【野球】山本が4安打完封。関西地区第2代表として神宮切符つかむ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

◇平成29年度明治神宮大会関西地区第2代表決定戦対大市大◇11月1日◇南港中央野球場◇

大市大 000 000 000=0
関 大 100 001 00×=2

(市)玉井、塘本―土井、板野
(関)山本―高橋佑

先発の山本隆広(人3)が大市大打線を4安打完封。関西5連盟第2代表として、関大に2年連続6度目の神宮切符をもたらした。

「予想外だった」(山本)。初回、山本は大市大1番町田に右中間を破る三塁打を打たれる。しかし、ここで大崩れしないのが快速右腕の真骨頂だ。2番福永をツーシームで投ゴロに打ち取りまずは1アウト。3番河村、4番北野は自慢の直球で内野ゴロに封じ込める。ブルペンから打者を立たせ、実践さながらの雰囲気のままマウンドに立つ山本。立ち上がりに不安を持ちながらも、冷静に主軸を対処した。

すると、その裏。先頭の多田桐吾(人3)が四球で出塁。続く2番古川陸(商3)の場面で関大ベンチは初球からバスターエンドランを仕掛ける。ここは古川が指揮官の期待に応えしっかりゴロを転がすと、一塁走者の多田が快速を飛ばして三塁をうかがう。すると、大市大一塁手の篠原が三塁へ悪送球。そのまま多田が三塁も蹴りホームベースを踏んだ。ラッキーな形で1点を先制する。

「1点もらうだけで気持ちが違う」(山本)。この日の山本に初回から1点のリードは十分すぎる援護だった。どんどんバットを振ってくる大市大打線に対して、「初球から決め球」を投げ早めのカウントで勝負する。この日は外角へのストレートが球威、コントロールともに抜群。4回以降は1人の走者も許さない完璧な投球で最終回を迎えた。

9回のマウンドも、もちろん山本が向かう。先頭の代打・武石にレフト前へと運ばれるが、続く上位打線をしっかりと切る。最後は、3番河村を三振で仕留めゲームセット。前日、大商大にノックアウトされたエース・阪本大樹(経4)の悔しい思いも背負ってマウンドに上がった山本。91球完封の省エネ投で大市大打線に格の違いを見せつけた。

6回にも、1死二、三塁から7番山本の内野ゴロの間にダメ押し点を奪った関大。ロースコアのゲームで足を絡めた攻撃に「うちらしい試合」と早瀬万豊監督。リーグ戦からの関大らしさを取り戻し、関西地区第2代表の座をつかんだ。2年連続の聖地で「目標は日本一」と久米健夫主将は鼻息荒く誓う。45年ぶりの全国制覇に向け、関大野球部がスタートラインに立った。【文:嶋健太朗/写真:新潟瑞葵、高木満里絵、松山奈央】

▼早瀬万豊監督
「まずはほっとしている。うれしいです。うちらしい内容のゲーム。もう少し点も入ればと思うが、リーグ戦からこういうゲームを続けてきた。足も絡めて点を取った点で、打って勝つようなチームではない。山本は立ち上がりに不安があるが、回を追うごとに良くなっていって修正しながら投げてくれた。後半は彼らしいピッチング。きのうの負け方が完敗だったので、切り替えはしやすかったと思う。開き直ってやれる状況だった。初回に点を取れてうちの流れになった。自分が監督に就任して3回目の神宮。去年もその前も関東のチームに負けている。今回も関東のチームということで、そこを破ることを目標にしてきた。全国優勝のためには避けては通れない。やりがいはある。神宮も3回目になって徐々に力がついてきている。十分に日本一狙える。当日までに一つ一つレベルを上げて臨みたい。リーグ戦は京大に負けてから食らいついてきた。勝ち方の幅も増えて、逆転もあって10勝することができた。神宮は初戦にかける。2人のピッチャーでの継投を頭に入れて攻撃的に守って、受け身にならないようにやらないと。関西地区の代表として、1日でも長く優勝を目標にやっていきたい」

▼久米主将
「チーム力を大事にしている。全員で勝つ、全員野球と言ってきた。一つ一つの試合を全員で勝ってきて、チーム力が上がってきている。全員が必死になってやってきた。昨日は阪本大がリーグ戦に比べて調子が悪かった。自分たちも助けてやることができなかった。球も切れてなくて、空回りしてしまった。ここ数日調子が悪くて、試合でつくっていこうと試合で話してた。大商大打線が振れてたから、相手が強かった。リーグ戦も京大に1敗して、自分たちの力をもっと出さなければならないと感じた。やってることが足りなかった。普通の練習でもプレッシャーをかけて、厳しい声をかけながらやった。4年生自らが率先して行動することを心掛けてきた。福田の形見を持ってきて、いつも試合前に触っている。今日も見守ってくれた。いい選手でいつも一緒に練習をしていたから、自分たちも悔やんでた。ウイニングボールを届けたいという気持ちでやっていた。目標は日本一。神宮出場に満足することなくやっていきたい。関大は投手だけでなく応援の力もある。スタンドの応援も見てほしい」

▼阪本将
「(秋リーグを振り返って)リーグで成長したと思う。春はエラーなどのミスで負けた試合が多かったが、久米が練習をこだわって進めたことでエラー数が少なくなった。良い投手ばかりで、ヒットが少ない中でどれだけ1点を取れるかだった。(1年を振り返って)京大に負けてから、みんなが勝ちにこだわりを持つようになったと思う。敗北を通して成長した1年だった。副将としてはキャプテンらしくできたとは思っていない。久米という一本柱が大きかった。他の4回生が中心になってやってくれていた。若い人が出場してくれるのは嬉しい。自分が出たい気持ちもあるが、自分たちが引退した後も続く後輩が出てチームのためになるのが一番。(神宮出場について)日本一が目標の中のあくまでも通過点。自分たちの代で出れたのは大きい。昨年連れて行ってもらって、今回も後輩が連れて行ってくれたという感じ。誰が出てたとしても、誰が打ったとしても、チーム全員で日本一になりたい」

▼阪本大
「神宮決まってよかった。神宮に出たことないときはそんなにと思っていたけど、いざ行くと甲子園と同じくらいいい場所で雰囲気とかその他全部が特別で、そういう場所にまた行けるのが本当に嬉しい。(今日の試合について)昨日は夜に山本に応援のメッセージを送った。山本にはとても信頼を置いているから、今日勝ってくれてさすが、という感じ。(リーグ戦を振り返って)最近は個人の結果よりもチームが勝つことを何よりも重視してきた。誰かがエラーしたときも、責めるんじゃなくて自分が率先してカバーしようとしたり、点を取られても最終的に勝てばいい、という意識でやってきた。今シーズンはそういう意識が勝ちにつながったことが多かった。チームは本当に久米がよく引っ張って、まとめてくれた。(神宮に向けて)神宮では強豪もいっぱいいて、昨日みたいな投球していたら勝てないと思うし、特に守りで勝たないと。少ない点でどれだけ粘るかが大事。自分はキレとコントロールを見せたい。今、4回生がブログリレーをしていて、その中で「甲子園に出られなかったから大学では絶対神宮に行って勝ちたい」と言ってるチームメイトもいる。そういう人たちの思いも絶対果たして日本一になる」

▼中島
「(神宮出場が決まって)素直にうれしい。昨日は自分のミスもあって負けてしまったけど、今日の勝ちで少し取り返せたかなと思う。4年生になってチームに貢献したい気持ちが強くなった。それが出塁率やヒットにつながった。最後のシーズン絶対に負けられないのが今のチームの雰囲気になっている。4年生は試合に出れなくても声を出している。春は負けたら終わりがないから、みんなまとまりきってなかった。秋に入って4年生がチームを引っ張ってきて優勝につながった。勝って兜の緒を締めよというけれど、負けて気づくものがあって、最後に勝っていけている。神宮での目標はもちろん日本一。個人としては出塁して得点につながる活躍をしたい。最優秀選手も取りたい。自分が頑張って最後までチームに貢献したい。全国で最後の1校になりたい。まずは1勝して、それを積み重ねて最終的に全国制覇をする」

▼山本
「第1代表を目指してやってきて、きのう負けてしまった。リーグ戦は阪本さんが引っ張ってくれてきょうは自分の番だという気持ちがあった。立ち上がりは良くなくて、初回の三塁打は予想外でびっくりしたけど、そこを抑えられてよかったし、逆に(気持ちが)入ってよかったと思う。市大がどんどん振ってくるのはわかっていたので、初球から決め球を投げていった。(援護については)1点もらえるだけで気持ちが違う。相手からもらった形の点でも1点に変わりはない。中盤の4回くらいからいいテンポで投げられて、スピードよりも外のコントロールと球威を意識した。阪本さんからは昨日の夜に(携帯電話アプリの)LINEで『明日頼んだ』って来た。阪本さんは良くしゃべる人なのに、きのうは暗かったので相当悔しかったのだと思う。南港は高校とかでも投げていて相性がいいと思う。完全試合もこの球場の3塁ベンチだったので、きょうもなんか縁があるのかなとは思った。リーグ戦は防御率が悪かったので、満足していない。5勝は自信になるが、打たれても打ってもらって勝たせてもらった。神宮でもスタイルを曲げずにストレートで勝負していきたい。阪本さんと2人で0に抑えたら負けない。2人で抑さえて行けたらと思う」

▼高橋佑
「(秋リーグについて)山本と組めたのはありがたい。出るからには勝つ、という気持ちでやっていた。山本が出だしから力み過ぎないように冷静にさせたり、のせるときはのせたり、上手くやるようにしていた。(神宮出場について)決められて本当に安心した。任された以上は勝たないと、と気合いが入った。昨日の試合で負けたことでチームがシーンとはなった。(代表決定戦で)優勝したかったが、次に向けて前向きにいった。神宮でまずは(阪本大・久米バッテリーに)勝ってもらって、2戦目を山本といつも通りいきたい。バッテリーでリズムを作って勝ちに行く」

▼古川
「ほっとしているのが一番。緊張はなかったけど、きのうは気合が入りすぎて浮足立っているところがあった。やれることをやって自分たちの野球をすれば勝てるという思いがあった。ここまで来たら神宮も自分たちの野球をするだけ。そうすれば結果もついてくると思うし、4回生とも1試合でも多く野球がやりたい。あの場所に立てば緊張はするとは思うけど、自分たち2回目のメンバーが初めてのメンバーに声を掛けていけたら。(昨年は最後のバッターになって悔しい思いをしたが)応援してくれるOBの方や松山さんや去年の4年生に1年間でこんだけやってきたんだというものを姿勢で見せたい。そうすれば去年とは違う結果もついてくる。去年負けてから関東のチームに勝つには取り組みを変えないとダメだと思ってやってきた。自分が中心選手であることもあって、久米さんから厳しいことを言われることもあったけど、成長できた。リーグと代表決定戦が終わったけど、ここが終わりではない。福田のためにも、久米さんのためにも、関大のためにも日本一目指してやるしかない」

▼松島
「勝てたのは良かった。日本一という目標があるので、きょうは勝てるようにだけを考えてやった。神宮はレベルが高いので、2人のピッチャーが打たれる可能性もあるから、もうちょっと打撃を上げていかないといけない。神宮までに技術が上がることはそんなにないと思う。メンタルを向上させるというか、調整していきたい。2回生で去年の神宮に出たのは自分しかないないので、引っ張っていけたらと思う。高校は甲子園に出たことはないけど、甲子園より神宮の方が価値があるとは自分は思う。福田とは一緒に帰ったりして、一番仲のいい後輩だった。福田のためにも日本一という思いはある。福田のベースボールTシャツをベンチに飾ってあって見る度に力をもらった。しんどい時とかも福田のことを考えたりして、あいつの分も練習して野球をやろうと思って乗り越えた。一緒にやりたかった。神宮では自分のことよりもチームのために、1本打ちたい気持ちはあるけど、塁に出ることを考えていきたい。その中でも持ち味であるフルスイングは貫きたい。福田も一緒にベンチにいて戦っているので、福田のためにも日本一を取りたい」