【弓道】近藤主将「この子たちと一緒に弓道ができてよかった」。関大弓道部を変えた4年生の最後

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◇平成29年度関西学生リーグ優勝決定戦対京橘大、大経大◇10月29日◇関西学院大学

【試合結果】
関大-京橘大-大経大
57-65-67(全80中)

王座優勝への階段を着実に上ってきたが、その最終段に足をかけることはなかった。

優勝決定戦は3勝1敗で並ぶ3校による戦い。大前・岩本真奈(社2)、弍的・寺地梨香(経4)落前・増田奈緒(政策4)、落・近藤加奈子(政策4)の4人で大一番に挑んだ。

リーグ戦で京橘大と大経大は関大よりも高い的中率を維持しており、この日も好調ぶりは健在だった。3立目まで13中を切らず両校40中を出され、7本差をつけられる。近藤に代わり村井真帆(社4)が入り、4立目でようやく目標の13中に届くも差は最後まで縮まらなかった。リーグ優勝を逃し、4年生にとっては早すぎる最後となった。

現在は全国屈指の強豪校であるが、「夢見て大学に入ったけど、当時の関大は思ったより力が無かった」(寺地)。2012年には2部リーグへ降格。日本一を目指せるチーム状況ではなかった。そんな関大弓道部を変えたのは今の4年生だった。実力のある寺地や増田がチームに加わると、3年前に1部へ復帰。2年時はリーグ2位に入った。

昨年7年ぶりに出場した王座は準優勝に終わるも、関大の名は再び全国で輝き始めた。「去年王座で準優勝できて、今年はメンバーも変わらないので大丈夫と思う反面、本当に大丈夫かなと思うことはあった」(近藤主将)。6月の関西学生選手権大会は結果が振るわず不安要素は残ったが、2週間後に行われた全国大学選抜大会。彼女たちは日本一を射止め、全員がうれし涙を流した。

4年前まで2部にいたチームは、全国の頂点へ。最後に「王座優勝」という栄光をつかむことはできなかったが、4年生のおかげで関大は強豪校へと再び成長した。「4年間振り返って」。近藤、寺地、増田、村井に最後のインタビューでそう尋ねた。関大弓道部で過ごした日々、同期、後輩、悔しさ、嬉しさ。あふれる思いの全てを、泣きながら笑顔で語った。2年間主将を務めた近藤主将は「関大の弓道部に入って、この子たちと一緒に弓道ができてよかった」と最後に言葉を残す。

「関大の弓道部を強くしてくださって、今回1部リーグに残ることができたのも4年生の贈り物」(岩本)。4年生が残した贈り物は、後輩たちが確かに受け取った。【文/写真:川﨑恵莉子】

▼岩本
「自分1人若手で、先輩たちを引っ張りたかった。なかなかリードすることができなかった。今日は負けてしまったが、自分の中では楽しく引けた。全体を振り返ると来年につながる試合。4年生は良いチームを作ってくれた代だった。年が違っても、こんな一緒に悔しくて泣けるなんてそうないチーム。自分も楽しくて強いチームを作りたい。自分はあと2年あるけど、最後は今日の4年生みたいに悔しくても笑って終わりたい。でも、一番は勝って終わりたい。関大の弓道部を強くしてくださって、今回1部リーグに残ることができたのも4年生の贈り物。強さを受け継いで、今日戦った3校は来年も1部に残るので来年はリベンジしたい。女子弓道部の醍醐味である、楽しく弓道するのを忘れずに1試合1試合を戦っていきたい」

▼村井
「ずっと応援している側で、しんどいだろうなと思って見ていた。3人はずっと4年間試合に出ていてすごいなと思った。(リーグ戦は)もっと活躍したかった。ずっと緊張していて、もっと自信を持って引けたらなと思う。(4年間振り返って)大学から弓道を始めて、最初は袴かっこいいなぐらいの気持ちだった。ずっとちゃんしてなくて、ちゃんと弓道始めたなと思ったのが3年生から。一緒に始めた同期の方が中っていた。3人はずっと試合に出ていたけど、私は試合に弓を持っていくだけだった。悔しかった。3年生から試合に出られるようになったけど、ずっとしんどかった。練習すれば中ると言われて、でも当たらなくて。部活以外のことをしたいと思った時期もあった。3年生で初めて選手権に出て優勝して、その時やっと弓道しているなと感じて頑張れるようになった。王座にも出たが、すごく怖かった。自分か寺地かという状況で自分が出て、最後負けてしまったけど、やっぱり3年生からの1年間頑張ってきてよかったと思った。でも、準優勝は悔しくてまた1年間頑張ってきた。選抜優勝の時は会場にいなかったが、優勝したと連絡をもらって1番泣いた。嬉しかったけど、メンバーに入れなかったのは悔しかった。全日も客席で見てて、絶対に王座で桜美林を倒すんだと思って頑張ってきた。最後桜美林と対戦することなく、王座に行けず終わってしまった。すごく悔しい。ふわっとした気持ちで始めたが、良い同期、かわいい後輩ができて部活入って本当に頑張って良かった」

▼増田
「今年初めてフルで試合に出た。今日もフルで出られたけど、ずっと調子を保つのは難しいなと4年間思ってきた。去年初めて十傑で王座に行けて、チームも準優勝した。1回生の頃は60中出てやったと思って、今は70中出てやったと思っている。自分たちがいる間に強くなっていく過程を見られて、誇らしいし嬉しい。去年と今年は8割5分で十傑になれて、1回生の時にリーグで20射皆中して、それ以降出来なかったのでそれは心残り。関大一高で弓道をしていて大学でも続けたが、もっと余裕で自分が楽しめたら勝てると思っていた。1年生で関選に出た時に自分は下手なんだと思って、選抜も2人(寺地と近藤)は出ていてすごく悔しかった。練習して数も引いているのに上手くなってないのなかなと思ってショックだった。1回生の時は調子良く中るけど、悪い時はだだ崩れで波のある1年だった。2年生の全日は落だったけど、筈のない矢を持ってきてしまって最後まで引けなかった。過呼吸になってしまいそれ以来落が苦手になった。負けが続いた1年だった。3年生は新歓リーダーとして教える後輩がたくさん入ってきた。見本になれるようにと思っていた。でも、インカレはメンバーから落ちた。近藤からは「奈緒がいなかったらリーグは勝てへんから。射を直して的中を安定させられるように頑張って」って言われたとこもあった。王座は最後負けてしまったけど、良い緊張感で自分の力を出せた。優秀選手賞をもらって、みんなで24射皆中もできた。いい思い出になったが、優勝は残していたので今年こそ優勝しようという気持ちだった。選抜は色々あったが、優勝して近藤が泣き崩れているのを見てみんなでわんわん泣いた。うれし涙はやっぱり気持ち良いなと思った。今年のリーグは何度も崩れてしまった。納得いかない試合があったり色々あったが、今日を迎えた。良い緊張感で引けたし、楽しかった。この2人、同期に出会って、頑張れるようになった。助けてもらったり、応援してもらったり、勇気づけてもらったり、この同期でよかった。他の大学生では経験できない、充実した大学生活を送ることができた」

▼寺地
「4年間リーグ戦に出てきて、最初から波乱万丈だった。入部した時は大丈夫なのかなと思った。夢見て大学に入ったけど、当時の関大は思ったより力が無かった。私は日本一になりたいと思って入ったのに練習してないし、夜間練習も全然残っていなくて、これでは勝てないなと思った。でも、ありがたいことに同期の近藤と増田がずっと一緒に頑張ってくれた。最後にあきらめずにいてくれたから、最初の1年乗り越えられた。いつも崩れそうな時は助けられてて、自分が立ち直れたのは同期の存在が大きかった。そのおかげで最後まで諦めず、自分の目標を目指すことができた。去年王座に出られたことはすごくうれしかったけど、自分は引けなくて、今年こそ王座で引くぞって思ってたけど、自分自身に勝てなくて、最後の最後も自分に勝てなかった。悔しい。でも、王座ではないけど今年日本一になれたのはすごく大きい。自信が持てた。リーグ終わってしまったけど、最後までお世話になってばっかりだった。誰かが引っ張ってくれなかったら、最後までできなかった。同期はもちろん、引っ張ってくれる、支えてくれる人がいた。最後は悔しい結果になってしまったけど、自分としては成長できた。このチームで良かった」

▼近藤主将
「去年王座で準優勝できて、今年はメンバーも変わらないので大丈夫と思う反面、本当に大丈夫かなと思うことはあった。もちろんみんな練習していたし、もう一回王座を目指して頑張ろうって思っていた。関選は結果が振るわなかったけど、選抜は色々ありながらも勝てて本当によかった。選抜終わってモチージョンが下がっているんじゃないかと監督とコーチに言われたこともあったけど、それでもインカレも準優勝できた。インカレは私も引けなくて、寺地も調子が上がらず不安なことばっかりだった。でも、ここぞというときに力を発揮してくれる仲間がいるから大丈夫と思っていた。夏合宿から調子が上がり始めて、70中も出ていた。このままの流れならいけるなと思っていたが、世の中そんなに甘くなかった。監督からも勝たせてもらった試合だよねとか、数字もっと出せたよねと言われ、4人が調子そろえてできた試合がなかった。練習で数字が出ても、65中止まり。自分たちの中ではしっかり練習して、万全の状態で試合に出ているつもりだったけど、やっぱり簡単には勝てなかった。そこが弓道のおもしろいところではある。今日も負けて、悔しいの一言。でも、岩本が言っていたみたいに楽しかった。負けたけど、心は重くならなかった。今年のリーグの中では一番明るかった。個人としては去年みんなが戦っている時に何もできなかった。的中の数字が出なくて、それでも介添えとしてちゃんとやろうと思っていた。私がリーグで20射引いたが、まだまだ力不足。主将2年間やっていたが、主将らしいと思ったことはない。主将らしいことを最後やりたなと思っていて、今年は本気で臨めた1年だった。もう一度、メンバーだけでなく全員を王座のあの場所に連れて行って、戦いたいと思っていた。正直、大学で弓道をやるか迷っていて、1年生の頃は的中率も2割とかだった。それでも支えてくれた同期や後輩がいて、私でも2年間主将を務められた。介添えをしていて、この子達となら一緒に頑張れる、他のどんな大学よりもかっこいいと思った。本当に誇らしい。1年間、4年間色々あったが、良かった。何が良かったかと言われると語り尽くせない。関大の弓道部に入って、この子たちと一緒に弓道ができてよかった。あの時弓道部を選んでよかった」