、今回からほんとにジャンプだけじゃなくて。ちゃんと取り組んできた人が報われる感じはするし。でもミスしたときにメンタルにくるものは前より大きいと思うし、加点と一緒に色々気持ちも倍増された感じはあります(笑)。
―何が一番しんどいですか?
本田 練習でしんどいのは曲の分数かな。試合では点の出方が変わった。今までの自分の点 数感覚と違って、意外と点が出たり。今までは『何とか降りた!よし!』って思ってたのが今シーズンは結構点が引かれたりとか。
友野 あー。うーん。分数は慣れたけど、もうちょっとほしい(笑)。ちょっとしなかったらすぐ元に(4分30秒の時の感覚に)戻るから。
本田 どっちが楽かって言われたら今までよな。
友野 そう!それは圧倒的に。今は楽でも絶対そう。
中村 プログラムに余裕ができるもんな。
本田 コンビネーションとかな。8本中3本やったのが7本中3本になって。
友野 うん。よくよく考えてみると、フリーのジャンプの乱れっていうのはそこかなと。 いやでもマジで昌磨君(=宇野昌磨=トヨタ自動車)と羽生君(=羽生結弦=ANA)はすごいなって思いました。
一同 (笑)。
友野 すごいですほんとに。あれだけ大切な試合でいい演技ができるってい うのは、一番すごい。

ープログラムはいかがでしたか?
本田 僕のショートは優くんが2シーズンくらい前から、振り付けしてもらっていていいプログラムだなと思っていたので、ジェフリー・バトルさんにお願いしました。
友野 え、ジェフやったん?
本田 ずっと機会があったらお願いしたいと思っていました。ジェフがラファエル(=ラファエル・アルトゥニアンコーチ)の生徒 だったのもあって、これは今年お願いしようと。今までは力強いかコミカルな曲が多かっ たから、初めてブルース系の曲を使ってみることにしました。
(と、ここでお疲れの中村選手に)
友野 優くん起きて(笑)。
本田 今までとは違う男らしさというか、曲名が『I Put A Spell On You』でまじないをかけるという意味で恋愛的に重たい意味をもっているので、曲が持つ重厚感を出せたらいいな と思っています。なかなか今まで使ったことのないジャンルの曲なので難しさもあるけど、 意外とハマってるんじゃないかと思っています。来シーズン使うかどうかはわからないけど、こういうジャンルも自分の1つの候補として持っていきたいです。 フリーは『アンタッチャブル』で田中刑事選手(倉敷芸術科学大学)がジュニアの頃に使用していて、その頃からずっと憧れて使いたかったプログラムです。お互いの正義の対立であったり、その中で揺れる主人公の思いや、命の儚さなど、映画の世界観を上手く表現したいと思います。
ー今シーズン一皮むけたんじゃないでしょうか?
本田 ありがとうございます。自分では正直分からないんですけど、各試合で友人や他のコーチ、 関係者の方に久しぶりに練習や演技を観て頂いて、多くの人から褒めて頂いたのは自分の中で大きな自信というか、調子が上がらない中でも報われた気持ちになりました。
ーなにか意識していることなどありますか?
本田 プログラムで言うと、自分の中での表現の解釈。 フリーは映画のサントラなので主人公の思いを素直に模倣しているんですけど、SPは曲の歌 詞を自分なりに解釈して、嫉妬とか束縛とかそのような感情を出せるようにしています。 僕があまりそういう嫉妬とかの感情が無いので、難しいんですけど(笑)。

ー中村さんはいかがでしょうか?
中村 SPは去年から持ち越しの曲。去年に比べたら、細かい部分までだいぶ意識して試合でもこなせるようになったかなと自分でも感じている。もちろん、まだまだ甘いところもたくさんあるんですけど、表情や足さばきなど、ジャンプ以外の部分も意識して出来るようになってきたなと思います。フリーに関しては、元々『ロミオとジュリエット』がすごく好きでやってみたいという気持ちはずっとあった。でも、高橋選手などの上手い選手が使っていた曲なので抵抗がありました。ジェフが『いい曲だし、合うと思うよ』と言ってくださったので使ってみました。曲のジャンルやパターンはいっぱいあるが、パターンの方はジェフが持ってきてくれて、すごく僕も気に入ったので、それに決定になりました。テーマも愛であったり切なさであったり色々なものがある。最初は自分もそれを意識して滑ろうと思っていたけど、実際にやってみると、それを出そうと思ってもなかなか出せるものでもないし、自分が出していても受け取る側がそう思わなかったら意味がない。最近 は、曲の強弱だとかそういったところを意識して、見ている方たちが僕の持っている、感情を込めて滑っているところを感じてもらえたらなと思っています。
ーSPは持ち越しですが、去年から何か変わっているところは?
中村 んー。ないですね。
友野 ないんかい(笑)。
ー2シーズン目ということで意識が変わったりなどは?
中村 単純に滑り慣れたなというのはある。最初、振り付けしてもらった時から、自分で意識しているところはあったがそれがなかなかできない、というのがあった。今年、2年目になって徐々に余裕が出て、ジャンプが安定してきた。他のところに意識ができるようになってきたと思います。

第2弾に続きます。【取材/構成:宮西美紅、竹中杏有果、名倉幸(同志社スポーツアトム編集局)、由良恭子(同志社スポーツアトム編集局)、井代奈那子(同志社スポーツアトム編集局)】