【アイススケート】大舞台でベスト更新。宮原SP4位発進

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◇第23回オリンピック冬季競技大会(2018/平昌)◇2月21日◇江陵アイスアリーナ◇

【フィギュアスケート/女子シングルショートプログラム】
4位 宮原知子(文2)75.94

夢見ていた大舞台でも、宮原の繊細で清純なスケートは揺るがなかった。指の先まで心地良い緊張感をまといながら『SAYURI』を演じ切った。

6分間練習から、普段通りだった。最初に氷の感触を確かめるようにスケーティングすると、2回転ループ、3回転ループ…といつも通りの順番でジャンプを確認。観客の歓声は明らかにいつもの試合とは違う熱っぽさを帯びていたが、それに惑わされることはなかった。

宮原の前には、現世界女王・エフゲニア・メドベデワ(OAR=オリンピック・アスリーツ・フロムロシア)がパーフェクトな演技を披露。この時点での世界最高得点をマークする。スタンドからロシアコールが沸き起こる中、濱田美栄コーチと額を合わせて「おまじない」を済ませると、引き締まった表情でスタート位置につく。

演技冒頭は団体戦で回転不足を取られた3回転+3回転の連続ジャンプ。最初のルッツを鋭く着氷すると、トーループも高く上がり綺麗に決まる。異様に高まっていた会場の雰囲気を自分のものにし、そのまま美しいフライングキャメルスピン、足替えのコンビネーションスピンで見る者を魅了。勢いに乗り、3回転ループもきっちりと成功させる。

柔らかさと力強さのメリハリをつけ、単調になることなくステップを刻む。ダブルアクセルも余裕を持って着氷し、最後は毎試合高い評価を受けてきたレイバックスピン。凛とした表情で腕をクロスさせ、演技を締めくくった。

安堵(あんど)の表情でラストポーズを解いた宮原からは、控えめな笑顔がこぼれた。得点が発表されるまでの間、キスアンドクライではどこか不安げな面持ちだったが、アナウンスされた得点は75.94。昨季のISUグランプリファイナルで記録したパーソナルベストを1.3点更新する会心の出来だった。

4年に一度しかない特別な舞台でも、緊張感に負けない演技を見せた。フリーは中一日開け、23日に行われる。全日本選手権大会のときのように、順位など気にならないほどやり切ったと思える演技を。宮原知子だけの『蝶々夫人』を。その美しさに世界が息をのむ瞬間が近づいている。【文/写真:宮西美紅】