【アイススケート】宮原、悔いの残る演技で3位。細田、十倉は会心の演技を見せた!

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◇第87回全日本フィギュアスケート選手権大会◇12月23日◇東和薬品RACTABドーム◇

[女子フリー結果]
4位 宮原知子(文3)146.58
8位 細田采花(法4)124.33
21位 十倉日和(人2)97.30

[女子結果]
3位 宮原 223.34
8位 細田 185.74
21位 十倉 149.28

今年の全日本選手権大会は例年とは違った。誰が勝つのか分からない。会場には緊張が張り詰めていた。その中で関大勢は自分の力を振り絞って躍動した。

第1グループには、「フリーに行けたのは少し予想外でした。でも、それを目標にしてたのでうれしい」 と話した十倉が登場。コーチたちと会話してから、笑顔でスタート位置についた。凛々しいでポーズをとった。冒頭の3回転ループを成功させると、次々にジャンプを決めていく。

手先まで力を込めた、パワフルなステップシークエンスでも見せる。勢いは止まらないと思ったが、中盤の3回転サルコー、3回転トーループの回転が抜けてしまい2回転になる。だが、そのミスを忘れさせるほどの力強いコレオシークエンスで魅了。

演技が終わると同時に両手で頭を抑える仕草を見せたが、十倉の表情は笑顔だった。得点は97.30。「全体的には良かった。でも、サルコーを跳んでいたら100点台に乗ったので悔しいです」と振り返った。

第3グループには細田が登場。念入りにアクセルの入り方を確認し、濱田美栄コーチとハイタッチを交わしてから位置へ。誰もがトリプルアクセルの成功を期待した中で演技が始まった。冒頭のトリプルアクセルを着氷し、セカンドに2回転のトーループをつける。観客からは大きな歓声が上がった。続く2本目のトリプルアクセル。勢いよく跳び上がり、流れ良く成功させる。「2本目を降りた時は『きたー!』って思いました(笑)」。2本目のトリプルアクセルには2.17点の出来栄え点がついた。

勢いは止まらない。残るジャンプも全て決める。丁寧に踏んだステップでも見せ、ミスなく滑り終えた。会心の演技を観客はスタンディングオベーションで称賛。「うれしいの一言。この日のためにやってきたようなもの」。演技終了後、細田はうれしさのあまり顔を覆い、次の瞬間にはガッツポーズが飛び出した。得点は124.33。キスアンドクライでも笑顔が弾けた。

そして最終グループ。ここには、ショートプログラム(SP)で首位に立った宮原が登場した。紀平梨花(関西大学KFSC)や坂本花織(シスメックス)などの、そうそうたる顔ぶれが集まった最終グループがリンクインすると、会場は異様な緊張感に包まれた。公式練習、6分間練習ともに安定した滑りを見せていた宮原。いつものように濱田コーチと額を合わせてから、両手を広げて声援に応える。ポーズをとると、空気は一気に変わる。最初の3回転サルコーを両手を上げてしっかりと着氷。リズムをつかみ、続く3回転ルッツ+3回転トーループも決める。美しいスケーティングと緩急のある動きで曲を表現していき、観客はどんどん宮原の演技に引き込まれていく。

しかし、終盤の3回転+2回転+2回転の連続ジャンプでミスが出る。「跳ぼうとする前に飛び上がってしまった」。ファーストジャンプの3回転フリップが抜けてしまい、後の2つが続かない。観客からは悲鳴のような声が上がった。だが、最後のジャンプを3連続にしてリカバリー。最後までしっかりと滑り切った。

演技後は、悔しい表情が浮かんだ。得点は146.58点。「思ったよりは点数が出たけど、フリップが悔しい」。決して低い点数ではなかったが、宮原の表情は変わらなかった。最終結果は3位となった。

この大舞台で、3人はそれぞれの課題を見つけたはずだ。宮原は演技後のインタビューで「まだまだやることはたくさんある」と話した。悔やんでいる時間はない。前を向き、また練習に励む。GPファイナルと全日本での悔しさを日本開催となる世界選手権で晴らす。【文:竹中杏有果/写真:多田知生】

▼十倉
「出来としてはいまいちだったんですけど、滑り切れたから良しとしようと(笑)。きょうは65点くらいの出来です(笑)。2個目のサルコーを3回転+2回転にしようと思ったんですけど、公式(練習)の時の悪いイメージが付きすぎてしまっていたのと、踏み切るときに少しぐらついてしまったのでやめました。先生には『今までやってきたから、それを全部出し切ってやってきて』と言われていました。跳んでいたら100点乗ったので、悔しいです。2つ目のサルコー跳びたかったー(笑)。フリーに行けたと知ったときは、少し予想外でした。でも、そこを目標にしてやってきたのですごくうれしかったです。滑れて良かったなと思っています。でも、すごく緊張していて、6分終わってからの待ち時間もずっとヒイヒイ言っていました(笑)。きょうはサルコーが抜けてしまったけど、全体的には良かったと思います。今後の目標は、(全日本)インカレで全日本の結果を生かしてもう少し点数を上げれたらなと思います。大きな目標としては、また全日本に来ることです。学校とかも忙しくて、なかなか練習に集中することが難しくなってきているんですが、そこを何とかうまくやりくりして練習していきたいです。スケーティング強化がまずは必要だと思います。ジャンプももちろん、もっと難しいのを入れていきたいとは思っていますけど、それよりももっと滑らかにできるように頑張っていきたいです」

▼細田
「うれしいの一言です。本当にこの日のためにやってきたようなものなので、うれしくて涙が出そうで出てこないって感じでよく分からない感情でした(笑)。自分が一番びっくりしていて。とりあえず一安心です。良いクリスマスが迎えられそうです(笑)。やっぱり大先輩の高橋大輔選手(関西大学KFSC)が32歳で頑張っているので、23歳の私も負けられないなっていうライバル意識をもって滑りました。今後のことはノーコメントで(笑)。また先生たちとゆっくり話をして決めたいなと思います。私自身スケートをしてきて苦しいと思ったことが一度もなくて。練習も大好きですし、先生も大好きですし、チームとしてみんなも支えになっているので自分自身がすごく楽しんでここまでこれたかなと思います。ここまでこれたのは、先生の助けが大きいかなと思います。年齢もあって、毎日同じような練習ができないときもあったんですけど、その中でもアドバイスをしてくれたのでそこが大きいかなと思います。先生から「1本目よりも2本目を意識して滑りなさい」と普段から言われていたので、1本目のアクセルを降りたときは何も考えず、2本目に集中していました。2本目降りたときは『キター!』と思いました(笑)。今日は自分に満点をあげたいなと思います。今は全日本で降りることが最大の目標だったので、国際大会に関してはまだ何も考えてないです。出れたらいいなっていう感じです。岳斗先生(=田村岳斗コーチ)には『お疲れさま。なんで泣いてんの』って感じのことを言われました(笑)。ファンの方には、『大変長らくお待たせしました。皆さんのおかげで、やっと全日本でアクセルを跳ぶことができました』とお伝えしたいです。続けてきて良かったとは思います。これで先生たちにも恩返しできたかなと。今は達成感のほうが大きいです」

▼宮原
「もう少し良い演技がしたかったので悔しいんですけど、終わってしまったなっていう感じです。SPと比べてすごく足に力が入ってしまったので、思っているよりも頑張って飛んでいる感覚というかそういうものがあって。リラックスして練習通りにできればよかったんですけど、少しつ良くはなっているかなという風にとらえてまた頑張っていきたいです。(緊張してしまうのは)いつも自分との戦いで。緊張してしまったり力が入ってしまったりするので、そういうところでGPファイナルの時みたいに小さくならないようにしないとなっていう気持ちがありました。GPファイナルよりかはなんとか頑張れたかなとは思うんですけど、まだまだ自分の足りないところとか、毎回の試合で発見することがあるので。次へつなげていきたいです。GPファイナルの時は気が引けているような感じだったんですけど、今回は練習からしっかり取り組んでいたので、そういった意味では挑戦できたかなとは思います。(5連覇については)良い演技ができれば、どんな結果になってもいいかなという気持ちだったので、あまり深くは考えていなかったです。今は気持ちの整理がついていなくて分からないんですけど、ずっと勝ち続けるより、いったん自分を見つめ直す機会になると思うのでプラスに考えていきたいです。気持ちの面で今シーズンは特に、良い演技がしたいと思っても本番でするのは難しいなっていうのはすごく感じていて。今までとはまた違った気持ちで、毎年毎年違った気持ちで全日本に臨んでいるので、また今年も違った気持ちで滑れたかなと思います。新しくいろんなことを取り入れて、それをしっかり出したいって思っていました。調子が良い時は試合でも決まっていたので、全日本でしっかりそれを降りたいと思っていました。最後は自分の気持ちが一番、演技を左右してくると思うのでいろんな今シーズンの試合を思い返して、今後どうしていくのが良いのかをまた見つけられるようにしたいです。点数は想像以上に出たので、もっとちゃんと跳べば点数ももっと出るっていう自信がついたかなと思います。失敗して2回転になってしまったジャンプがあったのに、146点という点数が出たのでフリップ跳べていたらなという気持ちがありました。GOE(出来栄え点)に関してはそこまで細かく対策をとっていなくて、自分の技術を伸ばすことと質を高めるっていうことを意識してやっています。まだ完成形にはなっていなくて、まだまだ伸びると思っているので。試合ごとにいろんな演技があって、いろんな気持ちがありますけど、やることはたくさんあるので頑張っていきたいです。(初めての日本での世界選手権大会に出場することについては)気持ちとしては気負わずに楽しんでできたらいいなと思います。(SPを終えて)みんなすごく近い点数だったので、最後までどうなるのか結果はわからないっていう感じでした。きょうは、すごく堪えながらジャンプを跳んでいる感じだったので、頑張らないとってすごく考えすぎてしまったかなという感じで。自分でもまだ分かっていないんですけど、跳ぼうとする前に跳び上がってしまったかなという感じだと思います。いろんな場面で、いろんな気持ちを抱えながら毎回試合に挑むので、気持ちのコントロールが難しいなっていうのは感じています。来年のことはまだ考えられていないし、今シーズンも残っているので、ひとまず次に向けて頑張りたいっていう気持ちが今はあります」

【メダリスト会見での宮原のインタビュー】
「やっと終わったなっていう気持ちと、終わってしまったという気持ちと複雑な感じです。最後のフリップだけ悔しい気持ちはあります。もちろん、まだまだやらないといけないことはたくさんあります。せっかくの日本開催の世界選手権なので自分のできることをやって、自分らしいスケートをしたいです。(世界選手権で)みんなが自分のスケートをすれば、一番盛り上がるのではないかなと思います」