【アイススケート】宮原5位。鮮やかに『蝶々夫人』を舞う

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◇ISUグランプリシリーズNHK杯◇11月11日◇大阪市中央体育館◇

【女子シングルフリー】
6位 宮原知子(文2) 126.75
【女子シングル最終結果】
5位 宮原 191.80

銀盤が彩られていくような時間だった。静かなピアノの音に乗り、美しいレイバックスピンを見せる。ラストポーズを取ると、大歓声に包まれる会場を凛とした笑顔で見渡した。パーフェクトではなかったが、それ以上に充実の表情だった。

「知子ちゃんがんばー!」。会場のあちこちから聞こえる声援を受け、スタート位置に付く。演技は冒頭の3回転ループを成功させると、前日のショートプログラムでは入らなかった3回転ルッツ+3回転トーループのコンビネーションジャンプも、セカンドジャンプで回転不足となるが着氷。同じ右足のトウをついて跳び上がるジャンプのため、ルッツを重視して跳ぶ比率が少なくなっていたという3回転フリップは2回転となってしまうが、流れるような豊かなピアノの旋律に合わせ、2つのスピンを披露する。

ステップシークエンスは、ゆったり柔らかい動きと、大きく力強い動きを細かく織り交ぜていく。後半に入ってからはサードジャンプで両手を挙げる3連続ジャンプも決めた。

「今あんまりはまってなくて、練習から結構失敗が多かった」と語る3回転サルコウでは乱れてしまうが、コレオグラフィックシークエンスのスパイラルでも観客を魅了。最後のジャンプで残っていた3回目のコンビネーションもつけ、美しいレイバックスピンでプログラムを締めくくった。

ジャンプでのミスはあった。しかし宮原は鮮やかさを失わなかった。11カ月ぶりの戦いのリンクにいても、焦りや不安の表情を見せない。

「本番でも足が震えるとか、そういうことはなくて、試合勘という意味でもいいイメージを持ってできた」と、シーズン初戦で確かな手応えを得た。今後は技術面も表現面も「総合的に頑張っていきたい」と向上を誓う宮原。さらに洗練された演技で、2週間後グランプリシリーズ最終戦・スケートアメリカに臨む。【文:宮西美紅/写真:川﨑恵莉子】

▼宮原
「プログラム全体を滑り切るっていう体力と、今も滑りきれないわけではないが細かい部分まで気を配れるようにしたい。今は練習時間が少ない分、質を高めるということを頑張ってやっているので、最近から徐々にジャンプ増やして、詰めた練習ができるようになってきたので、まだまだ前に比べたら疲れが早くきてしまっていて、練習量は少ないが毎日頑張って練習できたっていう感覚は自分でも持てていたので、あんまり不安とかはなかった。サルコウが今あんまりはまってなくて、練習から結構失敗が多かったので、練習通りかなっていう感じ。(SPが終わっての疲労度は)それはあまり感じなかった。今までの試合と同じような感じで、あまり極度に疲れたなぁとかそういうことはあまりない。去年までの練習量からするとまだ7割くらいかなと思うが、元気なときに跳ぶジャンプとかは前よりもいいものが跳べていたりするので、あとはそれが両方とも上手く上がっていけばいいかなと思う。今回のNHK杯は、一番気持ちの面であまり力も入りすぎず、緊張しすぎず、うまく体が動いたっていうか、気持ちを持っていくことができたっていうのが一番手応えとしてある。ジャンプの数を制限している分、試合を想定して、6分練習してちょっとだけ靴を脱いで、すぐフリーとかすぐショートとかそういう練習をたくさんしていたので、失敗して何回も何回もやり直すっていう練習とかは1発だけって決めてやっていたので、そういう緊張の中で練習をするっていうのをやっていたのが良かったのかなって思う。でもまだ初戦なので、これから色んな気持ちも入ってくると思うので、これからが一番そういうのが必要。普段も、これは前からだが、全く他の人の演技を見ないっていうか、見ないようにしているわけではないが、自分に集中しているのであまり(他の選手は)気にならない。すごく有名な『蝶々夫人』の曲も、あまり他の選手が使っていないような曲も入り混じったプログラムになっているので、自分にしかできないような、見ている方に何かを感じ取ってもらえるような演技ができたらいいなと思う。今回の収穫は、試合で練習通りのことをちゃんと…できたわけではないが、今の段階としてはまずまずのことができたので、それは良かった。これからの課題は、もっとしっかり体力を戻して、どんどん調子を上げていく必要があるので、特にジャンプとかは、振り付けを頑張ってきた分ジャンプが入らないとそれも意味がないので、総合的に頑張っていきたい」