【野球】7回一気の逆転劇。完全優勝なる

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◇平成29年度関西学生秋季リーグ戦第8節対関学大2回戦◇10月25日◇皇子山野球場◇

関学大 220 000 000=4
関 大 000 000 50X=5

(関学)藤井涼、甲斐、長谷―佐竹
(関大)山本―高橋佑、久米

7回、一気の逆転劇で関学大に連勝。この勝利で関大は完全優勝を成し遂げた。

4点のビハインドを背負って迎えた終盤戦。7回の攻撃は、先頭の9番中島大地(人4)が中前打で出塁しチャンスメイクする。その後、2番古川陸(商3)の左前打で1死一、二塁と好機を広げると、打席には、3番太田健裕(文3)。ここまで3打席凡退に終わっていた巧打者がフルスイングでとらえた打球は、右翼手の頭を越える適時二塁打になる。打った太田は、二塁ベース上でベンチに向かって大きくほえながらガッツポーズを見せた。

こうなると止まらないのが今秋の関大打線だ。なおも、1死二、三塁の場面でチームの打点王・4番倉川竜之介(文2)が打席に向かう。2年生ながら全試合で4番を任された強打者は「太田さんが勢いを作ってくれた。外野まで飛ばせば1点入る」と、冷静に関学大の藤井涼と対峙(たいじ)した。対し、藤井涼はキャッチャーのサインに首を振り、直球勝負を選択。この気の早りを倉川は見逃さなかった。「ストレートが来る」と確信し振り抜いた打球はグングンと伸び、中堅手の頭を越す走者一掃の2点適時二塁打に。この一打で1点差に迫った。

後続も続き2つの四球で1死満塁とし、打席には7番山本隆広(人3)。ここで、関学大2番手の甲斐が暴投。三塁走者の倉川がホームを踏み、思わぬ形で同点に追いついた。1死二、三塁と場面は変わり、山本は「これ以上ない場面」と気合十分に甘い球を待つ。制球が定まらない甲斐が投じたボールが内に入ったのを山本は逃さなかった。コンパクトなスイングでとらえた鋭い打球が一二塁間を抜く。この当たりで三塁勝者の阪本将太(法4)が悠々と生還。この回、打者一巡の猛攻で逆転に成功した。

先発の山本は「狙い球を決められてポンポンと取られた」と、立ち上がりの課題を反省しながらも尻上がりに調子を上げる。3回以降は関学大打線を3安打に抑える投球でゲームを作った。後半は好調だったストレートを中心に組み立て、3季連続の5勝目で完全優勝に花を添えた。

リーグ優勝を決めた後の関関戦だったが、気を抜くことなく宿敵・関学大を相手に7季連続で勝ち点を奪った。これで関大は、全大学から勝ち点を奪う完全優勝を達成。久米健夫主将(人4)も「自分たちでつかみ取った優勝」と、喜びを口にした。だが、ここが終着点ではない。明治神宮大会出場を懸けた関西地区代表決定戦に挑む。久米は試合後のミーティングで「目標の日本一まであと5勝。みんなで勝とう」と訴えかけた。リーグ戦で完全優勝を果たしたが、45年ぶりの全国制覇を目指す野球部にとっては、まだスタートラインに立ったばかりだ。【文:嶋健太朗/写真:嶋健太朗、松山奈央】

▼早瀬万豊監督
「それまではだめだったが、7回に攻めていけた。後半のチャンスをものにできていた。(山本については)立ち上がりが不安なのが大きな課題。続投させるか早めに降ろすかのどちらかの選択肢だったが、代表決定戦のこともあって、できるだけちゃんと投げさせたかった。途中からは良かったから、最後まで、いけるところまでいかそうと考えていた。勝ち点5で完全優勝できて本当に良かった。『ここまで来たからには』という思いだった。連勝は大きい。代表決定戦の日程的にも、今日で終わるに越したことはない。あとは決定戦に向けるだけ。リーグを通して良い所が見えて来きた。いつもなら取れても1点くらいだったと思うが、粘り強く戦えるようになった。去年の関大のように3連勝して代表になるような、下からの勢いもある。『待つ』というより『挑戦』のつもりでいきたい」

▼久米主将
「最初に京大に負けて、そこから10連勝を目標にやってきた。(10勝を)本当に実現できた。本当に勝てた。驚いている。これまでは相手が負けて優勝とか、複雑な状況があったけど、今回は自分たちの手で、全部勝ってつかみ取った。春はエラーで負けた。春終わってからエラーを少なくしようって言ってきて、いい結果につながった。ピッチャーがどの試合も良く投げてくれて、0に抑えてくれた。リーグ戦中は『積極人間が勝つ』って言ってきて、負けている展開でも最後まで攻める気持ちを持ってやろうとしてきた。神宮はいい場所なので、あそこに第1代表として行けるように、神宮を決めるまで気を緩めることはない。そして、神宮を決めたら、本当の目標である日本一だけを目指してやっていきたい。関大は応援の力もあってここまで勝てた。メンバー外のみんなや応援団に感謝したいし、神宮に連れていきたい。4年間悔しい思いをずっとしてきた。最後は悔しさを晴らして、笑顔で終わりたい」

▼中島
「まさか完全優勝できるとはって感じ。みんなで力を合わせてできた。試合をやるごとにチーム力が上がって、『塊のパワー』、『気の同調』で相手を圧倒できた。最後のシーズンで全試合に出て、優勝に貢献出来て今までの優勝とは違うものがある。出塁率を意識して、目標にしてきたので(出塁率4割4分7厘は)貢献できたと思う。きょうの試合もビハインドやったけど、自分が塁に出て勢いをつけられた。負けてても、ベンチが勝ってる雰囲気でやれて、四十田、前田、億田、若泉とか試合に出ていない4年生が必死になって盛り上げてくれた。目標の日本一まであと5勝。関西は枠が2つあって1敗できる状況やけど、そんなことは考えずに5連勝でいきたい。やることは変わらず、出塁して一つでも多く塁を進めてホームを踏む。きょうは自分がミスしてしまったので、外野のミスは今度こそ0にしたい。関大は応援団もカンスポも含めて野球部だと思っているから、連れて行くんではなくて、『一緒に神宮に行きましょう』と言いたい。完全優勝は素直に喜んで、切り替えて次に向かっていきたい」

▼山本
「入りはポンポンと点を取られてしまった。狙い球を決めて打たれていた。後半は自分の決め球の真っすぐで押せた。最後の方は良かった。自分が投げる時は点を取ってくれる印象があるから、(2回までに4点取られた時も)3回以降を抑えらればいいと思った。(7回の自身の決勝打について)相手の投手も変わったばかりで焦っている感じがあって、これ以上ない場面だった。自分の好きなコースで打ったらタイムリーになった。代表決定戦は負けられない。リーグとはまた違って、1点勝負になってくると思う。点をあげないピッチングで、阪本さんと2人でバッターを抑えたい」

▼倉川
「完全優勝は素直にうれしい。春はピッチャーを見ての起用だったけど、秋は全部出してもらってチャンスで打てた。打順は意識せず、4番目のバッターとして打席に入っていた。(7回は)太田さんがランナーを還してくれて、勢いを作ってくれた。越えてくれてよかった。打ったのはストレート。ピッチャーも気合入っていて、首振ってストレートを投げてきていたので、ストレートしかないと思っていた。ランナーが三塁にいたので、外野まで運んだら1点入る、外野まで飛ばす意識だった。これからもリーグ戦とはやることは変わらない。自分たちの野球をして、個人的にはチャンスで打てるようにしたい。関西学生のピッチャーのレベルが高いので、どんなピッチャーが来ても大丈夫。日本一を目標にやってきて、あと5つ。全員で最後までやっていきたい」