【漕艇】第95代「結」終幕

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◇第45回全日本大学競漕選手権大会◇9月6〜9日◇於・戸田ボートコース◇

【男子舵手付きペア】
5着 8:11.02
【女子舵手付きクォドルプル】
5着 7:37.31
[敗者復活]
【男子エイト】
3着 6:26.05
【男子舵手付きペア】
5着 8:11.40
【女子舵手付きクォドルプル】
2着 7:41.79

第95代最後の4日間が終わった。関大漕艇部にとって集大成の全日本インカレ。「全クルー最終日」の目標のもと、選手たちは大会に挑み、最後までどん欲に艇を漕ぎ続けた。しかし、関東勢をはじめとする強豪校に力及ばずで全クルーが敗者復活レースで敗退が決まった。

聖地・戸田でのインカレ。早大、日大、明大など強豪校がひしめく中、関大からは久しく出場していなかった男子エイト、女子舵手付きクォドルプル、男子舵手付きペアが出漕した。

はじめに行われたのは、関西選手権においてダブルスカルで悲願の優勝を成し遂げた、山本昌奈(文4)と森千聖(外4)に加え山本千咲(文3)、三木まりの(法2)そしてCOX伊藤愛梨(商3)で編成された女子舵手付きクォドルプルと松田恭亮(人4)、松崎哲史主将(経4)、大森晃司副将(経4)、岡田孟志(経3)、今井健太(シス理3)、山田悠光(文2)、成田智貴(商2)、加納劍武(経2)、COX上野祐輔副将(法4)のエイトの2クルーの予選だった。

△女子舵手付きクォドルプル

「艇全体が固い感じがして、それは戸田の空気とアップもうまくいかないという状況で、みんなが焦ってしまって、やってはいけない自分たちの悪い部分が出てしまうレースだった」と山本昌が振り返るように、女子舵手付きクォドルプルは漕ぎが重い状態が続いた。スパートでは少し前の金沢大に続き、スパートで名大と競り合うもレートが上がり切らず5艇中5着でのフィニッシュ。

△男子エイト
そして、エイトもスタートは好調だったが、レートが落ちてしまい終盤での加速がかなわず5着で初戦を終えた。

両艇ともに最終日への希望は2日目の敗者復活に託された。

2日目、山根貴之(シス理2)、和久井紀彦(シス理3)、COX川崎登夢(経3)が乗り込む男子舵手付きペアの予選。この種目自体の出艇数は少ないものの、このレースの組み合わせは早大、仙台大、明大など強者ぞろい。

△男子舵手付きペア
2人で漕ぐスイープ競技となり、漕艇でももっとも厳しい種目と呼ばれるのが舵手付きペアだ。和久井、山根ともに最後まで粘り続けるも、予選は5位。3人は3日目の敗者復活へと回った。

その後は女子クォドルプルとエイトが敗者復活レースに臨んだ。4年生クルーのインカレ最終日への最後の希望。はじめにレースに挑んだのはクォドルプルだった。「昨日から自分たちの持ち味を出せていないことは全員気づいていたので、それを出し切れる状態にしようとしたのと、アップの仕方もコーチに教えてもらって、スムーズに行うことを大切にしたんで、レースに入る前には良い状態では入れたんじゃないかな」(山本昌)。レースはスタートからコンスタントに移り変わり、1000㍍地点を通過したとき、5人の艇は山梨大医学部のクルーのリードをわずかに奪っていた。「最終日行けるんや」。だが、そのまま艇はコースの終盤に差し掛かると状況は一変。山梨大医学部が追い上げを見せ、関大を襲いかかった。岸からはチームメイトの5人を励ます声が背中を押すも、わずかに差されてしまい山梨大医学部の後に続いてゴールに滑り込んだ。


△女子舵手付きクォドルプル

その瞬間、山本昌を除くクルーは思わず涙を抑えきれず、喜ぶ山梨大医学部と対照的に、うつむいたままだった。「みんな泣いていたけど、自分は涙が出なくて、何が起こったのかわからなかった」(山本昌)。続いてエイトの敗者復活。順位決定は2着、決勝へは1着でのゴールが条件となった。迎えた発艇時刻。関大は早大にら離されながらも京大と競り合いを展開。だが、艇がゴールへと向かい続ける中、京大との差は縮まらず苦しい状態が続いた。エイトもクォドルプルと同じく、わずか一歩足りず3着でフィニッシュ。

△男子エイト

「終わった」(上野)。敗退が決まり、クルーは艇の上で大きく崩れ込んだ。

4年生クルーが戸田での戦いに敗れ、残された希望は男子舵手付きペアの敗者復活のみとなった。終盤慶大クルーからわずかにリードを奪い、東大との戦ったが、「1000㍍を超えたところから風が強いのもあって、それで煽られたのとばてたというので落ちてしまい、隣の艇に差されることになってしまった」(和久井)。東大、慶大が最後の追い上げを始め、順位が落ちた。フィニッシュした瞬間、山根の悔しさがにじみ出た咆哮が響いた。

△男子舵手付きペア

これで全クルーの予選敗退となったが、「最下位で終わったけれども、逃げることなく攻めの形でレースを展開できた」。試合後のクルーの顔には後悔する表情は浮かばなかった。

結果が振るわず、悔しさが残った集大成の大会・インカレ。朝日レガッタ、関西選手権を経て確実なレベルアップをかなえたが、強豪・関東勢には力の差を見せつけられた。大会後、「ここで味わった悔しい思い出というのは、絶対に糧になったと思う」と松田。

また、ほとんどの4年生部員はこの大会をもって引退となるが、この代は近年の低迷状態を打破する大きな起爆剤となったと言えよう。「徐々に自分もチームも成長している感じはあったからそれを感じれたのは楽しかったし、チームのレベルも自分が入学したときよりも上がった」と松﨑は4年間のボート人生を振り返った。関大漕艇部は第95代「結」から新世代へ。「感謝の気持ちを持って、インカレ最終日と『打倒・関東勢』をしっかり目指してほしい」と上野は最後に後輩への思いを残した。来年は新世代が最上級生の思いに確実に応える。【文/写真:柴村直宏】

▼男子エイト・松﨑主将
ふ「(インカレが終わったけれども)気持ちは今までの大会とは変わらない。でも、悔しくて泣くというよりは普通に単純にもっと漕ぎたいなという気持ちかな。予選と比べて大分攻めていた。今日は風が強くて、レートが何度も落ちそうになったけれども、COXがその度にコールをかけて、レートを戻していた。風が強い中でも、(ローヤーは)コールに反応できていて、レートをキープできていたからレースとしては良かったとは思うし、今のエイトの力は出し切れたかなと思う。ただ、早大は強かった。(今まで3年半を振り返って)楽しかったよ。1年生から艇に乗せてもらっていて、関大では上のクルーだったけれども、関西では負けていた。けれども、徐々に自分もチームも成長している感じはあったからそれを感じれたのは楽しかったし、チームのレベルも自分が入学したときよりも上がった。でも、自分が主将として過ごした1年間は意思を貫きたかったとは思う。今年の同大を見たらわかるとは思うけれど、昨年のインカレは今年みたいに結果を残していなくて、単純にメンバーがそろってようやくレベルに達した感じで、櫻間がシングルで去年は優勝していたりしていて、それは関西の人たちは関東との差を感じている。それを払しょくできたのは同大。俺がもうちょっと強くなって、そういう存在になれたらよかったけれども、そこが怪我したりだとか自分の気持ちの浮き沈みもあって決めたことをやり切れなかったのは後悔かな。なかなかチームになり切れてない感じがあるから温度差があるけれど、チームだったら「一緒に頑張ろう」といえるような存在に後輩たちがなってほしい」
▼男子エイト・COX上野副将
「関西選手権が終わって、同じメンバーで(インカレ最終日を)目指していくということで挑ましてもらった7年ぶりのエイト。1人メンバーが諸事情により交代することになったが、目指していた形は変わらないまま戸田に乗り込んだ。けれども、レースが始まると感と税が強いということを、引退を迎えるけれども改めて感じさせられた。それが一番の印象。1段階も、2段階も上ということを思い知らされた。久しぶりに(インカレに)エイトで挑ませてもらって、結果はついてはこなかったけれども2年生が主体ということもあり今後につなぐことができたのかな。来年以降は何年ぶりとか言うことなく毎年エイトで出させてもらうという意識のもと、インカレ最終日、『打倒・関東勢』を後輩たちには頑張ってほしい。スタートでは早大にも出た感じだったけど、スパートで出られて、コンスタントであまり差が縮まち切らなかった。第1Qで早大、京大、うちが続いていた。やっぱり目標としていた最終日には早大を倒さないといけなかったから、(関西選手権で負けた)京大に負けたということには悔しさはないかな。(フィニッシュしたときは)終わったという感じだった。僕も。大学からボートを初めて、ローヤー(漕手)を1年、COXを2年半してきた。妥協せず練習することを持ち味に、全力で毎回やってきてて、涙が止まらず4年間のことをずっと思い出していた。(後輩へは?)インカレへ出させてもらえる感謝というのは忘れないでほしい。お金さえ出せば出ることはできるけど、エイトで出させてもらえるのは7年ぶりで、これは後輩のためにもなったと思うし、自分も良い経験にもなったし、これを続けて行ってほしいというか、感謝の気持ちを持って、インカレと『打倒・関東勢』をしっかり目指してほしいかな」
▼女子舵手付きクォドルプル・山本昌女子クルーリーダー
「この1年間の集大成でした。4年間じゃなくて1年間。(インカレまで)関西選手権のあとからは状況はあまり変わることはなかった。けれども、あれからクルーの良いところを見つけて、ポジティブに考えようと思って、それをずっとCOXの伊藤と話し合いながらやってきて、あんまりマイナスなこと言うよりもポジティブに行く方が調子を上げた方がいいなと思ったので、そういうところを大事にしていった。そういう感じで3週間やってきて、みんなが意見を言えるようになったと思う。そこは良かったのではないかな。(予選は)艇全体が固い感じがして、それは戸田の空気とアップもうまくいかないという状況で、みんなが焦ってしまって、やってはいけない自分たちの悪い部分が出てしまうレースだった。タイムも遅いし、良いレースではなくて多分みんなの気持ちも沈んじゃったんじゃないかなと思う。敗者復活は自分が沈んでしまっていても、みんなには良い影響は与えることはないなと考えて気持ちの切り替えを大事にした。(レース前の調子は)昨日から自分たちの持ち味を出せていないことは全員気づいていたので、それを出し切れる状態にしようとしたのと、アップの仕方もコーチに教えてもらって、スムーズに行うことを大切にしたんで、レースに入る前には良い状態では入れたんじゃないかな。(敗者復活は)負けるような相手ではなくて、勝ちたいとは思っていたけれど1000㍍で出て、「最終日行けるんや」と思っていたけれども、そこからが甘くなってしまってゴールしたときは、みんな泣いていたけど、自分は涙が出なくて、何が起こったのかわからなかった」
▼男子エイト・松田
「本当に1番の印象としては、関大の実力では強豪校には足元に及ばなかったこと。自分たちも関西選手権が終わって、良い波に乗りながら練習ができていたので、「もしかしたら勝てるかもしれない」という期待のもと挑んだけど、そこは打ち砕かれた。僕は整調で漕ぐリズムを作るポジションだったけれど、スパート入ったところで『リラックス』を意識やシートのフォワードの意識であったり、キャッチのエントリーの素早さ、いかに艇を速く進めかということだけを考えていた。そこは、しっかり体現しようとしていた。それぐらい。(フィニッシュしたときは)終わった、あかんかったなという気持ちと、ボートの競技生活はこれで終わったんだなと思った。高校から7年間ずっと続けてきて、、いろんなことをそのときに思い出した。ここで味わった悔しい思い出というのは、絶対に糧になったと思うし、その思いはプラスの働きをすると思うけど、こういう思い出っていのは時が経つにつれて結局忘れていから、本当の気持ちというのは忘れがちになってしまうからそこを絶対にぶらさずにしっかりやっていってほしい。そうすれば、結果もついてくるし、過程も充実してくると思う」
▼男子舵手付きペア・和久井
「(舵手付きペアは)出艇数が少なくて、最終日に一番近かったのではないかなと思っていた。8クルーしか上がれないけれど、タイム的にも上がれるか上がれるかギリギリというところで予選も6艇中5位で、今日も3着以内に入らないと上がれないという状況だったので初めから上げていくことを意識してレースに臨んだ。結果は最下位で終わったけれども、逃げることなく攻めの形でレースを展開できた。やりきることはできた。満足することができるレースだった。(スパートで落ちてしまったが?)レートは500~700㍍地点まで2枚ぐらい多く漕いでいたけど、ばてることはなかったけれども。(加古川レガッタに向けて)まだクルーは決まってないけど、3年生が2年生と一緒に艇に乗ることになるので、エイトで出るかフォアで出るかまだわからないけれど、最上級生として漕ぎとか練習への態度を後輩に見せて引っ張っていければいいかな」