【アイススケート】中村、本田がフリーに臨む

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◇第86回全日本フィギュアスケート選手権大会◇12月24日◇武蔵野の森総合スポーツセンター◇

【男子フリー】
12位 本田太一(経1) 133.12
13位 中村優(しゅう=政策3) 132.41
【最終結果】
14位 中村優 198.16
15位 本田太一 192.87

ショートプログラム(SP)ではジャンプにミスが出て得点を伸ばせなかった中村と本田。フリーについては「切り替えて体も休めてフリーに臨みたいと思う」(中村)、「フリーで全力でぶつかっていく」(本田)。SPの悔しさを演技につなげたい。

両者ともに第2グループでの滑走となり、本田はこの組最初の演技者として登場した。冒頭に予定していたのはSPで回転不足の判定を受けたトリプルアクセル。1本目は2回転トーループのコンビネーションを付け見事に着氷すると、2本目は単独できれいに成功させる。続く3回転ルッツも流れのある高いジャンプになった。


△本田

後半になっても勢いは止まらない。3回転フリップ+2回転トーループ+2回転ループの3連続ジャンプ、ダブルアクセル+3回転トーループのコンビネーションも完璧に決め、規定の3つの連続ジャンプを全て着氷する。その後も予定していた3つのジャンプを全て成功させ、「ジャンプは本当にいい出来を見せることができた」。最後のコレオグラフィックシークエンスでは壮大な音楽に乗せ、雄大なイーグルを見せ、演技をしめくくった。

ラストポーズを解くと、全身を使って大きくガッツポーズ。「フリーについて今はうれしい気持ちでいっぱい」。出来栄えでもマイナスのない演技に、「今できることは全て出し切ったと言っていいんじゃないかなと思う」。今年最後に会心の演技を披露した。

しかし、「SPの悔しさがまだ残っている」と、フリーで素晴らしい演技をしてもSPの苦い思いを忘れることはない。今シーズンから習得に意欲を見せていた4回転ジャンプの習得を目指しながら、スケーティングやスピンにも課題が見つかったと語る。「また一から基礎を見直して、その上で体力を付けて4回転も習得したい」と、ジャンプだけではない総合的な向上を誓う。

第2グループ3番目には中村が登場。SPで回転が抜け、ダブルアクセルのダウングレードと判定されたトリプルアクセルはこの日は回り切るもステップアウトしてしまう。2本目もステップアウトし、コンビネーションが付けられず、基礎点が7割になる。3回転フリップは軽やかに決め、上体をしなやかに動かしたステップを披露すると、演技は後半へ。


△中村

基礎点が1.1倍になる後半で3回転+3回転を決めておきたいところだったが、着氷が乱れる。続く単独の3回転ルッツは回転が抜け、1回転に。しかし、「冷静はすごい保てて、その中での変更だった」。予定通り、ダブルアクセル+ハーフループ+3回転サルコウの3連続を決めると、その後は予定していた3回転ループをルッツに、ダブルアクセルを3回転ループに変更。ルッツが1回転になったため難度の高いジャンプに演技構成を変え、リカバリーする。

「『怒り』っていう部分を結構メインにやっているが、そういったところは今回出せた」と演技全体で持ち前の表現力はしっかりアピールできただけに、「練習は全然悪くなかったので本番だけ崩れてしまった」。ジャンプでのミスが悔やまれる結果になった。

演技については「自分でも今なんでかなという思いだが、まだやっぱり甘かった」(中村)。シーズン中には手ごたえもあったが、苦い思いが多かったという今シーズン。しかし、「この結果を無駄にせずにまた頑張っていきたい」と前を向く。納得の演技とならなかったこの全日本での経験も、強くなる材料にしてくれるはずだ。

次なる舞台は全日本インカレ。もうあまり時間はないが、全日本で学んだ全てを消化し、自分のものにして、中村と本田がさらにたくましくなった姿を見せてくれるだろう。【文:宮西美紅/写真:多田知生】

▼中村
「(点数が出るまで時間がかかったが)自分でもよく分からないが、結構失敗してしまったのでそういったところで時間がかかってしまったのかなと思う。(先生とは)やっぱりアクセルだねという風に話をしていて、練習は全然悪くなかったので本番だけ崩れてしまったので、そこはまだまだ甘いなと自分に感じた。(フリー『ムーランルージュ』は)「怒り」っていう部分を結構メインにやっているが、そういったところは今回出せたと思う。(一緒に練習している本田は)僕にとってはいいライバルというか、一緒に練習していても競り合っていけるいい練習仲間、チームメイトなので、僕的には結構大事な存在というか、彼がいるから僕ももっと頑張ろうと思えるし、彼自身ももっともっと上に行こうというのがあるので、お互い上を目指していけるいい仲間。(今年1年は)結構苦い思いというか、苦い経験で終わった。シーズン中、途中は自分の中でも結構手応えがあったので、結構自信もあったし、絶対できるという風に思っていたが、そんな甘くなかった。練習がきついっていうのはもちろんあるが、試合で失敗しても必ず次につなげようっていう思いでやっていたので、つらいというように捉えずに、これをプラスにというように考えていた。(来年は)今回の結果をしっかり受け止めて、次につなげたいと思うので、この結果を無駄にせずにまた頑張っていきたい。(SPからは中一日空いたが)昨日はとにかく動こうと思っていて、体も動いていたし、特に中一日というのは問題なかった。調子がこっちの会場に来てからずっと良かったので、(公式練習を)早めに切り上げたのも早めに仕上がったというか、もう自分の中でもいいなと思ったので。(今日の演技は)自分でも今なんでかなという思いだが、まだやっぱり甘かった。(途中、ジャンプの難度を上げていったが)冷静はすごい保てて、その中での変更だったのでそこは良かったかなと思う。(全日本インカレまでは)もうあまり時間はないが、しっかり調整していって今回の疲れをあまり残さず頑張っていきたい」

▼本田
「今はフリーに限って言えば、全日本という1年間目標にしてきた舞台で自分の出せるほぼほぼ完璧な演技が、ジャンプは、だがジャンプは本当にいい出来を見せることができたので、そこに関しては満足している。こっちに来てから本当に調子が良くて、SPはいけるだろうというもしかしたら甘い気持ちや欲が出てしまったのかなと今は思う。SPは今シーズンの中で最悪の演技をしてしまって、1日空いたことによってうまい風に切り替えられたと思う。本当に練習から良かっただけに、もちろんフリーについて今はうれしい気持ちでいっぱいだが、SPの悔しさがまだ残っているし、たらればだがいい演技をして後のグループに入っていれば、またこれ以上の緊張があったと思うので、フリーの4分半の中ではやれることはしたつもりだが今回の全日本を通して言えば悔しい部分が大きい。完璧ではないが、今できることは全て出し切ったと言っていいんじゃないかなと思う。(フリー『ラマンチャの男』は)この2年間でトリプルアクセルを習得していろいろ成長したと思うので、自分の中で思い出に残るプログラムだった。もちろん4回転も習得しないといけないが、今回全日本に出場して、自分の中ではトリプルアクセルはこれから武器にしていくジャンプだと思うが、他の選手と比べてまだまだスケーティング、スピン、ステップの部分でも劣っていると感じたので、また一から基礎を見直して、その上で体力を付けて4回転も習得したい。(これから後半組の演技を見ると思うが)僕は第3グループで滑る実力があったと思うので、すごく悔しい。反省しながら、でも男子も五輪とか激しいので勉強する。昨日、(妹の本田真凜=関西大学中・高スケート部の)演技が終わったあとに、またこれから一緒に頑張ろうと言ったので、まずはそのスタートとして僕が今日いい演技をできたのは良かった」