【ハンドボール】3年ぶり王者食いならず。

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◇平成30年度関西学生秋季リーグ戦最終節◇対大体大◇関西福祉科学大学◇

【前半】関大15-16大体大
【後半】関大11-12大体大
【試合終了】関大26-28大体大

2015年ぶりの夢、かなわず。柏原(かしわら)の地で、絶対王者・大体大との頂上決戦に全勝で臨んだ関大ハンド。王者が連覇のプレッシャーで苦しむ中、終始笑顔を絶やさず主導権を握っていたが、勝利の女神は試合時間残り5分で関大サイドから姿を消した。

開始直後から関大がペースをつかんでいた。相手ボールから始まった試合だが、その数秒後放たれたシュートを酒井一成主将(人4)が迷いなく阻止。そして、8番・池本佑也(社3)、18番・栗栖昇己(文2)、7番・下柳裕嵩(文3)でパスを繋ぎ、栗栖が豪快に先制点を上げる。笑顔が輝く関大に、この時点では「優勝」の2文字が見えていた。

前半12分45秒で関大9点、大体大7点。エース・重岡慶紀(文4)の精密なシュートと、守護神・酒井の安定したキーピングが光り、少なくもリードを奪っていた。負けじと相手も連続で4点を取り返す。そんな中でも「もう一回!もう一回!」と、主将の口からはこの日も変わらずそう発せられた。

17分には10番・豊田海太(経4)がリバウンドをすかさずシュートし、10点目。その25秒後には19番・栗原大輔(人4)が右サイドからフェイクを交えて巧妙に相手をかわし、11点目を決める。しかし、そこから相手に速攻や高速オフェンスで3連続得点を許してしまい、再度主導権を奪われかける。ここで関大はT.Oをとり、「ミスが目立っていた」と中川晶幸監督はチームを叱咤(しった)。一瞬弱気になっていた選手たちは、指揮官の言葉でマインドを改め、コートへと戻った。その30秒後、栗栖がゴールを揺らし叫び声をあげると、同時にベンチ、応援席も拳を突き上げる。前半残り4分では、ベンチからも主将と同じく「もう一回」の声が。チーム一丸となって食らいつき、関大が1点を追いかけるスコアで、前半終了のブザーは鳴り響いた。5季連続で王座に座っていた大体大を焦らせ、追い詰めていた。

下柳、栗栖の手から始まった勝負の後半。1点差をついに逆転したのは、後半開始8分後だった。18-18の同点の場面で栗栖のパスから重岡が相手をかわし、王座の椅子に座ろうとする相手を引きずり下ろす。盛り上がる関大、静まり返る大体大。その後も、ミスでシーソーゲームを招いたがディフェンスは要所を締め、関大はリードを保ったまま試合終了のブザーを待っていた。

後半26分35秒。王者についに意地を見せられる。それまでシュートを放たれても、守護神の好セーブや粘りのあるディフェンスで得点を阻止してきた関大だったが、相手はその一枚上手(うわて)だった。動きを読まれ、かわされて得点を決められる。状況は一転、盛り上がる大体大、静まり返る関大。27分に2点差をつけられた時点で最後のT.Oをとった。「追い詰められていた」(中川監督)。指揮官、主将の言葉で、目前の3年ぶりの栄冠めがけ、残り3分。心を再度1つにしたはずだった。

しかし、女神は微笑まず。後半残り2分で池本が速攻を見せるが、日本代表ゴールキーパーの好セーブに阻まれ、わずかな希望もねじ伏せられてしまう。最後、栗栖が執念で26点目を決めるも、手は届かず。リーグ王者の名はまたしても大体大に渡すこととなった。

「楽しんでいく」(中川監督)。相手がこの関西で負け知らずなど、関係なかった。今季課題だったディフェンスは、最終戦、指揮官を唸らせるほどに克服。しかし、一つ乗り越えた先で敗戦の原因とも言えるシュート決定率の新たな課題も浮上した。しかし、このチームにはまだ大舞台が残されている。11月のインカレだ。全国でさらなる高みを目指し、関大ハンドは大海原に乗り出す。【文:中西愛/写真:柴村直宏】

△優秀選手賞を受賞した酒井(左)と重岡

▼中川監督
「(最終戦どう臨んだか)優勝がかかるところでやらせてもらえるというのは、ものすごくいい舞台でやらせてもらえるということ。だからしっかりとした試合やって、なによりも楽しんでいきましょう!というのを強調して言いました。(振り返って)悔しいね。勝てる可能性もあったからね、今日は。追い詰めたからね。でも、ベンチ盛り上がってましたよ。(酒井について)すごかったね。チーム引っ張ってくれて本当にありがとうという感じやね。(後半、23分の同点に追いつかれた直後のT.Oについて)あそこで、こっからが勝負やと。今までで続けたことをやらないかんよ、というのを言いました。その直後、点を取ったんですけどね(苦笑)王者立ちはだかったね。さすがやわぁ、さすが日の丸つけとるわぁ。(27分、再度逆転された場面でのT.Oについて)あそこはね、こっちは追い詰められとったね。シュート外しまくったからね。あそこですよ。最後の5分が勝負だった。(インカレに向けて)あと1カ月、これほどの試合ができたのだから、しっかり練習し直して、インカレに向けて頑張りましょうと。今週の土曜日に組み合わせも決まるし。シュート決めるようにならないかんね。しっかりやります」

▼酒井主将
「今日の試合は正直勝てた試合ですし、悔しいのは悔しいですけど、インカレに向けて個々が足りないところをしっかり自覚してもらえれば、いいと思うので。リーグ優勝は来年、期待したいと思います。秋リーグ全体としては、8勝1敗ということで、勝ち癖ついてると思うので、インカレでも勝っていけるようにがんばりたい。(前半のT.Oについて)戦術の徹底を主に声掛けして、簡単にやられないようにオフェンスもディフェンスもしようと、常に言っていました。(後半の2度のT.Oについて)流れが乗っているときがあればしっかりいいところ声掛け合って、流れが悪ければ反省点とかみんなで話し合って。そういうタイムアウトというのはいい場面で使えたと思います。(負けた直後は?)悔しかった。大体大というのは関西中でもトップレベルなチームなことには変わりないですし、そういうチームとむしろこっちがゲーム運びをしてたので、やっぱりそういうところは悔しさが1番でした。し、さすがだなっていう気持ちもありました。またもう1回頑張らないとなと、そう思いました。(優秀選手賞について)素直にうれしいですし、優秀選手賞もらえたことをしっかりこれからも精進してやっていきたいです。(何度も声掛けをしていたが?)そういうスタイルの選手だと思っているので。キャプテンとして、ゴールキーパーとして、声を掛けるのが1つの仕事だと思っているので。そこは、自分の持ち味じゃないですけど、やるべきことだと思っているので、これからもやっていきたいと思っています。(インカレに向けて)チームとしてまだまだ甘い部分というのも多くありますし、この試合をどんな風に感じてくれたのか、各選手によって違うと思いますけど、どこかで悔しい気持ちというのは必ずあると思うので、そこをしっかりと忘れずに。あと一か月ぐらいですけど、インカレの組み合わせももう少ししたら出ますし、いい準備をしてインカレに行きたいなと思います」

▼重岡
「第一に勝てた試合やなと思いました。勝ち切れなかったのは、自分たちの弱い部分なので全日本インカレまでに修正しないといけない。僕達はチャレンジャーで失う物はなにもないので、がむしゃらに戦うということしか考えていなかった。ディフェンスはある程度型にはまったけれ、ミスが多かったので速攻を決められることがあったかなと。でも、今日は60分通して濃かった。この試合は内容はこのリーグ戦を通して一番良かったので、印象的だったし、去年の良いところを引き継いで楽しくやれた。ディフェンスから速攻という関大らしさが出てたと思う。試合には1年生から出させてもらっているけれど、4年生で引っ張る立場になったので、チームを引っ張るという気持ちで試合をやっていた。全日本インカレまであと1カ月、どれだけできるかわからないけれど、ひとつひとつ課題を潰していきたい。今年はベスト4を目指したい」

▼下柳
「自分としては、悪くはない試合かなと。でも、要所要所で点を決めるとか、守り切るとかができなかったから、最終的に負けてしまった。今年は全勝できそうだったが…。インカレに向けて、という感じですかね。今回の課題とかを全部考えて、自分の課題が一線とか相手が一線ディフェンス引いてきたときに、裏でどうもらったいいかとか。今日は全然もらえなかったので、日体のディフェンスだったら、全然動けたりとか自分の良さ発揮したんですけど、一線とかなったときの、動き方。上との関係性とかもポストが一番関係が強いので、上の動きを殺すのもポスト次第だったりするので、上を生かすようにどう動けばいいかっていうのが次の課題ですかね。(インカレの目標は?)ベスト4ですね。(インカレに向かて)とりあえず自分肘けがしているので、一週間は休んだ後、ほかの子のプレーとか見て自分も参考にして、自分が動き始めたときに、その参考を生かして動ければいいかなと思っています。今回ポジションチェンジをしたので、フローターからポストに。ポストの経験が浅いので、ポストやってた子らのプレー見てやっていけたらなぁと思っています」