【テニス】またもや立ちはだかった絶対王者の壁。園女大との3決に回る

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◇平成30年度全日本学生対抗王座決定試合準決勝対早大◇10月14日◇愛媛県総合運動公園

● D1 橘・越野 0(2-6 2-6)2上・大矢
● D2 鎌田・中塚 0(2-6 1-6)2 清水・下地● S1 越野 0(2-6 5-7)2 清水
●S2 橘 2(1-6 4-6)2
○S3 沈 2(4-6 3-6 1-0RET)1大矢
● 関大 1-4 早大

王座準決勝ではいつも関大の前に関東が立ちはだかっていた。昨年の敗戦を知る選手たちが死力を尽くすも、今年も壁は壊れなかった。リーグ戦2連覇、全日本インカレでも上位の選手が名を連ね、「今年こそは」という機運が高まっていただけに悔しさだけが残った。

D1には鎌田琴衣(社3)・中塚桃子(人2)が抜擢(ばってき)された。相手は、全日本インカレの準々決勝で敗れた上・大矢組。リベンジといきたいところだったが、試合開始からなかなかチャンスを作れない。ロブショットでコート奥へ押し込まれ、リターンしたボールを強烈なボレーで返される場面が目立つ。スピードボールも駆使して攻める相手に対し、途中レシーブゲームを奪うなど健闘したが、力及ばずストレート負け。「相手の方が上手だった」(中塚)と悔いの残る試合内容だった。

勝負に出たダブルスだった。D2には公式戦でもペアを組んだ経験がない橘彩音女子主将(経4)と越野菜摘(文3)がダブルスを結成。「確実に私たちの方で取りにいきたかった」(橘)。大一番での奇策、吉と出るか。1ゲーム、1ゲームデュースにもつれ込む熱戦を演じる。越野が得意のストロークでチャンスボールを誘発し、橘がスマッシュを決めるなど好連携も見せた。また、試合中でも絶えず笑顔を見せ、ポイントを失ってもそれは崩れることがなかった。だが、勝利の女神はほほえまなかった。「あと一本が取れなくて離れてしまった」と橘。勝負どころで相手を上回れず、大会前も「重要」と話していたダブルスで全敗を喫し王手をかけられた。

あとがなくなった状況で沈清河(法3)がコートに入る。1年生のときから王座に出場していた沈だが、準決勝での勝利経験がない。また今年の全日本インカレでも初戦で関東の選手に敗れ、全国規模の大会では力を発揮できていなかった。「関東相手に自分のテニスを表現したい」。大会前にそう意気込んだ沈は持ち前のストロークを武器に関東学生リーグ戦でシングルス無敗の早大主将・大矢に立ち向かった。試合の展開はまさにシーソーゲーム。序盤に2ゲーム沈が連取すれば、すかさず大矢がブレークバックに成功。またも沈が2ゲームを突き放したと思えば、今度は4ゲーム連取され、第1セットを落とした。セカンドセットも同様に沈が先行しながら、逆転を喫し2-3とされる。だが、粘り強くストロークを左右に攻め続け、得意のフォアの逆クロスでウィナーを量産。第3セットで1ゲームを奪うと、相手が棄権を訴え、関大に初の白星を届けた。「諦めずにプレーできた」と沈。王者相手に見事自分のテニスを表現した。

S2は橘女子主将。序盤からストロークを駆使して攻めるが、今一歩相手を崩しきることができない。試合が進むにつれ、焦りからかミスが出始めた。徐々に流れを悪くしてしまい、第1セットはわずか1ゲームしか奪えず落としてしまう。それでも第2セットは主将の意地を見せ、一時はゲームカウントでリードする局面も作る。しかし最後は相手エースの前にストレートで屈する結果に。この時点で0-3となり、決勝進出の夢は絶たれた。

S1に入ったのはエースの越野菜摘(文3)。2回戦のシングルスではストレート負けだったが、「周りの人のために」と切り替えて臨んだ。だが、コート隅に的確にショットを打ち分けられ、大きな見せ場を作れず第1セットを落とす。第2セットは粘りを見せ、3-5とされてから2ゲームを連取。しかし最後は力尽き、またしてもストレートで敗れた。今年の王座のシングルスではまだ勝利できておらず、3位決定戦での奮起に期待がかかる。

「自分が単複任せてもらったのに・‥」。試合後の挨拶で、橘主将は言葉に詰まった。目からあふれ出る涙はこの試合へ懸ける思いが表れていた。泣いても笑っても現チームでの試合はラスト1試合。「笑って引退します」と橘。メダルを持ち帰り、今日の悔し涙をうれし涙に変える。【文/写真:三木勇人・長尾洋祐】

▼橘女子主将
「悔しかったです。ダブルスもスコアでみたらあればなんですけど、ゲーム的には結構競れていたのにあと一本がとれなくて離れてしまった。そこさえ取りきれたら逆の結果もありえたんじゃないかなと思います。(ダブルスのオーダーの意図について)確実に私たちの方で取りにいきたかった。賭けみたいなところもあったんですけど、不安要素もあったので組み換えてこれで勝負しようと思いました。(ワセダが上回っていた部分は)相手が手堅くとってきた。私たちは決まるところもあれば、決まらない場面もあった。思いきりのよさがあって、ダブルスの相手は二人とも前に入ってしっかり打ってくるタイプでそれを最後までしっかりやってきた。それを抑えれなかった。(越野とのダブルスは)初めて。(ペアリングで不安は)あんまりなかったです。(明日への意気込み)園田も王座で亜細亜に競ってたし、リーグ戦のときみたいにいかないと思うんですけど、メダルは持って帰りたいので何がなんでも明日は勝って、笑って引退します」

▼越野
「ダブルスは橘さんと組ませてもらったけど、流れを悪くしてシングルスに入ってしまった。言葉にできない気持ち。(雰囲気は)良かったと思う。緊張している人もいたけど、いけるという雰囲気はあった。清水は、S1も張っているし、球も威力がある。でも、一番のキーパーソンは下地。ダブルスが上手かった。でも、ああいうスコアで負ける相手ではない。できることをやったと言えばやったけど、それを言えば『今でいいや』と思ってしまっている自分もいる。ベストを尽くして今回の結果だったら、もっとどうにかしないといけない。調子は良かったし、思い切ってできているところもあった。でも、試合全体の流れとか、試合全体の内容が悪かった。(2回戦のシングルスからの切り替えは?)確かに負けていたけど、もう来年の試合は始まっていると思っていた。この王座でS1で出させてもらって、この環境でここまでやらせてもらった。メンバー外の人は練習できないときもある。自分が出るけど、自分の試合じゃない。もっと周りの人のためにというのは思っていた。去年よりは進歩したとは思うけど、あともうちょっと戦い方の面でできたことはあるかなと思う。(次戦へ向けて)3位決定戦というのもそうだし、1個上の代の最後の試合なので、そこに花を添えてあげたい。今までの感謝の気持ちを形で恩返ししたい。『本当にこのチームで良かった』と思えるように。応援してくださっている方とか、サポートしてくれる仲間のために試合したい」

▼鎌田
「ダブルスを2-0で回せるところを0-2で回してしまって、シングルスのメンバーにプレッシャーを与えたてしまったのが申し訳ない。インカレのときと同じ相手で、全く同じスコアで負けてしまった。そのときよりは良くなったと思うけど、デュースやゲームポイントのところで毎回取られてしまっているのが、今回のスコアにつながっている。リベンジしたいと思っていたし、勝つ気もあった。対策も取り入れたりしたけど、自分たちのミスも多くなってしまったので、そこはこれから少なくしていかないといけない。絶対勝つという気持ちはあったし、一致団結してやるというのを目標としてやっていたので、しっかりと声を出してできたのは良かった。(対戦した上・大矢組に関しては?)さすが早稲田のエースと主将だという感じ。今後自分たちもそういう存在になっていかないといけないなと思った。(来年以降は)自分たちはほぼメンバーが変わらない。来年はものすごくチャンスだと思っている。もっとレベルアップしないといけない。特にダブルス。2-0にできていないので、1本でも多く取ってシングルスに回せるようにしていきたい。(3位決定戦について)もう絶対取りに行く。向こう(園女大)も追いかける側だと思うけど、自分たちがしっかりプレーすれば勝てる。最後は5-0をつけて終わりたい」

▼沈
「一番最初に入って、時間帯的にも早かったので序盤でリードして、あとの二人にいい流れを作りたいと思っていました。(相性は)スピン系だったので、上から叩けてやりやすかった。(関東の大学に一勝。自信には?)全国でも上位の選手で内容的にも自分でも悪い試合でもなかった。ファイナルになったらどんな力を出してくるか正直気になるところなんですけど、最後まで諦めずにセカンドセットを取れたのでそれが形になった。(意識したこと)昨日の試合でも展開が早くて、それをさせないように自分から攻めていって自分から展開していった。引かないようにテニスをした。(S2からS3のポジションに移ったが変化は)3は2よりプレッシャーにはなります。どこの大学から見ても取らなくてはいけない感じの考え方が多い。失うものはないし、自分の思い描いてるプレーが出来たらなと思っていた。(チームとして勝ちたかった思いは)ダブルスに関しては負けたとはいえすごく頑張ってくれたので0-2で回ってきたんですけど、諦めずにプレーできた。ダブルスで頑張ってもらっている分、私はシングルスで先に入るので少しでもいい流れを作れたらいいなと思っていました。(明日への意気込み)このチームで戦うことが最後なのでメダルを持って帰れるように何があっても諦めずに頑張りたいです」

▼中塚
「素直に悔しいのが一番。昨日の練習で(鎌田と組むことが)決まって、調子もお互い良い状態で試合に入った。でも、いざ試合になると、相手が上手だった。自分たちが焦りすぎて、ミスが増えてしまったのはもったいない。悔しい内容だった。(対戦した上・大矢組に関しては?)やはり勝負所でのポイントを取るところ。そういうところで自分たちがポイントを取れてなくて、スコアも差が開いてしまったかなという感じ。(試合前の雰囲気は?)すごく良くて、練習からみんなでやっていけた。(早大と)試合をしていて感じたのは、『やっぱり甘くないな』ということ。連覇のプレッシャーがある中練習や試合を積み重ねてきているので、自分たちももっとプレッシャーをかけながらやっていかないと、そこの差は埋まらない。(3位決定戦について)勝って帰るしかない。けど、リーグでやったときも簡単には勝てていない。姫大と同じくらい手ごわい。相手も今日ダブルスで、亜大との接戦を勝っているので、状態は上がってきている。そこで自分たちの力が出せれば絶対勝てるので、明日は最後までやり切るだけ。お互い手の内を分かっているというか、向こうも研究していると思う。もう一回自分たちで話し合って、明日それが出せたらいい」