【コラム】周囲への感謝

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 小学生のときに立て続けに妹弟が生まれ、中学生になると、共働きの両親に代わって家事をすることがぐんと増えた。高校では、料理の勉強と受験勉強、合間に友達と過ごす時間を組み込むだけで1日が終わってしまう。気付けば小中高通してきちんと部活動に参加することなく、ついには「強化系帰宅部部長」の称号を手に入れた。そんな私が大学生で初めて部活動をすることになり、しかもそれがスポーツに関するものだとは、きっと3年前の自分に言っても信じないだろう。

 スポーツ経験のない自分にとって、スポーツは違う世界に存在するものだとどこかで勝手に思っていた。毎シーズン『高校野球』を買い、選手をくまなくチェックし、高校野球を見る父に「お前と年変わらん奴らがやってんねんぞ」と言われても、正直実感はわかない。まあ人は人、自分は自分よね、と開き直ってすらいたように感じる。

 それでも関スポに入ろうと決めたのは、マスコミ系に興味があり、なおかつ何か新しいことを始めたかったからだ。体育会の活躍を報道するということを、実を言うとあまり深く考えずに入部した。考えの甘さを痛感した初めての取材のことは、今でもよく覚えている。水泳の関関戦で、6時間プールサイドに座りっぱなし。ただ座っていることがあんなに辛いとは思っていなかった。「これを毎週するのか」。そう考えると気が遠くなったが、不思議とそこで辞めようとは思わなかった。

 あれから2年。関スポで様々なことを経験した。楽しいこともあったけれど、投げ出したいことや考えるのが嫌になるようなこともたくさんあった。「それでも続けているのはすごい」と高校時代の友人には言われたが、自分ではそれがすごいことだとは決して思わない。いつだって丁寧に仕事を一から教えてくださった先輩方や、頼もしい後輩、互いに助け合ってきた同期の仲間たちのおかげで、今もこうして関スポ部員として立つことができている。そして何より家族の支えなしではここまで続けることができなかったし、素直にそう思えるのは、関スポ部員として自分なりに全力で活動してきたからだ。

 「周囲への感謝」。スポーツに打ち込んできた青少年は、きっと人一倍その思いが強い。その恩返しとして、自分のためだけではなく、声援に応えるべく全力でプレーする。その姿に心を打たれ、人はスポーツに熱狂する。父があんなに熱心に高校野球を見ていた理由が、少しずつではあるけれどようやくわかってきた。【三浦優泉】