【アイススケート】全日本インカレ7、8級男子SPで関大男子3人が躍動

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◇第91回日本学生氷上競技選手権大会◇1月6日◇日光霧降スケートセンター◇

[7、8級男子ショートプログラム]
2位 中村優(政策4)78.57
3位 本田太一(経2)70.56
23位 市橋翔哉(安全3)42.14

全日本インカレ2日目は、関大男子が3連覇へ勝負のショートプログラム(SP)を迎えた。3人の順位で団体成績が決まるこの大会。昨年は、中村、本田の2人だけで守った日本学生の頂点だったが、今年はペア競技で活躍している市橋もシングル選手として参戦。「頼りにしている」と、今大会が最後の全日本インカレとなる中村も、ともに戦う仲間へ厚い信頼を寄せる。

関大男子で最初に登場したのは市橋。

昨年はエントリーの期限の都合で参加がかなわなかったが、今年は西日本インカレで関大男子の3枠が決定した時点で出場を決めた。自身2年ぶりとなるシングルでのスケートは、冒頭の3回転ルッツで転倒するなど、ジャンプにミスが出てしまうが、柔らかく、繊細なステップで観客の心をつかむ。大好きな映画「君の名は。」の曲を使用したSPは吉野晃平氏(16年度卒)の振り付け。ステップは「きれいに見える」ことにこだわって作られた。

フリーも同映画から、「Sparkle」を使ったプログラムを披露する予定の市橋。フリーではどんな世界を見せてくれるのか、期待が高まる。

続いて現れたのは、全日本選手権大会でフリーに進めず悔しい思いをした本田。この日はその悔しさを晴らすかのように、思い切りのいい演技を見せる。冒頭には「1年ぶりに試合で跳べてすごい満足している」と笑顔がこぼれるほど美しいトリプルアクセルが決まった。

さらに、3回転+3回転のコンビネーションジャンプや後半の3回転フリップも着氷し、ラストポーズを解くとガッツポーズが飛び出した。演技後には、ほっとしたような表情で「全日本のことが消えるわけじゃないですけど、でも報われたと思う」と語った。

関大男子最後は中村。全日本選手権でも5位になるなど今季好調のSPはこの日も健在。「自分の中ではあまりうまくいかなかった」とは言うものの、全てのジャンプを成功させると、緩急の激しい曲をきちんと捉え、細やかにステップを踏んでいく。

2シーズン目になるプログラムで持ち前の表現力を存分に発揮した。自身では納得しているわけではないと、演技後に笑顔が始めることはなかったが、リンクサイドに引き上げると本田とハイタッチ。

今季から「ロミオとジュリエット」を使用しているフリーは苦戦が続いているが、「自分らしく滑れたら一番いいのかな」と、気負うことなく、飾ることなく、自然体の中村が曲の世界観を表現する。

全国から強豪たちが集う今大会。ライバルたちもこん身の演技を披露している。日本学生頂点を目指し、実力者たちがしのぎを削る中、関大男子3人が格別の輝きを放つ。【文:宮西美紅/写真:竹中杏有果】

▼中村
「(きょうは)まずまずで、そんなに納得しているわけではないですけど、とりあえずあしたにはつながったかなという感じです。調子は正直全日本終わってから、気が少し抜けてしまったというのもありますし、あまり調子自体も良くなくて、2日前くらいにようやく『ああ、これで戦えるかな』というくらいのレベルまで戻ってきたので、きょうはそのままいい感じでいけたかなと思います。(キャメルスピンに)入る時になんか引っかかってしまって、一瞬ヒヤッとしたんですけど、見てみないと分からないですけど最低限回転数は回ったかなと思うので、大きな失敗にならなくて良かったです。全部のジャンプは自分の中ではあまりうまくいかなかったですし、今シーズンSPはいいんですけどフリーが全然うまくいっていないので、そこで気が抜けないという思いがあるので、とりあえずひと段落終わったけど、まだあしたがあるって終わった瞬間からずっとそのことばかり考えていて。あまりぬか喜びもしたくないなというのがあって、気持ちはあしたに向いています。僕は太一の演技を見ていたんですけど、太一(=本田)がノーミスでやっていて僕もミスなくできたので、それでハイタッチしました。(最後の全日本インカレだが)僕もこれで引退というわけではないので、そんなにさみしさとかはないんですけど、一つの試合として臨んでいます。でも、学生の大会がこれで最後っていうのは、やはり学生の大会でしか味わえない雰囲気がありますし、その辺を思うと最後はしっかり格好がつくように終わりたいなと思います。3連覇は懸かっているけれどそんなにプレッシャーはないですね。しなくていいと思っているわけではないんですけど、太一もいますし、翔哉(=市橋)もペアやりながら(全日本)インカレのためにシングルに戻ってきてくれましたし。油断しているわけではないですけど、頼りにしているので僕はプレッシャーはないですね。(フリーは)今シーズン全然うまくいっていなくて、練習でできていることができないということが続いているので、あまり気負わず、深く考えず、やってきたことをそのままやると考えているので、自分らしく滑れたら一番いいのかなと思います」

▼本田
「全日本終わって2週間たって、きょうは大学代表ということで団体も意識した中だったんですけど、(トリプル)アクセルも1年ぶりに試合で跳べてすごい満足しています。(全日本が終わって)正直、めちゃくちゃ落ち込みましたし、年末は落ち込み過ぎて全日本前みたいにすごい練習が積めているわけではなかったんですけど、なんとか調整できて、いいものが出せて良かったなというのと、これからこの試合が終わっても続けていきたいなと思います。(トリプルアクセルは)全日本前に久しぶりに跳べて、そこから徐々に状態が上がってきている感覚はあるんですけど、まだ許容範囲というか、ちょっとでも感覚がずれると跳べないので、きょうは練習を含めてもいいアクセルが跳べたんじゃないかなと思います。全日本よりはいい演技をしようという感じでいたんですけど、アクセル以外の構成をちょっと変えながらやったので、アクセルに集中できた部分もあったかなと思います。(学生大会は)僕はめちゃくちゃ好きです。楽しいです。きょう一緒に出ている男子メンバーも女子メンバーもほぼみんな全日本のことも知ってくれているし、終わってからみんなあたたかい声をかけてくれたので。全日本のことが消えるわけじゃないですけど、でも報われたと思います。(ガッツポーズは)気付いたらしていました。というかアクセル跳んだあとからもうフワフワしていました。フワフワしすぎて滑りながら他のジャンプ失敗しそうだなと思ったんですけど、なんとか抑えられて良かったです。フリーもアクセルをしっかり跳んで、団体は去年優勝しているので、1ポイントでも貢献できるように頑張りたいです」

▼市橋
「きょうは久しぶりに一人で滑るということで、すごくワクワクしていて、緊張は全くなくて、ただただ楽しもうと思って滑っていたんですけど、ずっとジャンプが朝の公式からも良くなくて、本番でもミスをしてしまったので、そこで決めなければいけないなと思いました。ペアの練習がメインなんですけど、その後に一人で滑る時間もいっぱいあって、濱田先生(=濱田美栄コーチ)のところに移ったんですけど、濱田先生にもジャンプを教えてもらっていて。調子自体は悪くなくて、しばらくジャンプをしていなかったんですけど、その前は本当に調子が良くて、全然ミスする気配がなかったんですけど、結局本番はボロボロだったのでもったいないなあという感じです。自分自身2年ぶりくらいにシングルの試合に出て、もちろんペアの試合も同じ場所であったりするので、(シングルの選手とは)顔を合わせることはあったんですけど、お互い同じカテゴリーで出ることが久しぶりだったので、みんなも『久しぶりに見れるのうれしい』とか言ってくれて、それは本当に良かったです。もしインカレに出るなら『君の名は。』の曲でって決めていたので、振り付け、曲を作ってもらう時に、いつも先生が持ってきた曲を使っていたんですけど、初めて自分で出してそれをそのまま使ったので、練習ももちろん(曲を)かけているときはしんどいんですけど、好きな曲なので練習も楽しかったです。本当は『Sparkle』を全曲使いたかったんですけど、そうなると8分くらいあるので、それを最初はSPとフリーに分けようかなと思ったんですけど、編集上どうしてもうまくいかなくて。これは『かたわれどき』っていう曲なんですけど、『夢灯籠』っていうボーカルありの曲のピアノバージョンで、すごくシーンも良くて。これは瀧くんと三葉が初めて2人で出会えるシーンで、そこのシーンが本当に大好きなのでそのシーンを使いたいなと思って使いました。瀧くんにはまだほど遠くて三葉にはまだ出会えなかったです。吉野晃平先生の振り付けです。僕的にはフリーの方が好きな曲です。(ステップがすごく良かったが)晃平先生と一緒に作っていて、作り始めたのが12月とかで1カ月とかしかなかったので、レベルとか取るよりも簡単だけどきれいに見えるように、きれいに見せられるように作ろうってなって。内容はスカスカなんですけど、ステップは気持ちが一番入っているんじゃないかなと思います。本当は(去年、全日本)インカレに出る予定だったんですけど、期限(に間に合わなくて)遅くて、来年は絶対出ようと思っていたので、(全日本)インカレ男子3枠あるって決まった時点で出るっていうのは先生たちともそういう話をしていたので、突然決まったわけではないですね。気持ちの準備はできていました」