【ラグビー】粘りの守備で歴史変える!大学選手権初勝利!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

◇第52回全国大学選手権セカンドステージ第3戦対法大◇12月27日◇皇子山総合運動公園陸上競技場◇

【前半】関大22-7法大
【後半】関大7-17法大
【試合終了】関大29-24法大

「もう一つ歴史を変えよう」。主将のHO倉屋は試合前、チームメイトに声を掛けた。関大は5度目の出場ながら、大学選手権では未勝利。今大会もすでに2敗を喫し、セカンドステージ敗退が決まっている。だが、歴史的1勝が懸かる今シーズン最終戦となり、選手たちは一層燃え上がった。対する法大には6月の定期戦で38-13と快勝している。それでも、「なかなか厳しい試合になると覚悟して臨んだ」と桑原監督。新たな伝統を築こうとするチームに油断はなかった。
円陣web
関大のキックオフで試合開始。風下での前半は、立ち上がりに反則が目立った。関大がペースをつかめないまま迎えた8分、法大に先制トライを許す。コンバージョンゴールも決められ、0-7とビハインドを背負った。
その後は徐々に落ち着きを取り戻す。失点から6分後、NO8三井、LO辨天(べんてん)、CTB松本仁が続けざまに縦に突進し、敵陣へ侵入。SH松浦からWTB原へとつないで、最後にパスを受けたFL中野がインゴール右隅へ飛び込み、5点を返した。ミスが減るとともに、アタックにリズムが生まれる。27分にはFB竹中が持ち前のスピードで相手の防御網をかいくぐり、中央にトライ。ゴールも成功し12-7と逆転に成功した。その直後、法大のキックオフがノット10㍍となり、関大がセンタースクラムを獲得。BKへ回すと、松本が華麗なパスダミーで抜け出す。サポートに走ったWTB吉田陸がトライを挙げ、17-7。相手のミスから追加点を奪い、完全に勢いに乗った。守っては倉屋、CTB三谷らが再三の好タックルでピンチの芽を摘む。相手にシンビンが適用され数的優位に立った前半終了間際には、ゴール前のFW戦でPR後藤が強引にインゴールへねじ込み、22-7とリードして試合を折り返した。
松本
中野トライ
竹中
吉田陸
後藤トライ
しかし、後半は法大の猛反撃にさらされる。開始直後に1トライを返され、22-14。竹中のトライで一度は突き放すも、その後は勢いを取り戻した法大に苦戦を強いられた。ペナルティーゴールとトライで29-24と5点差まで詰め寄られてしまう。
流れを変えたい関大はLO山口、SH木下を投入。終盤には新井、尾池の両PRが出場し、ブレイクダウンの活性化を図る。全国の舞台で強豪校と体をぶつけてきた選手たちはたくましさを増していた。我慢の時間が続いたものの、磨き上げた粘り強いディフェンスを発揮。インゴールに迫られてもぎりぎりで相手のミスを誘い、同点トライは許さない。最大のピンチは後半39分。インゴールまで約5㍍地点での法大のラインアウトの場面だ。ここでFWリーダーの辨天が迷わず、競ることを指示する。すると、相手のスロワーから放たれたボールをジャンパーの山口がインターセプト。直後にノータイムのブザーが響くと、ボールを受けたSO北田がすかさず外へ蹴り出し、ノーサイド。歴史を塗り替えたその瞬間、グラウンドとスタンドが一斉に喜びを爆発させた。
タックル
喜びweb
倉屋は「最後は関大らしい粘りのディフェンスができて非常に良かった」と話した。今季を通して培った戦い方を最後まで貫き、手にした結果に「われわれにとっては大きな1勝を挙げることができた」と指揮官も頬を緩めた。47年ぶりに帰ってきた大学選手権で創部初の勝利。今年、数々の好ゲームを繰り広げてきた紫紺の戦士たちは、見事に最後を飾った。【吉見元太】
応援席
▼桑原監督
「(法大とは)毎年定期戦で戦っているが、過去の戦歴からもなかなか厳しい試合になると覚悟して臨んだ。(法大は)選手権に入っても後半にかなりの得点力があった。苦しんだが、勝ち切ることができた。われわれにとっては大きな1勝を挙げることができた」

▼HO倉屋主将
「前半に取れるだけ点を取って、相手が後半に勢いに乗ってくるのはわかっていたので、後半は0対0からだと思って試合に入った。後半は近場のディフェンスが甘くなり苦しんだが、最後は関大らしい粘りのディフェンスができて非常に良かった。最高にうれしい。このチームで春から大学選手権出場を目標にしてやってきた。それがかなったので、『もう一つ歴史を変えよう』とチームに言ってきた。昨日の同大との練習試合でベンチ外の選手たちが気持ちのこもったプレーを見せてくれて、チームが一つになった。(大学選手権を通して)通用したのはスクラム。個々のフィジカルでは軽さがあって負けていた。(応援について)試合前にスタンドを見て『あんなに仲間がおんねんから負けるわけない』とメンバーに話していた。関大の応援は日本一だと思う。(後輩たちに向けて)選手権で1勝できたので、次はまず関西リーグを制覇してほしい。選手権で関大のディフェンスを全国に知らしめてくれるのが楽しみ」

▼LO辨天
「うれしい。それだけ。最初から攻めていくと決めて、最後まで思い切っていった。(終了間際のラインアウトの場面は)ノータイムと知らなくて、ボールを取ることしか考えていなかった。4年間つらいこともあったが、こういう形で終われて良かった。社会人でもラグビーを続けるので、いち早く試合に出ることを目指す」

▼SH松浦
「感無量です。(試合の)入りに失敗してしまった印象があった。後半追い上げられて焦りがあった。継続してボールに集中できていたのがよかった。応援のおかげで最後まで守り抜けたと思う。(この1年について)苦しかったこともあったけど、47年ぶりに大学選手権に出られて、1勝できたことを誇りに思う」

▼WTB原
「ほっとしている。1勝が関大の目標だったので自分たちの代で達成できたのは特別な思いがある。春は法大に大差をつけて勝っていたが、相手はメンバーの半分が入れ替わった状態だったので、まるっきり違うチームという印象で戦っていた。相手どうこうというよりは自分たちの持ち味のディフェンスを生かして、しっかり前にでてアタックしかけるところはいつもと変わりなくした。関東の大学は体が大きくて精神力を持ち味にしているところが多い。団結力やチーム力が関大の持ち味。今年は特に仲が良くて、いい意味で上下関係がなくみんながリラックスしてできている。この試合は大応援団とともに戦った。関大にとって歴史的第一歩を踏み出した」

▼CTB松本仁
「最後の試合ということで絶対に勝つという気持ちが強かった。幸先がよくなかったが修正して良い形で前半は終われた。後半は関東の厚いブレイクダウンでプレッシャーをかけられた。タイトな試合になるとは思っていたが最後は勝ち切れてよかった。法大にはいいイメージを持っていた。アタックが普段通りできた」

▼CTB三谷
「ちょー気持ちいい。自分自身、大学最後の試合ということもあって気負いがあった。いつも通りのプレーができなかったが、後半になって思い通りのプレーができた。試合に出られないメンバーの応援が力になって集中することができた。ノーサイドの笛を聞いた時は鳥肌が立った。七転び八起きという表現が合う4年間だった。昇格と降格を繰り返したが、Aリーグを一度経験していたことで、この結果につながったと思う。(大学選手権で)1勝という望んだことをできてうれしい」

▼FL吉田幸
「自分たちのラグビーで勝てて、素直にうれしい。みんながいなければここまでできなかった。けがで練習ができない時期に後輩が『早く吉田さんと一緒に試合に出たいです』と声を掛けてくれて励まされた。(後輩に向けて)次は頂点を目指してほしい。日本一に向けて1個上のレベルに目標を上げて頑張ってほしい」

▼PR尾池
「あっという間だった。勝ててうれしい。(今日の試合は)緊張していてあまり覚えていない。とにかく必死だった。関東は強い。選手権を経験できて、後輩には収穫だったと思う。4年間楽しかった。入学したとき関大は2部。まさか選手権に出られるなんて思っていなかった。本当に関大で良かった。自分はこれからもラグビーを続ける。大きいことを言うが、日本代表を目指したい」