【準硬式野球】届かなかった1点 北野準硬、幕閉じる

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◇平成30年度関西地区大学トーナメント大会2次予選1回戦◇対京産大◇5月19日◇寝屋川第1野球場◇

関 大 000 000 000=0
京産大 100 000 000=1

(関)北野―庄中
(京)吉井、山下―土井

9回表、ここまで無得点の関大にとって、最後の反撃の機会。1死から6番岸本凌(商4)が死球で出塁すると、続く庄中亮太(政策2)が犠打で2塁へ進める。そして代打で送り出されたのは平井巽(法3)。一打同点のチャンスも、最後は遊ゴロで打ち取られゲームセット。北野準硬の全国への夢はここで途絶えた。

相手のレベルが格段に上がる、全国大会への2次予選。流れをつかみたい関大は、1番高品吉弘(経2)が早速2塁打で出塁し、2番神足京平(法4)の犠打で3塁まで進塁。しかし、相手先発・吉井が得点を許さず、先制点につながらない。


△高品


△神足

関大の先発を託されたのは、エース・北野雅己主将(経4)。「最後は自分が試合に出たい」。そんな強い思いを抱いて、キャプテンは緊張のマウンドへ向かった。これまで課題だった立ち上がり。先頭打者・中林に中堅手の頭上を越える3塁打を浴びると、2番磯野の犠打で早くも失点する。その後もヒットを許すが、守備に助けられながら1失点で初回を終えた。


△北野

北野にピンチが訪れたのは5回裏のことだった。2番磯野と3番西村昴が内野を抜ける中前打を放つ。ランナーを背負った緊張からか、4番上村を四球で歩かせて1死満塁に追い込まれた。大量失点もありえる緊迫の場面。5番高野のゴロを二塁手・藤元椋(文4)が冷静にホームへ送球し、2死とする。そして6番土井をきっちりと三振で斬り、なんとか無傷で切り抜けた。

6回にも京産大打線が関大を襲う。7番河合に右中間への一打を許すと、犠打、失策、四球と悪い流れが続き2死満塁に。しかし北野は取り乱すことなく投球を続ける。3番西村昴を空振り三振で仕留め、この回も無失点で味方の反撃を待つ。

ここまで完封に抑え込まれている関大に、この日最大のチャンスがやって来たのは8回表。代打・吉田翔騎(人4)が悪い流れを断ち切る右方向へのヒットで出塁に成功。高品の犠打、神足の中前打と盗塁で1死二、三塁の得点機を作る。しかし、クリーンアップの村松健太郎(法4)、前田航平(環都3)がまさかの空振り三振に。いつもの勝負強さがまったく生かせず、本塁に手が届かない。


△吉田

打撃の援護に恵まれない中、力投を続ける北野。8回、四球を出しながらも、北野らしい打たせて捕るピッチングで順調にアウトを重ねていく。「あとは任せた、点を取ってくれ」。初回以降はホームを踏ませない圧巻の投球を披露した北野は、感情を爆発させ、マウンド上で思わず涙を見せた。

そして最終回。ここで1点を取れなければ4年生の引退が決定してしまう。大事な局面も、最後まで決定打に欠け、全国への夢はここで途絶えた。

試合後、グラウンドには大粒の涙を流す北野主将の姿。「全国に行けない悔しさより、みんなと野球ができない寂しさがあふれた」。リーグ戦ではなかなか勝利に恵まれない中も、チームとともに成長。全国の予選トーナメントでは圧巻の投球で絶対的エースという立場を示した。プレーと姿勢で関大準硬を導いたキャプテンは誰よりチーム愛にあふれていた。

29人の4年生にとってこの4年間は、楽しいことも苦しいこともあった。多くの部員が口にした「後悔はない」という言葉。試合後の4年生の笑顔がすべてを表していた。北野準硬の思いは後輩に受け継がれた。次の世代が、全国への夢をつなげてくれるに違いない。【文/写真:松山奈央】

▼三浦監督
「関大の勝ちパターンに持っていけなかった。積極的に走塁して、クリーンアップで流れを作るチームだったが、自分たちの形で負けたから、納得のいく負けだった。北野は3塁打から1点を奪われたけど、ピンチで踏ん張れたのは4年間の集大成。チーム北野としてしっかり燃え尽きて戦えた。4回生が悔しい負け方で引退したのを下が見ている。何が必要なのかを追求して、1つ1つのプレーを大切にしてほしい。4回生が頑張ってくれたのを引き継ぐのが後輩の使命。自分も引退だから、もう1回全国に行きたかった。悔いはあるが、リセットしていいチーム作りをしてほしい」

▼北野主将
「試合中に、8回まで投げ切って、『あとはみんなに点を取ってほしい』と感情が爆発して泣いた。不祥事からの野球ができる喜びで、マウンドではこみ上げた。春リーグはなかなか勝てない悔しさがあったが、今日の負けに後悔はない。めちゃくちゃ個性の強い4回生29人で笑い合って、今後はこんな時間はない。野球以外の時間も楽しかった。主将として『プレーや言動で引っ張ろう』と思っていたが、自分にそんな力は無いから、みんなが自分からやってくれた。チームを引っ張れる部員が多く、雰囲気や声出しをみんな率先してやる、モチベーションのあるチームだった。みんなが楽しく野球できる場を作ろう、と勝ち以上に大切なことを楽しくできたと思う。キャプテンとしてこのチームでできて良かった。4年間に後悔はない。誰よりも頑張ってきたつもりだけど、苦しくて弱気になった時期もある。最後は自分が試合に出たい、と思って出させてもらったけど、試合前はプレッシャーがすごくて、でも終わってみたらいつも楽しかった。最高の形で最後を終わらせて、プレーにも野球自体にも後悔はない」

▼白石副将
「明るい子ばかりで楽しくできた。幹部がもう少しまとめられたら、とも思うがいいチームだった。このメンバーで野球をできて良かった。不祥事を乗り越えて、野球ができて、試合にもたくさん出れたのは上出来。悔いはない」

▼神足副将
「大変なことはたくさんあった。自分も成長出来て良い経験になった。活動停止期間はきつかったけど、4年間あっという間で充実した日々だった」

▼太田副将
「自分は野球技術や試合で引っ張るより、決まり事や姿勢で引っ張ってきた。後輩にはそれを大切にしてほしい。野球以外にも学べたことは多かった。きついことも多くて、絆ができた。自分にとって今までのチームで一番仲のいい同期に恵まれた。欠けることなくみんなで終われて良かった」

▼村松
「自分らしくできた。野球ってやっぱり面白いと思えた。自分らしく自由にやり切って、感謝しかない」