【バスケットボール】強豪・近大撃破!「明るい兆しになるゲームだった」

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◇平成30年度関西学生リーグ戦第16日目対近大◇10月24日◇枚方市総合体育館◇

[第1Q]関大24-25近大
[第2Q]関大15-15近大
[第3Q]関大20-25近大
[第4Q]関大22-13近大
[試合終了]関大81-78近大

タイマーは8.1を表示していた。近大のスローインでゲームが再開される。徹底的に守る関大男バス。苦しみながら相手が放ったスリーポイントシュートは、リングに当たって転がり落ちた。その瞬間、試合終了。跳び上がって、抱き合う選手。喜びを爆発させながら、抱えてきたものがあふれ出る選手たちがそこにいた。関西学生選手権大会や西日本学生選手権大会を制した近大から、大きな大きな一勝をもぎ取った。全員でつないだ全日本インカレへの道だ。

リーグ戦でインサイド陣を中心に多くの主力が戦線を離脱していた関大。リーグ戦第3日目に肩を脱臼して以降は、スタンドで大きな声を出し、コートを鼓舞し続けてきた関野日久(はるく=文3)が、この日はスターティングメンバーとしてコートに立った。けが人の復帰に勢い付く関大は、試合開始早々に石野渉生(人4)のスリーポイントがリングを通過。外国人留学生を擁し、高さの面でアドバンテージのある近大は、リング下から得点を量産してくるものの、石野渉、菅原紳太郎(文2)のバスケットカウントシュートで応戦した。さらに、足立臣哉(人3)が速攻に、ドライブにと流れを引き寄せ続ける。


△関野


△菅原

どんな時も関大のゴール下にはこの男がいる。心強い大黒柱である梶原聖大(情4)も、ホーム最終戦以来1カ月ぶりに実戦のコートに帰ってきた。「出された以上は精一杯頑張るって決めていた」(梶原)。復帰のあいさつ代わりにリバウンドで仕事をすると、それを足立がしっかりと決める。終盤以降立て続けに失点するも、1点ビハインドで最初の10分を終える。


△梶原


△岩本卓巳(文1)

「尾﨑さんがどう転ぶかわからん状態でついて行けって言っていた」(竹村崚=文1)。指揮官の言葉通り、オフェンスリバウンドを沈めるなど着実に得点を積み重ねていく相手に、秋岡和典(人2)のシュートや梶原のタフショットなどで付いていく。取られたら取り返す。つかず離れずの展開の中で、石野渉がドライブから2点を追加すると、梶原のアシストで下田竜至(情1)のシュートも決まる。


△秋岡


△下田

決められたらすぐ決め返す。相手の背後にぴったりと付き、プレッシャーをかけ続ける。コートに立つメンバーは、どんな時でも誰が出ていてもアタックする気持ちを忘れなかった。頑強な相手のインサイドがいても、菅原がタフショットを沈め、少し離されたら石野渉がスリーポイントを決める。足立が切り込み、梶原はリバウンドを取る。ベンチから声が飛ぶ。相手に走られる場面もあり、第3Q終了時点で6点ビハインドだったが、これまでにない強い気持ちで、相手の好きなようにはさせなかった。


△竹村


△足立

しかし最終Qが始まると、雲行きが怪しくなる。開始早々失点すると、ターンオーバーからも得点を献上。あっという間に14点まで差が広がる。「自分たちのリズムを失っている時間だった」(尾﨑勇太ヘッドコーチ=HC)。タイムアウトが明けると再び得点が動き始める。竹村がドライブからシュートを決め、竹村のアシストで石野渉が連続得点。フリースローでもじわじわと詰め寄る。


△石野渉

ここからはワンゴール差を争う一進一退の攻防が続いた。梶原のアシストで関野がシュートを決め76-76。ドライブから得点を許し76-78。足立のミドルシュートで78-78。一度でもシュートを落とせない。先に試合を終えた両隣のコートから、他大の選手たちもこの接戦を見守っていた。

ここで関大にチャンス。相手のターンオーバーから足立がボールを運ぶ。時間をかけて好機を見計らうと、タイマーの表示する時間がみるみる減っていく中、足立が一瞬の隙を突いて切り込む。寄ってきたディフェンスにも動じず足立が冷静にパスを出した。「絶対決めてくれる」。

0度のスリーポイントラインでボールを受けたのは、中谷颯吾(情3)だった。全関西、西日本選手権、そしてこのリーグ戦とここ一番の勝負所でチームの求める一本を決め続けてきた男が、残り8秒でシュートを打つ。会場中が中谷の手から離れたボールを目で追っていた。


△中谷

「打った瞬間に入ったと思った」(中谷)。きれいな孤を描いたボールは、そのままリングに吸い込まれる。その瞬間、コート、ベンチ、スタンドで喜びが爆発した。近大のタイムアウトでベンチに戻ると、劇的スリーに浮つく選手たちを締め直し、最後の8.1秒。なんとか得点をもぎ取ろうとしてくる相手を徹底的に抑え込む。時間ぎりぎりで相手が放ったタフなスリーポイントはリングをくぐらず。この瞬間、関大の勝利が決まった。

今年の主要大会を総なめにしてきた最強艦隊を撃破した。この一勝をもってしても、全日本インカレへの道はまだ険しい。それでも、チーム全員でつないだ道は確かにこの先へと続いている。「この一勝の意味がどう出るかは土日の自分たちの結果次第やと思うから、この気持ちを忘れずに土日に向かいたい」(関野)。追い風は吹いている。慢心せず、焦らず。残り80分になったリーグ戦で、自分たちのバスケットをしよう。チーム全員で戦い抜いた先で、全国への切符をつかむ。【文:宮西美紅/写真:金田侑香璃】

▼尾﨑HC
「(今の気持ちは)あと2勝かって感じですね。きょうのゲームに勝っても他力本願な部分は変わらないので、気を引き締めてやらないといけないのと、こういういいゲームをしたから、いいゲームをして勝てたから、今週の土日への緊張感というのは実感として増している。きょうのゲームの中で追い掛ける展開っていうのが多分、相手にプレッシャーをかけると思っていたので。それはもちろん、最初から離せたら良かったんだけれど、10点くらい離れた時もタイムアウトを取らずにいけたことは良かったかなと思います。(最終Qは少し離されたが)あの時は自分たちのリズムを失っている時間だったけれど、タイムアウトを取ろうとした次のプレーっていうのが、ディフェンスもオフェンスも元に戻ったので。『あ、これはいけるな』と思って流したんだけど、結局タイムアウトを取って引き締めたのが良かったかなと思います。相手の外国人留学生じゃなくて日本人の1対1とリバウンドの枚数でやられていたところがあったので、そのシンプルなところだけ指示した。(大きな一勝になると思うが)選手たちの気持ちにとってすごい一勝だけれど、ここで一勝して良かったっていうのが多分今週の土日にすごいプレッシャーをかけると思う。なのでそこをしっかりみんなで乗り切ってほしいなと思います。チームが、個人のチームに負けるはずがないってずっと思ってたから。帰ってきた選手たちがしっかり活躍してくれて、残っていた選手たちも本当に今までよく踏ん張ってくれていたと思うし、帰ってきて勝てたというのは明るい兆しになるゲームだったと思います。(きょう一番良かったのは)足立じゃないかな。足立が勇気を出して梶原にボールを入れたし、どんな展開でも前にボールプッシュしてたし。そこにつられて竹村とか、最後に中谷とか関野、菅原も。みんなが足立のリードオフのおかげで引っ張られていったところがあったと思う。自分で背負ってしんどい部分もあっただろうけれど、いい収穫だと思います」

▼梶原
「周りには、関大対近大なら絶対近大が勝つと思われていたけれど、僕らの目標は(全日本)インカレに出てベスト8に入ることだから、まだ(全日本)インカレは諦めずにまずはこの一勝を大事にチーム全員で勝ちにいきました。勝てて良かったです。正直僕は出ると思っていなかったし、尾﨑さんもあんまり出すつもりはなかったと思うんですけど、出された以上は精一杯頑張るって決めていたし、自分のできることを精一杯できたと思うし、勝てて良かった。あと2戦あるのでそこも絶対勝って、まだ(全日本)インカレあると思うので頑張りたいです。正直、僕はあまり攻める気はなかったので周りを生かすように、スクリーン使ってスペース空けたりっていうのを意識して頑張りました。(最終Qで少し離されたが)まだ残り6分以上あったと思うので、ベンチもコートも応援席も全員あきらめずに声を出して追いついて耐えたんじゃないかなと思います。この一勝はうれしいけどまだ終わっていないので、あと2回勝たないと意味ないと思うので、あした、あさって練習頑張って。僕は足を少しでも早く治して、また試合に出られるように、チームに貢献できるよう頑張りたいです」

▼足立
「今はほんまに勝てたことがうれしくて、この前の同大戦を落として、京産大にも大差で負けて、ちょっと悪い流れがあったけど、試合中も誰もあきらめずに、ちゃんと全員が必死にやって勝てたから今までの勝ちよりすごいうれしい勝ちだなと思います。近大に勝ったということで、これを自信に変えて、流科大戦と大体大戦、もう本当に落とせない試合だから、もう1回気を引き締め直して、あと2日しっかり練習しないといけないなと思います。前半バタバタして入っちゃったけど、なんとかみんな点につなげて自分自身も結構アタックしようっていう気持ちでずっとやっていたので。だけど3Qくらいで相手に走られて簡単に点を決められるっていうところがあったから、そこは反省かなと思います。自分自身はリングにアタックするっていう気持ちが一試合通してほとんど切れていなかったけど、最後のシュートの打ち方、高い相手を意識して外してしまったところがあったから、そこは意識で修正できるところやと思うから、そこは修正して。あと2試合やから、今のアタックするっていう気持ちを忘れずにやりたいと思います。最後にパスを出した時は、(残り)8秒くらいで自分がボールを託されたから、ここで決めようっていう気持ちでボール持ってて。最後ピック呼んだ時に相手のディフェンスがタイマーの方見たり、ちょっと自分から意識がそれたのが見えた瞬間にアタックしてみて。そしたらディフェンスはみんな驚いたように自分に反応してくれたから。その時に颯吾(=中谷)がボール呼んで、すごい構えてたから決めてくれるって思ってたし、自信持って出せたというか。迷うことなく出せたかなって。(スリーが決まったあとは)残り8秒やったから、スリーだけは打たせないようにしようっていうのを言っていて。実際、梶さん(=梶原)と自分のマークマンのところで入れ替わりっていうのがあって、ちょっと危ない瞬間が最後あったんですけど、なんとか相手にタフなショットで打たせることができたから、いいシュートを打たせなかったから良かった。ここでちょっと気が緩んだら、きょうの勝ちも意味ないし、あと二勝のためのきょうの一勝っていうのを。あしたの練習とかもちょっと気緩んでたりしたら締めないとダメやし。きょうはすごい喜んでいいと思うから、あしたしっかり切り替えて、土日の試合のために頑張ります」

▼中谷
「本当に、持ってるなって思います。4Q最後まで何もしてなかったし、ディフェンスでもあんまり貢献できていなかったかなと思っていて。それもあって、ホーム戦じゃないけど、中学の地元がここで。なんかやりたいなと思っていて、最後ボール回ってきて、打てて。みんなが回してつないでくれて良かったなって思います。臣哉(=足立)がドライブしてきてくれた瞬間に来るなって思った。打った瞬間に入ったと思いました。相手のリバウンドとかにも苦しんだけど、ペース上げようってガード陣が速くリスタートしようってやってたし、センター陣が体張って、パトリック(=カロンジ・パトリック=近大)とかもすごい嫌がってたと思うし。それが全部あって、最後あの点差になったなと思います。前半からすごい良かったです。この試合を取りにいかないとってみんなすごい気持ち入ってたから。その分、オフェンスにも勢いがあったし、ディフェンスもみんなで守ろうっていう意識があったからそれが良かったと思います。ここ何試合かずっとそうやけど、負けられない試合なので、ここで結構上のチームに勝ったからって気を抜くんじゃなくて、1個1個試合にしっかり勝っていきたいと思います」

▼関野
「死ぬほどうれしいです。けがしてから1カ月半以上我慢して、自分が出てもどうできるか分からんけど、やっぱり1カ月以上我慢したのはすごいしんどかったし、きょうも自分はもう1回けがするリスクがあったので正直ずっと怖かったけど、出るっていうすごい勇気のいる決断をして、結果として成功していい決断をしたと思いました。(スターティング5だったが)きのう僕はリハビリとかテーピングとか長引いて練習ちょっと遅れたんですけど、行った瞬間に『スタメンやで』って言われて、『えっ?』ってなって。自分は今までのリーグ戦は1年生の時は1回も出てなくて、2年生の時も3年生も今も控えやって、初めてスタートで出られたっていうのは普通に誇りに思うし、終始いいプレーはできなかったけど、結果として勝利につながったので良かったです。よく尾﨑さんはビッグゲームはないっていうけど、逆に言えば一試合一試合の重みはすごく重いということやから、この試合もすごい重い一勝やし、俺たちと5位を争っている大院大は近大戦は落としているから、この一勝の意味がどう出るかは土日の自分たちの結果次第やと思うから、この気持ちを忘れずに土日に向かいたいと思います」

▼竹村
「ずっと尾﨑さんが10点以内というか、どう転ぶかわからん状態でついて行けって言っていたので、それをチームで常に声出し合ってやっていけたのがすごい良かったと思います。(自分は)得点はあまり取ってないですけど、アシスト4とかターンオーバーも多分なかった。もうちょっと得点とか絡めたら良かったなとは思うんですけど、後半のちょっと流れが悪かった時にもう1回自分がプッシュして流れをちょっと作れたと思うのでそれは良かったと思います。(勝った瞬間は?)最高って感じですね。自分たちの力じゃどうにもならないところがインカレ出場にはあるけど、ここで勝ったっていうのはすごい大きいと思う。今、梶原さんが戻ってきたけど、結構次の代というか、チームに向けてっていう形もあるからきょうの1勝はこれからのチームに向けてもすごい良かったと思う。近大相手にリバウンドしっかり取って、早い展開に持ち込めたのはあの2人(梶原、関野)がリバウンド頑張ってくれてそのおかげやと思うのですごい良かったと思う。(勝因は)ベンチメンバーも含めて全員が最後まで諦めずに声を出し続けたことやと思います。(全日本)インカレ出るのは他のチームの勝敗にかかってくるけど、自分たちはあと2戦勝つっていうのが大事やと思うので、しっかり土日に向けて練習して2戦勝ちたいと思います」

▼下田
「もうほんまに勝ててうれしいです。きょう日久さん(=関野)復帰して、自分的には出番ないかなって思ってたんですけど、出番もらって、リバウンドとディフェンスめっちゃ声出して頑張れて良かったし、やっぱり日久さんはすごいと思いました。苦しい時に『全員で戦おう』って声出してて、そこから点差もひっくり返ったし、最後オフェンスリバウンドも飛び込んでて、やっぱり師匠やなと思いました。自分は24番の今村さん(=今村拓夢=近大)がすごい身体能力高い人で、それは分かってたんですけどフィジカルだったら僕が勝っていたと思うので、しっかり中に入らせないように体当ててできたので良かったです。日久さんとかといつも1対1してて、日久さんや梶さんの方が強かったので。練習終わりにいつも日久さんとかと1対1してるんですよ!それが効いて勝てて良かったです。この一勝はほんまにでかいと思うし、しっかりあと2戦もこの勢いのまま勝って(全日本)インカレいきたいです」