【自動車】[企画]アスファルト上の“フィギュア”に迫る

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「フィギュア」。みなさんはこの言葉に対しどんなことが思いつくだろうか。関西大学といえば、もちろん「フィギュアスケート」が有名だ。宮原知子(文3)など世界的スケーターも在籍する。だが、「フィギュア」は氷上だけの競技ではない。

今回フォーカスを当てる部活動は自動車だ。「自動車」といえば、ドリフトなどでコースをクリアするジムカーナや、オフロードをアクセル全開で突き進むダイナミックさにあふれるダートトライアルを思い浮かべるだろう。

▲ジムカーナで使用されるCR-X(ホンダ)。部員が車両を作り上げる。

▲デミオ(マツダ)

だが、この日の自動車部の活動拠点である名神高速道路上のガレージを走っていたのはマツダのデミオ。ジムカーナやダートトライアルであれば部で所有する車両を使用する。だが、私たちが普段乗る車両と何の変りもない。さらに言えば、レンタカー。この車両が使用される競技は自動車運転競技、通称“フィギュア”と呼ばれる。

▲全日本インカレのコース

ルールは写真のように、ロープでつくられたスラロームやボックスなどバラエティに富んだコース上をいかに早く、正確にくぐり抜けること。ただし、そこから脱輪やタイヤがロープに触れること、車体がコース上の缶と接触するはことにより減点される、脱接缶やエンスト、安全確認の失念、急ブレーキなども減点対象となる。安全運転もドライバーとしての技術だ。スタートからゴールまでにかかった時間から減点数を差し引いたタイムが結果となる。教習所の強化バージョンと言えるかもしれない。また、学生自動車界においては今回のデミオなど一般的な自動車を使う小型乗用の部と、トラックを使用する小型貨物の部に分けられる。

▲小型貨物の部で使用されるトラック

ただし、現在は法改正によりこのトラックの運転には準中型免許が必要となる。

「ダートとかジムカーナよりも(フィギュアは)得意」。こう語るのは自動車部の主将を務める、荻野尚貴(化生4)だった。実際に練習しているところに同乗させてもらった。

▲一心不乱にハンドルを操作する荻野

荻野はエンジンをかけ、アクセルを踏み込むと同時にキレのあるステアリングを見せた。

▲車両の後輪。この狭いコースを車で進まなければならない

コースの幅はたった1.8㍍。人ひとり分の広さしかない道をピタリと進む様子はまるで針に糸を通すかのようだ。左右へとハンドルを激しく切り、バックをしたりなど手を休める暇はない。荻野の眼差しは真剣そのものだった。

「ダートとかジムカーナだと大学によって使う車に差が出るけれど、フィギュアは全員が同じ車を使う。だから、純粋に競技ができる」。荻野は競技の魅力を語った。そして、最後に一般のドライバーの方々へのアドバイスももらった。「車には特徴があるので、それを把握するためにもたくさん乗ることが大切だと思います」。

▲星住祐弥(社1)と自動車部OGの吉安昌子コーチ

競技場所は氷上ではなく知名度も高くないが、技術や正確さを競うという共通点を持つ“アスファルト上のフィギュア”。普段私たちが乗る自動車を使うからこそ、その奥深さを知ることでみなさんの運転技術向上につながるのかもしれない。【構成:柴村直宏】