【コラム】チャレンジリーグ企画④~Next Player 香川麗爾・久保田拓真~

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春季チャレンジリーグで活躍した選手を取り上げるこの企画。第4弾は香川麗爾選手(文1)・久保田拓真選手(社1)です。

ーお2人は中学の時チームが同じだったと伺ったのですが、仲は良い方ですか?
香川・久保田(以下、香・久) はい。
香 仲は良いです。

ーどんな2人?
久 よく晩ご飯行きます。…よく晩ご行きます(笑)。

ーお互いの第一印象はどうでしたか?
久 怖いなあ…。
香 (久保田は)こんな身長でかくなかった。150くらいやったやんな。
久 そんなわけない(笑)。
香 160くらい?
久 170はあった!
香 会ったときやで?絶対嘘や。俺の方がでかかったもん。なんか、大人しいなってイメージ。

ー今は?
久 変わってないです。無口なんで。
香 こんな感じで明るいんで、もう大人しくはないですね。

ーいつもどんな話をされるんですか?
香 …世間話とか?そんな野球の話とかしないです。あんまり。

ーどうして野球を始めたんですか?
久 父親の影響ですかね。父が高校まで野球してて、そっからソフトボールして、それを見に行くようになって。それがきっかけではあるかも。
香 自分は周りにサッカー部しかなくて。最初サッカーやりたいって言ってて。でも父親から、「サッカーやるんやったら見に行かへんぞ」みたいに言われて(笑)。「ルールわからんし、野球やったら見に行くで」って。でもその時は野球っていうスポーツすら知らなかった。でも、気付いたらバット持ってボール握って。その時から体は大きかったし、すごい楽しかったんで続けれました。

ー中学はバッテリー?
久 僕はベンチで、こいつはエースでした。

ー久保田選手から見て香川選手はどんなピッチャーでしたか?
久 負けず嫌いな性格なんで。頼もしいっていうか、ピンチになったら強気に来てくれるのが取り柄かなと(笑)。
香 取り柄(笑)。

ー香川選手から見た、キャッチャー久保田選手は?
香 僕はリード面は久保田に任せてます。投手戦になったら守備の時間を短く、攻撃の時間を長くっていうのが自分の中であって、だからテンポよく投げて行きたい。久保田にもそれを言ってるから、僕はあんまり試合では首を振らないです。だいたい自分と投げたい球が合うし。

ーでは結構息の合う2人ですね。
香 まあ(笑)。

ー中学(神戸中央シニア)はどのくらいの人数でしたか?
香 1学年25人くらいです。

ーその時から香川選手はずっと強気な感じですか?
久 そうですね。負けず嫌いっていうのは全然変わらないです。

ー自覚はありますか?
香 負けず嫌い…、まあ(笑)。負けたら面白くないんで。何も。

ー大学で再会して、お互い変わったなと思うところはありますか?
香 キャッチングとかを高校でやってきてくれてるので、あまり試合で組んだことはないですけど、リード面も全然悪くないし、むしろ良い方。そういうところは成長したかなと。
久 えー、ありがとうございます(笑)。香川は、投げる球やったりコントロール。中学校の時と比べてすごく良くなったなと思います。

ー高校時代もよく会っていたんですか?
香 高校時代の監督同士が交流があったのもあって、練習試合とか定期戦とかやってたんで。国体と甲子園で会ってるよな。
久 うん。

ー会うところがかっこいいですね。

ー甲子園で他のチームが試合している時はずっと練習してるんですか?
香 僕は大阪だったんで、1回自分らのグラウンド帰って、3時くらいまで練習して。そっから寮のお風呂入って、そっからまたバスで宿舎戻るみたいな感じでした。地元だと、自分の地の利を生かせるので。
久 僕らは監督が顔が広かったので、大学とか他のバッティングセンターとか借りて練習してました。

ー調整以外にすることは?
久 僕は宿舎で寝てました(笑)。(桐蔭は)ずっと練習?
香 ずっと練習。監督が練習がめっちゃ大事っていう考えで。できるだけ大会期間中も、パフォーマンス落としたくないからっていうので、ちょっとメニューは落ちるけど練習をコンパクトにやるっていう感じ。夏とかは暑いんで、そっちで体力消耗するから、コンパクトにやった方が効率も良いし。

ー国体(えひめ国体)では直接対戦しましたか?
久 俺らの試合では投げてないよな。
香 うん。直接対決はしてないな。

ー国体出場の条件は何ですか?
香 (甲子園)ベスト8以上と…。
久 地域性。
香 あと何やっけ…。人気とか、高野連からの推薦とか。甲子園初出場とか、そこで良い試合した、とか。
久 津田学園は東海勢で唯一、(甲子園で)1勝して、しかも初出場やったんでそれで多分(選ばれた)。

ー高校と大学で違うところは?
香 高校ではやらされてるなっていうところもありました。言われてやるから、ある程度は伸びますけど、そこから自分でやろうっていうのはなかったです。でも大学は自分で考えてやらないとダメなのでやらないと伸びない。そういうところの違いですかね。
久 僕はあんま変わってないですね。高校の時もやらされるっていうか自主的に動いて考えて練習するみたいな感じやったんで、大学でも似たような感じで。あんまり変わったなっていう感じはない。

ー練習は好きですか?
久 暑くなかったら。
香 僕も…暑くなかったら。はい。

ー今の時期は?
香・久 最悪です(笑)。

ー高校独自の練習はありましたか?
久 僕らの1個下なんですけど、プロ野球でもやってるリズムトレーニングっていう、音楽に合わせてアップする練習。なんか説明しにくいな(笑)。独自っていうか流行りを取り入れたっていうか…最先端(笑)?
香 5、6月くらいの夏場に追い込みがありました。グラコン着て、中に冬場に着るような風通さないアンダー着て、グラウンド10周して、アップして、ダッシュ系して、ランして、マスク付けて競争して…。勝つために。夏は暑いからそれ以上暑くしたらいける、みたいな(笑)。

ー誰も脱落しないんですか?
香 しないですね。冬場もほんまにめちゃめちゃ走って、根性論みたいな感じ。それがあってセンバツ優勝出来たところはあります。そんなにやってて甲子園行かれへんかったらほんまにアホらしいから、意地でも絶対行かなあかんって。僕らの代は、1夏も2夏も行けなくて。3年生でも行かれへんかったら何しに桐蔭来とんねんって感じ。最後の年は絶対出るっていうのがもう条件みたいなもんでした。

ー印象に残っている試合は?
久 甲子園決まった試合です。甲子園行けないと思ってたから、行けんのかなあみたいな感じで、夏大も入った。高校球児=甲子園行くみたいな夢があるじゃないですか。行けて甲子園で試合した時は、その夢が叶ったなって。あんまり現実味がなかった。甲子園は全然違いました。声援とかとか迫力とか。

ー緊張しました?
久 僕はあんまり。どちらかというと楽しかったです。

ー香川選手は?
香 優勝した時のセンバツの2回戦。初回に6点とったんですけど、裏に1個下が投げてて、荒れて6対6になって。乱打戦なって。11対9で勝ったんですけど、でもそれに勝ったからどこも負けへんやろって。自信が付いてそのまま優勝出来た。大阪対決(対履正社高)で。

ー履正社とは練習試合をやったり?
香 履正社とは絶対やらないです。大阪内で手の内を見せるようなことは多分しないんじゃないかな。

ー履正社には特別な意識があるんですか?
香 履正社だけには絶対負けられへん、みたいな。こんだけやってて履正社に負けたらもう桐蔭に来た意味はないっていうか。だから絶対負けられへんて思ってました。

ーそういう強いライバル意識を持った高校はありましたか?
久 ないです(笑)。

ー温度差が良い感じですね。
久 多分全然違いますよ。僕らは練習はきつくなかった。多分甲子園出た中で片方の手に入るくらい(笑)。

ー効率良くってことですか?
久 監督も量より質っていう感じ。そんなに桐蔭みたいなきついことは…。監督がPL出身で、きついのを経験してきたからこそみたいな。

ー練習は何時間くらいでしたか?
久 平日は午後4時から6時半とかで、それから自主練。土日も朝8時集合で、4時終わり。それから自主練です。
香 学校終わる午後3時くらいからスタートで、10時くらいまでですかね。土日は9時から夜の6時くらいまで。

ー桐蔭は寮なんですよね?
香 そうです。家が見えてろうがどれだけ近かろうが。野球部は全員強制寮。

ー学校によって全然違いますね。
久 そうですね。もし生まれ変わって桐蔭行くかって言われたら絶対行きません(笑)。

ー津田(学園高)も寮?
久 遠かったら寮ですね。僕は寮でした。

ー(津田学園高は)1年生がご飯を作ると聞きました。
久 1年生がご飯作るんですけど、でも2、3年生も作ります。寮もほんま自由なんで。好きなもの食べたいなと思ったら、冷蔵庫に色々入ってるんでそれで料理したり。

ー楽しそうですね。
久 そうですね。ワイワイって。
香 僕らも寮は楽しかったです。みんなうるさいんで、面白かった。家族と会うより、野球部と会う方が絶対多い。24時間一緒におるから、家族みたいな感じ。

ー高校に戻れると言われたら?
香 … 現金で3億置いてくれるなら考えます。
久 僕は無料で戻りますよ!(笑)

ー大学に来て、違いにびっくりしたことはありますか?
香 初めて練習試合を見たときに、グラウンドからスタンドと喋ったりとか、ちょっと衝撃でした(笑)。
夏大とかの応援は3年生がやってて、面白い応援やから笑ってしまうんですよ。でも笑ったあかん。応援見たいけど見れへん、笑われへん…(笑)。

ー今の練習と高校の練習、どちらが自分に合ってると思いますか?
香 どっちとも言えないですね。違いすぎて。でも高校は3年間確実にちゃんとやれば上手くなるけど、こっちは自分でやらなダメ。考えてやらなダメなんで。やらされてる方が楽っていう部分もありますし。
久 僕はどっちも(内容が)そんなに変わらないです。

ー大学の試合に出て見ての違いは何か感じましたか?
久 投手戦になることが多いことですかね。

ー投手戦は好きですか?
久 キャッチャーなんでプレッシャーとか感じたりしますけど、でも配球とか楽しいんで、そんなに苦ではないですね。
香 どっちかというと嫌です。自分の中で9イニング投げるなら3点までオッケーと考えてずっと投げてるんで、投手戦になると1点もやれないっていう状況になる。ランナーいたらギア1個あげなあかんていうのがあります。でも基本何も考えてない。ランナー出てから考えるんで、これっていうのはないです。バッターと駆け引きなんで。プレッシャーに強いかは分からないです。

ー香川選手はプレッシャーに強いと思いますか?
久 はい。やっぱりピンチになるほど力出せるピッチャーだと思います。強気にいくことができる。ピンチに強いと普段通りの球が投げれるんで、キャッチャーとしても計算しやすいですし。

ー今までで1番緊張した試合は?
久 三重県大会の決勝。優勝決まる2アウトからめっちゃ緊張しました。3アウト目のフライ落としてランナー二塁なって。スリーボールからヒット打たれて。流れが悪い中でやって行かなあかんくなって、ピッチャーは投げるのも怖いし、打たれると負けるなって。

ー勝った時はどんな気持ちでしたか?
久 感無量。泣いてましたかね。でもあんまり覚えてないです。また次も試合あるんかなって。優勝した感じはしなかったです。
香 僕は大阪大会の決勝です。9回10対2。守ったら勝ち。でも、雰囲気は悪くないのに、向こうの底力っていうか。急に打たれ出した。1点、2点やったらまだいいんですけど、打ち取るべきボールも全部落ちて、結局10対8なって。最後相手のミスショットを、守備固めに入ってたサードがさばいて勝ったんですけど、それが今までの試合で1番怖かった。あとアウト3つやのにこんだけ遠いんかって。

ーまだ大学ではそういう場面には遭遇してないですか?
香 チャレンジリーグ投げただけだからまだ全然わからないですけど、大学では木のバットなので、芯がずれてても飛ぶ、ってことはない。ちゃんとコースとした球投げてたら連打は食らわないから。ランナー3塁にいてもいないようなもん。
久 大学野球はあんまり緊張しなくていいですね。のびのびと(笑)。

ー全然緊張しない方なんですか?
久 入試とかめっちゃ緊張したけど、野球ではあんまり。(緊張したのは)僕が2年生の時の大会くらいです。先輩の夏を終わらしたあかんなって。

ー緊張しても顔に出なさそうですね。
久 でも僕よく「笑ってるね」とか言われるんです。ボーっとする癖はありますね。
香 僕は(顔に)出ます。

ーちなみに長期オフは何をしましたか?
久 高校の練習に行って。授業は普通にあったんで授業しっかり出て。学生を満喫しました。
香 練習は2日に1回やってました。あと、桐蔭に行って刺激もらいに行きました。大学でもあいつらに負けずに頑張ろうって。

ー心は休んでないですね!
香 いや家ではオフモードです。一人の時間が好きなんで、そっとしておいてほしい(笑)。
久 僕も一人の時間は好きです(笑)。外にいたら遊びに行こってなりますけど、家にいるときは遮断。

ープレー面でのご自身のアピールポイントは?
久 肩が強いところ。
香 俺、なんやろ…何?
久 強気!
香 あ、そうですね。それで(笑)。

ー憧れの先輩はいますか?
久 高校の監督ですかね。よく怒られて人間性を更生してくれた。そういう人になれたらいいなとは思いますね。
香 菅野選手(菅野智之=現読売ジャイアンツ)と則本選手(則本昂大=現楽天イーグルス)です。ピッチングがすごく好きで。最近は動画見たりとかして、拾えるもんあったら拾う。ああいうザ・エースっていう感じにやっぱりなりたい。ベンチに5人いても、マウンドには1人しか立てないですから。

ー関大の中では?
香 山本さん(山本隆広=人4)です。野球に取り組む姿勢がめちゃめちゃすごくて。真似したいけどストイックすぎて真似できないですね。自分で考えて練習メニューやって、チームとしてのメニューとそれプラスα自分のメニューをこなしてはる。難しいですけどそういうところを真似していきたいです。
久 キャッチャーの先輩方には指導してもらってます。高校と大学のプレーでは変わってくるので、大学のためのプレーを。高校までは基礎で大学からは応用。基礎をしっかりして応用につなげていけたらなと。

ー今後の目標を教えてください。
久 レギュラーで出れるようになって1回でも全国に出て優勝したいです。
香 まずベンチ入り。3、4年生くらいでは、「大事な試合は香川」って言われるような存在になりたいです。

ーお互いに関しては何かありますか?
久 うちのエースになってほしいです。
香 あとボディストップだけ頑張ってくれれば文句ないです。
久 はい…。
香 それをしっかり時間取ってやっていってほしいです。
久 わかりました…!(笑)。

ーありがとうございました!

【取材/構成:松山奈央、高木満里絵】

◆香川麗爾(かがわ・れいじ)
1999年(平11)10月18日生まれ、大阪桐蔭高出身。174㌢、80㌔。右投右打。ポジションは投手。好きなプロ野球選手は則本昂大(現楽天)。

◆久保田拓真(くぼた・たくま)1999年(平11)8月13日生まれ、津田学園高出身。182㌢、82㌔。右投右打。ポジションは捕手。趣味は映画鑑賞。