【ラグビー】試合終了間際の悪夢。選手権への道途絶える

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◇2017ムロオ関西大学Aリーグ第6節対関学大◇11月19日◇鶴見緑地球技場◇

【前半】関大19―24関学大
【後半】関大7―5関学大
【試合終了】関大26―29関学大

歓喜の瞬間を待ちわびるスタンドの声援が、一瞬で悲鳴へと変わった。試合終了間際、ラストワンプレーでの悲劇。落とせない一戦でまさかの敗北を喫してしまった関大に、全国大学選手権大会ははるか遠いものとなってしまった。

「入りは良かった」と藤井拓海主将(人4)が振り返ったように、序盤はテンポの良い攻撃を見せる。すると、開始わずか2分。SO北田圭史(文4)からFB竹中太一(商4)へとボールがつながると、パスダミーでマークを外しそのままインゴールへ。鮮やかな攻撃で先制点を奪った。

さらに9分。ゴール前5㍍からのマイボールスクラムで相手を押し込むと、NO8上村彰太(社2)がボールを持ちだしサイドを突く。そして最後はSH木下皓太(人3)がインゴールに飛び込みトライ。積極的なオフェンスで連続得点を奪った。

このまま流れに乗りたいところだったが、そうはさせてもらえなかった。わずか2分後にラインアウトモールから押し込まれトライを許すと、20分、28分と立て続けに2本のトライを奪われ逆転。その後PR杉本達郎(人3)がトライを決めるも、すぐさま返されてしまい、流れをつかみきれないまま前半が終わった。

前半とは打って変わって、後半はスコアの動かない緊迫した試合展開となる。SH木下やWTB久保田勝己(安全4)が突破口を見つけようと果敢に攻め込むも、ラストの5㍍が遠く得点を挙げることができない。

しかし、激しい攻撃、得意の守りから徐々に関大がペースをつかみ始めると、16分。敵陣ゴール前でラックを形成すると、SH木下から、途中交代で入ったCTB山縣翔(人3)へとパスがつながる。するとボールを受けた山縣がそのまま右サイドを走り抜けインゴールへ飛び込んだ。「自分の持ち味を生かせた」復帰後初トライで同点に追いつくと、SO北田が難しい角度のキックを決め逆転。この瞬間、スタンドはこの日一番の盛り上がりを見せた。

こうなると、完全に関大ペースで試合は進む。試合終了の時間が近づくにつれて、歓声はどんどん大きくなっていた。残り数秒、スタンドの選手たちは総立ち。誰もが勝利を信じて疑わなかった。だが、最後の最後に悲劇が待ち受けていた。

ロスタイムも目安の3分を過ぎたラストワンプレー。関大は自陣深くから試合を切ろうと、タッチへのキックを選択しノーサイドを待った。しかし、レフリーからノータイムかどうかの宣告はなく、ピッチ上に混乱が生じた。そして、万が一に備えSO北田が前に蹴ったのがあだとなった。猛烈なキックチャージをかけられると、関学大SH山内の手に楕円(だえん)球が当たる。そのこぼれ球を関学大主将のHO赤壁に押し込まれ再逆転を許した。まさかの展開に選手たちはおろか、ベンチ、スタンドもただ立ち尽くすことしか出来なかった。

まさかの逆転負けを喫した関大。全国大学選手権大会出場のためにも負けられない戦いだっただけに、痛い黒星となった。しかし、次週には最終戦が控えている。「最後の一戦しっかり全員で取り組んで絶対に勝ちに行きたい」と語った藤井主将。“Challenger”としてこの一年間積み上げてきたものを最後まで出し切り、リーグ戦を勝利で締めくくる。【文:中谷開/写真:嶋健太朗】

▼桑原久住監督
「勝ち切れなかった。ノータイムかどうかレフリーが言ってくれなくて迷いがあったみたいだけど、勝ち切らないといけない。冷静にはしていたけど相手の方が一枚上手だった。精一杯のプレーをしてくれた。勝負なので勝ち負けはある。(選手たちには)いつも通り、次勝とうと言いたい。ここで悔しがっていても来年につながらない。きょうは関学が一枚上手だった。そこに尽きる。次頑張るだけ」

▼藤井主将
「選手権という意味でも大きく関わってくる試合だった。入りは良かった。全員しっかり気合い入れて、前に出ることはできていた。こういう結果になってしまったけど、全力でやりきった結果なので悔いはない。ラストワンプレーでチャージされてトライされた部分もそうだけど、そこにいたるまでのいろいろな部分で試合のターニングポイントはあったと思う。そこを全部しっかりものにできなかったから、最後のあのプレーにつながったのかなと思う。選手権は結構遠のいてしまったけど、残り一戦自分たちが1年間かけてやってきたこと、それに4回生の思いも乗せて、最後の一戦しっかり全員で取り組んで絶対に勝ちに行きたいと思う」

▼山縣
「負けてしまったけど、自分の持ち味は生かせた。けがの違和感はまだあるけど、差支えはない。試合出る時にスタンドからいいコールしてくれてやる気が出た。あのままいったら勝っていた試合だけど、最後まで何があるか分からない。来週に向けて自分の持ち味を出して、勝つだけ。レフリーがタイムを教えてくれなくて、わからなかった分、後ろに蹴れなかった。横に蹴るか前に蹴るかどっちか決めかねていて、FWを前に立たせられなかった。相手に当たったときは戻らないといけないと思ったけど、相手側にボールが戻ったのでこれは間に合わないってなって、現実にコマ送りになることなんてあるんだなって。実際負けたことは仕方ない。来年以降にラスト1秒まで諦めない姿勢でプレー出来たら関大がいいチームになると思います」