【アイスホッケー】ラスト6秒で追いつかれGWSの末、無念の準々決勝敗退。

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◇第91回日本学生氷上競技選手権大会準々決勝◇対日体大◇12月27日◇白鳥王子アイスアリーナ◇

【第1P】関大1―0日体大
【第2P】関大0―0日体大
【第3P】関大1―2日体大
【GWS】関大0-2日体大
【試合終了】関大2―3日体大

待ち受けた結果は残酷だった。最終ピリオド(P)2分前の時点で2-0とリード。勝利は目前だった。しかし、最終P終了76秒前に失点を喫すると、試合終了6秒前にも痛恨の同点弾を食らう。ゲームウイニングショット(GWS)に入っても勢いに乗る日体大を止めきれず準決勝への道は消えてしまった。

日本一への最初の関門となる準々決勝では4年連続日体大との対戦。去年、おととしは勝利を収めているものの、関東1部リーグに所属する強豪で油断できない相手だ。本日は1回戦と同じく王子イーグルスの本拠地白鳥王子アイスアリーナで試合が行われた。準々決勝ということで応援席には関大の応援棒を手に集まる保護者、OBの姿も多く見られた。

試合の入りは相手を圧倒していた。DF中村優介副将(社4)が「結構足が動いていた」と語ったように速いプレスでアタッキングゾーンまで攻め上がり猛攻を浴びせる。エンジンがかからない相手に対し、再三チャンスを演出した。

そして10分、待望の先制点が生まれる。ニュートラルゾーンで、FW瀧本風斗(情2)がターンオーバーに成功。相手の最終ラインを突破し、隣のサイドのFWロウラー和輝(商2)と相手ゴールまで駆け上がる。ゴーリーとの2対1との状況で瀧本がGKを引き付けると、すかさずロウラーにパス。これをロウラーが押し込み1ー0に。競技場には歓声が湧き起こった。

相手を攻め立てるも、FW香田悠匠主将(人4)が「反則が多くて流れに乗れなかった」と語るように1Pだけで3回のキルプレーの時間帯があり約6分間数的不利の状態を強いられた。

我慢の展開を強いられたのは第2P。徐々に調子が上がったきた日体大に対し、守りの時間帯が増える。それでも、関大アイスマンは身を投げ出してゴールラインを割らせない。香田が「すごい相手の流れになって嫌な展開だったんですけどそこを無失点で乗りきれたっていうのは凄いチームの成長だと思いました」と言えば、DF安田歩実副将(人4)も「みんな体を張っていたし、キーパーの石田(龍之進=経1)が本当にナイスセーブしてくれていた」と語る。大一番で1年生ながら起用されたGK石田を中心にゼロで第2Pを守り切った。

勝利へなんとか追加点が欲しい最終P。1分に再び、ロウラー、瀧本の連携で決定機を演出もこれはゴールネットが揺れず。緊張感のあるゲームが続き、リンクをスティックで叩く音が次第に激しくなる。するとまたも流れを変えたのは1点目の起点になった瀧本だ。キーパーと一対一になりドリブルでタイミングを外すと空いたスペースにパックを放り込んだ。

ゲームはまたも関大ペースとなる中、試合終了まで残り7分としたところでシュートブロックの際に体を張った中村が顔面にパックを直撃。うずくまったまましばらく立ち上がらない中村。試合は少し中断。中村は立ち上がるも、リンクには戻ることなくそのままベンチの外へ行き試合から外れた。暗雲が少し立ち込めた。

2-0でリードしたまま試合は残り2分のところで日体大がタイムアウト。GKを外し、6対5のパワープレーで点を取りにきた。すると50秒後守り続けてきた牙城がついに破れられる。1ー2とし、この時点で試合終了まであと76秒。しかし70秒後にも失点を喫し同点とされてしまった。安田は「守りに入ってしまった。そこで守りに入らず攻め切れていれば」と悔しがった。

試合はシュートアウト方式のGWSに突入する。先行は日体大だが、一人目の選手がポストに直撃し失敗に終わる。関大の1本目は主将の香田。ゴーリーとの駆け引きで揺さぶりをかけるも白樺学園高時代の同期高橋に見破られ、止められる。

2人目の日体大の選手には決められ、先にプレッシャーをかけられた。関大の2人目は今日1ゴール1アシストの瀧本。しかし、チームの命運を握るそのシュートはまたしてもGKに阻まれ王手をかけられた。勢いに乗る日体大。3人目のシューターが鮮やかにネットを揺らすとベンチからチームメートが全員リンクに乗り出し、殊勲のヒーローをもみくちゃにした。関大アイスマンの日本一の夢はここで潰えた。

試合終了後の整列で主将は手を目に当てた。こぼれ落ちるものを抑えた。「(準々決勝は日本一への)通過点でしかなかった」。目指すはもっと上の景色のはずだった。悔しさがあふれた。

Aマークを付けた副将二人も同様に感情を隠しきれなかった。中村に関しては自身が退場後にチームが2失点。中村は「(悔しさは)ありました。悔しいのはもちろんあるんですけどそれ以上に…」、そう言うと言葉を詰まらせ「それ以上に出ていたディフェンスとか信頼できるディフェンスだったからそこに関しては信頼していたので」と涙を流しながら振り返った。リンクに立てなかったどうにもならない気持ちと、仲間への信頼、色んな感情が入り混じった。

そんなチームを引っ張ってきた幹部陣にロウラーが一人、一人肩を叩き励ました。熱い気遣いを見せる2年生FWに中村は「たぶん1番、2回生だけどチームのことを第一に考えている」と話し、安田は「最近リーダーシップも発揮してくれて、来年からもチームの中心になる選手だと思うので頑張ってほしい」と期待を寄せた。

ベスト8という結果に香田主将は「これが今のチームの現状」と厳しく受け止めた。この1年はチャレンジの年だった。昨年の結果から何かを変えたかった。新しく佐名木トレーナーがチームに加わり、陸トレやウエートトレーニングなどに変化をもたらした。でも、結果はまだついてこなかった。日本一への道のりの難しさを改めて感じさせられた。後輩に向け、香田は「今日の試合はいい教訓になったと思うんでこれを忘れないで、また来年もインカレでここと当たると思うんでリベンジしてほしい」とメッセージを送った。西日本勢初の日本一に向かって関大アイスマンは走り続ける。【文:三木勇人/写真:遠藤菜美香】

▼香田主将
「2-0でいい流れだったんですけど最後、相手のパワープレーで失点したときもこっちの選手はパックしか見てなくてバック側にいる選手に打たれて2点目を入れられたんですけどそこも防げる失点だったしもうちょっとコミュニケーション取れればいい流れでいけたんじゃないかと思います。(ベスト8の結果について)これが今のチームの現状としか言えないですね。(1ピリから2ピリにかけて話し合ったことは)取りあえず、1ピリ1-0で終わってバタバタしていた部分があったのでその分いつも通り自分たちのホッケーをやろうとかプレッシャーかけて体を入れて関大のホッケーをやろうとは伝えました。1ピリは反則が多くて流れに乗れなかったので反則がなかったら自分たちのホッケーができたんじゃないかなと思います。(2ピリについて)すごい相手の流れになって嫌な展開だったんですけどそこを無失点で乗りきれたっていうのは凄いチームの成長だと思いました。最後の失点も1本目止めてくれているのでその2本目バック側が止められなかったから失点されちゃったんでそれはプレーヤーの責任だった。ずっと優勝を目指してきた中でここは(準々決勝は)通過点でしかなかったので、その相手に勝てなかったのは…(間が空く)勝負(の世界)ですね。(主将としての1年を振り返って)今年からトレーナーがついて陸トレとかもしっかりやって体とかでも戦えていたと思うんですけどやっぱりプレーヤーの得点力もそうですし大事な場面での守りが崩れてしまったのがあったんでそれが一番痛い点でしたね。(後輩に向けてのメッセージは)今日の試合はいい教訓になったと思うんでこれを忘れないで、また来年もインカレでここと当たると思うんでリベンジしてほしいです」

▼中村副将
「1ピリは結構足が動いていてテンポよくて2ピリは結構我慢の展開が続いてでも失点しないで守りきって3ピリでまぁみんなでもう一回切り替えていこうっていうところで途中まで良かったんですけど最後守りきれなかった。(最後リンクに立てていなかった悔しさは)ありました。悔しいのはもちろんあるんですけど、それ以上にみんな出ていたディフェンスとか信頼できるディフェンスだったからそこに関しては信頼していたので。(第2Pについて)DZからパックが出せなくてずっとDZで長い時間続いてチェンジもできなくて長い間DZにいる時間も多かったのでそれもなんとかパスをつないてAZ入れて悪い流れを断ち切ろうというのはセットで話していました。(試合後ロウラー選手が肩を叩いてくれた)たぶん1番、2回生だけどチームのことを第一に考えているしいろんな面で中村さんこうですよってみたいにアドバイスくれたり、プレー以外の面でもいろいろしてくれた。(ベスト8の結果について)去年のインカレが終わってからこの日までチームとして成熟しきれなかったのかなという思いはあってもっとああしていればとかこうしていればとかを3月、4月、5月毎日のように反省することばっかりで、今年1年間のチームの状況を考えるとまぁどうなのかな、言い方は悪いけど冷静に言うと妥当っていうかんじにもなるし、とは言いながらもみんなでしっかりやろうと一つになった部分もある。難しいですね。(副将と主務の1年について)大変っちゃ大変だけどやっぱり主務も副将もチームのために自分の仕事とか声掛けとか全部チームのためになることだから、チームメートみんな好きだし、このチームが好きなんでチームのために動いた1年間だったと思います。(二つの役職をやっていて良かったか)みんな役職にこだわらないから、結構みんな思ったこと言うし、気づいたことを発言するから、この役職つかなくても同じことをしていたと思う。(4年間振り返って関大のホッケー部に入って良かったか)良かった。関大のホッケーはシステムをしっかりやるホッケーでその中で成功することもあれば失敗することもあるので、いい同期と後輩に恵まれたと思います。同期のみんな意外とみんな熱い。表には出さないけど。(感謝したい人は)みんなかな。特に誰とかはないけど監督、コーチ、スタッフ、OB、後輩も全部。(後輩に向けてのメッセージは)今日から次のインカレに向けての準備が始まっているから1日も無駄にしないで常に反省して、改善して取り組んでっていう繰り返しでやっていけば今年よりもいい結果になるんじゃないかなと思います。ある意味自分たちの代が踏み台にされるのは全然うれしいことだし4年生がやってきたことを継続するのか反面教師にするのかやってほしい」

▼安田副将
「2-0でリードしたときに(チームが)守りに入ってしまった。そこで守りに入らず攻め切れていれば勝てたんじゃないかなと思います。悔しさが残るゲームでした。(1ピリは良い攻めができていた、追加点が欲しかったか)(相手の)キーパーもナイスセーブがあったんですけどあそこで、もうちょっと点差をつけといたらまだまだ攻めきれたんじゃないかと思います。(2ピリは我慢の時間帯だった)みんな体を張っていたし、キーパーの石田が本当にナイスセーブしてくれていた。最後に失点して負けちゃったんですけど最後にあいつ(石田)が頑張ってくれたからこそ今日みたいな試合ができたんじゃないかなと思います。(石田は)1年生なんですけど、メンタルも強くて来年以降も頑張ってほしいです。(ベスト8の結果について)ベスト8となると来年のシード権の組み合わせが悪くなるので本当に後輩には申し訳ないし、色んな方々にサポートしてもらったし協会の方やOBの人たちも。たくさんの人が応援に来てもらったのにも関わらず今日の結果は本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。(副将としての1年を振り返って)キャプテンの香田がリーダーシップを発揮してくれてチームを引っ張ってくれて4回生みんなで力を合わしてここまで来れた。ウエートトレーニングだったりとか新しいチャレンジをしてきたんですけど、最後の最後に結果が残らなかった。本当に4年生として、副将として悔しくて、情けない。(大会前に注目選手に挙げていたロウラーが活躍した)ロウラーが点も決めてくれたし最近リーダーシップも発揮してくれて来年からもチームの中心になる選手だと思うので頑張ってほしい。(4回生の同期)仲良かったですね。いい意味でキャプテン、副キャプテンだけじゃなくて本当にみんながチームのことを考えていたと思うし本当に仲のいい代だと思います。(後輩に向けてのメッセージ)今年は佐名木さんがトレーナーとして付いてくれて新しいことにチャレンジしてきた。それを1年で辞めるんじゃなくて今後継続していくことで力がつくようになるので来年のインカレはこの悔しさを忘れずに頑張ってほしいです」

▼FW赤松貴斗(法4)
「4年間ずっと準々決勝で日体と当たってて、1年目勝てなくて、そこから結構厳しい練習をするようになって、2、3年目と勝てたけど、4年目はこういう悔しい形で終わってしまった。正直、悔いの残る試合で悔しさしかないけど、後輩たちにはこの悔しさを忘れずに頑張ってほしい。本当はもう少しいたんですけど、何人か辞めたりだとかで減ってしまって、それでも最後まで一緒に楽しい時だけじゃなくて、辛い時もあったけど、4年間一緒にやってくれた同期には感謝している。最終学年になって、悠匠とかなかむー(中村)とか安田にはチームを引っ張ってもらって、チームを作ってくれて感謝しかない。この4年間は一生忘れないと思うし、人生の宝物。社会人になっても会ったりして、この4年間のことを振り返りながらいい酒が飲めるかなと思う。今のところはこの後のキャリア考えてない。今はまだ先のことは考えられないので、1回落ち着いてから氷に上がるかは考えたい」

▼FW小竹凌(商4)
「自分が1年の時に1回負けてて、2年、3年の時に勝ってて、簡単に勝てる相手ではないっていうのはみんなわかってて、油断はせずに戦っていたと思う。3ピリまで2-0で勝ってて、いい流れで勝てるんじゃないかなと思ったけど、最後の1分で流れが変わってしまったなと。残念というか。できれば優勝したかったけど、ベスト8で、来年のトーナメントとかいい場所じゃないかもしれないんですけど、それに関しては後輩たちに申し訳なく思う。来年、自分たちのベスト8っていう結果を飛び越えて、優勝してほしい。自分は最初は出れたり出れてなかったりっていう感じで、2年くらいから試合に出させてもらった。4年目は練習も多くなって、きつくなったけど、後輩たちもついてきてくれて、自分たちも頑張らないとと思った。こういう結果になってしまったんですけど、練習とか頑張ったんで、悔いがないっていったら悔いはない。自分はあまりリーダーシップをとるタイプではなかったので、その辺で迷惑かけてしまったかなと思う。4年間という時間をこのメンバーで過ごせて良かった。社会人1年目なのでなんとも言えないけど、暇だったら関西のクラブチームに入ってアイスホッケーには携わりたいなと思う」

▼DF廣瀬雅貴(情4)
「僕が1回生の時に負けた相手なので気は抜けないなと思っていた。僕は主力選手っていうよりどちらかと言えばサポートの方なので、主力の選手たちをしっかり支えられるようにベンチから声を出そうと思った。もっと上にいけると思ってて、優勝目指していた。監督、コーチも言っていたけど、ワンシフトであったり、1つのパスであったりとかをそういう部分をもっと大事にやっていかないといけないと思った。苦しいことの方が多い4年間だったけど、個人スポーツではなくて団体スポーツだったので、みんながいてくれたのでここまで来れた。自分は去年1年いなくて、今年復帰したけど、迎えてくれて、支えてくれて感謝してる。4年間ありがとうって言いたい。今から来年のチームがスタートすると思うので、この負けを教訓にして優勝してほしい」

▼FW三浦詰平(人3)
「自分たちのいつも通りのホッケーをすれば勝てるっていう自信はあった。その自信におごりがあったのかなと思う。この負けを噛み締めて来年は頑張っていきたい。今年はトレーナーの佐名木さんとかついていただいて体を大きくしたりとか、プレーの面でも大迫さんや鈴木監督がいろいろ教えてくださってやってきた。それでも勝てないってことはまだ何かが足りないので、そこをつきつめて、来年こそは優勝したいと思う。勝たせてあげられなくて申し訳ないと思う。4回生とは明日も明後日もホッケーしたかったけど、今日負けてしまって、引退というかたちになってしまって、僕の中ではすごく心残り。4回生にはお世話になったので、恩返しできなくて申し訳ない気持ちでいっぱい。来年こそは先輩たちの思いを受け継いで優勝したい」