【アイススケート】男子Aクラス団体連覇、女子は3位入賞果たす

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◇第90回日本学生氷上選手権大会フィギュア競技◇1月8日◇軽井沢風越公園アイスアリーナ◇

【男子Aクラスフリー】
2位 中村優(しゅう=政策3) 144.17
4位 本田太一(経1) 125.06
【男子Aクラス最終結果】
2位 中村 219.36
4位 本田 194.65
【男子Aクラス団体】
1位 関大 42点
2位 同大 41点
3位 明大 37点
【女子7・8級クラスフリー】
8位 十倉日和(人1) 91.68
14位 髙木優衣(情2) 77.01
16位 安原綾菜(情3) 75.87
【女子7・8級クラス最終結果】
8位 十倉 140.82
13位 安原 121.78
17位 髙木 117.62
【女子7・8級クラス最終結果】
1位 中京大 104点
2位 早大 92点
3位 関大 73点

熱い戦いが繰り広げられた全日本インカレもついに最終日。関大からは男子Aクラスに中村、本田が、女子7・8級クラスに安原、髙木、十倉が出場した。

前日のショートプログラム(SP)の結果により、最終グループでの滑走となった本田と中村。まずは本田が20番滑走として戦いのリンクに立った。大歓声に送り出せられると、冒頭のトリプルアクセル+2回転トーループを成功させ勢いに乗る。しかし、続くトリプルアクセルも決めたところで本田をアクシデントが襲った。音響機材の不調に一瞬音楽が止まる。「ちょっとびっくりしたが、すぐ音楽が始まったのでそのまま続けた」と気丈に振舞ったが、直後のジャンプで転倒。その後は「きつかった」と振り返りながらも、気力でジャンプを乗り切った。自己新をたたき出したSPでは大きなガッツポーズも飛び出したが、この日は「目標の200点に乗せられなくて悔しい所もある」と軽く唇をかんだ。

続いて21番滑走として登場したのは中村。SPでは首位の岩手大・佐藤と約3点差の2位につけ、逆転優勝を射程圏内にとらえ勝負のフリーを迎えた。前半、コンビネーションジャンプを含む2本のトリプルアクセルを決め、2日連続のノーミスの雰囲気を漂わせる。しかし、全日本インカレの魔物はその直後に試練を用意していた。「普段しない失敗」と振り返った3回転ルッツ+3回転トーループでの転倒。「一瞬降りたと思った」だけに口惜しさが増した。しかし、磨き続けてきた表現力はこの日も健在。吸い込まれるような表情に、しなやかな手足の動きで観客を魅了した。

続いて行われたのが女子7・8級クラスだ。前日のSPで21位と出遅れた髙木が2番滑走として先陣を切った。その髙木はけがの影響などもあり本調子ではなかったものの、笑顔を絶やさず全身を使い伸び伸びとしたスケーティングを見せる。目標であった3回転トーループを演技を組み込めなかったこともあり、「演技後は涙が出た」と悔しさをにじませた。だが、「これをバネに全日本を目指したい」と視線は高みを見据えている。

SPの13位の安原は、前日に演技の見どころと語った「かわいらしいステップ」など小柄な体を目いっぱい使い可憐な演技で観客の目線を独り占めにする。ジャンプでのミスは響いたが「比較的落ち着いていて、最後まで諦めなかった」と強い気持ちを持って4分間を戦い抜いた。

関大勢として最後に登場したのはルーキーの十倉。「めっちゃ緊張した」と振り返りながらも、情熱的な演技を見せる。2本目に用意していたジャンプで回転が抜けてしまい、1回転フリップと回転不足になるが、そのほかのジャンプは「クリーン」に着氷する。「途中でパンクしてしまった」と苦笑しながらも、最後まで気力を振り絞り演技を完遂し何度も大きなガッツポーズを見せた。試合後に行われた表彰式では、8位で名前が呼ばれ「びっくりしすぎて叫んじゃった」と心から喜びをかみしめる。また、「今までで1番良かった」と納得の表情だった。

さらに、男子Aクラス団体は2人の出場ながら連覇を果たす。本田は「普段練習させてもらっている関西大学への感謝も持って頑張れたかなと思う」と胸をなでおろした。

そして、表彰会場が最も沸いたのは、女子団体の結果発表だ。1位の中京大、2位の早大に続いて、「3位、関大大学」と告げられると選手権3人娘は飛び上がり抱き合う。悲鳴にも似た歓声が室内にこだまし、織田信成監督も手放しで快挙をたたえた。「うれしい」と全員が口をそろえ、「全員が頑張っていい演技ができた」(安原)、「独特の緊張感の中で、結果を出せて良かった」(髙木)、「緊張もあったが、足を引っ張らなくて良かった」(十倉)。それぞれの言葉から団体に懸けてきた思いがほとばしった。それぞれに課題と収穫があった全日本インカレ。学生フィギュア界最高峰の戦いの中心に関大スケーターの姿があった。【文:嶋健太朗/写真:大島涼太郎】

▼中村
「現状できることはできた。ノーミスならもう6点弱は上がると思うので、小さいミスの積み重ねがった。次回に向けて練習して1つずつつぶしていけたらなと。後半の3回転3回転は一瞬降りたと思ったが、踏ん張れなかった。前半2本トリプルアクセル降りていただけに普段しない失敗をしてしまって痛かった。全体的に演技に入り込めたし、ジャンプも大きな崩れなく滑れて、前回の全日本の反省が生かせた。気持ちもコントロールできていて充実した大会となった。去年は故障もあって演技の難易度も下げていたので、今回は痛い所もなくやれて本当に良かった。次は国体だが、やることは変わらないので練習通りを出せば結果もついてくると思うので、頑張りたい」

▼本田
「ショートに比べると、ジャンプのミスがあって目標の200点に乗せられなくて悔しい所もあるが、全体的にまとまった演技ができた。よく最後まで足が持ってくれた。(途中で音楽が止まり)ちょっとびっくりしたが、すぐ音楽が始まったのでそのまま続けた。気にはなったが、キツさの方が勝っていた。いつもは後半3本が気力だが、今日は前半からキツくて、その中では良く跳んだ方。ショートでノーミスができて収穫だった。フリーも万全ではなかったが成長したところを見せられた。全日本から期間が短くて、年末年始もあって気の緩むところもあったが、中村先輩と一緒に頑張ってきた。普段スケートをしていて団体を意識することはあまりないが、中村先輩と一緒に頑張ろうと言ってお互いに応援したりしたのは新鮮なところもあった。普段練習させてもらっている関西大学への感謝も持って頑張れたかなと思う。国体では200点を目指しつつ、今回は味方だった中村先輩がすごいライバルになるのでバチバチにやって、今回敵だった同志社の友野くんと一緒に頑張りたい。フリーはミスがあって満足までいかないが、今シーズン苦手だったショートでいい結果を出せていい大会になった」

▼安原
「表彰台登れるのは厳しいかなと思っていたので、すごいうれしいです。ミスもあって、納得のいく演技ではなかったが最後まで諦めずに滑り切れたので良かったなと思います。比較的落ち着いて自分の演技に集中できた。3位がすごいうれしい。3人で3位目指して頑張ろうねと話していたので、後輩2人も頑張ってくれて、この順位を頂けて本当にうれしい。全員が頑張っていい演技ができて、それぞれ課題はあるけど次につながるいい大会だと思う。まだまだ足りないところや、演技の完成度もまだまだなところが見つかったので、次につなげていきたい」

▼髙木
「私が1番足を引っ張ると思っていたので、2人のおかげで3人で入賞出来てすごくうれしい。インカレ前に目標にしていた構成ではなかったけど、うまくまとめることができた。インカレに向けて頑張ってこられて、前の状況に近づけたのでこのまま進んできたい。今のできることはできたけど、インカレまでに前の状況に持ってこられなかったことが悔しくて、演技の後もなんでかわからないけど涙が出てきて、この悔しさをバネに頑張りたい。インカレまでに去年と同じようにトリプルループを入れてノーミスを目標にしていたけど、今年は元の状況に戻すだけでなく、去年の状態を超えて全日本を目指して頑張りたい。関大の3人で入賞したい思いがあって、今までの大会でかなり緊張した方で、自分が失敗して終わりの試合じゃなかったので、みんなで入賞を目指して頑張るという独特の緊張感の中で、結果を出せて良かった」

▼十倉
「個人でも団体でも結果が出せて良かった。予想外だったのでうれしい。(表彰で名前を呼ばれた瞬間は)びっくりしすぎて叫んじゃいました。今日は途中でパンクしてしまって、1つ回転不足だったが、他はクリーンに立てたのでうれしい。今までの中では1番いい演技だったと思う。練習通りできたかなと思う。初めてのインカレでめっちゃ緊張して、団体で余計に緊張して、足引っ張ったらどうしようって。でも、足を引っ張らなくて良かった。明治大学と接戦だったので、表彰台に登れてうれしい。(今後に向けては)失敗をなくして、もうちょっと構成のレベルを上げていきたい」