【柔道】入賞者0、高かった全国の壁

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◇平成29年度全日本学生体重別選手権大会2日目◇10月1日◇日本武道館◇

[男子90㌔級]
2回戦 ●小寺―増山(明大)

[男子100㌔級]
1回戦 ○荒木―斗石(日体大)
2回戦 ○荒木―須田(金沢学院大)
3回戦 ●荒木―石川(筑波大)

[男子100㌔超級]
1回戦 ○澤井―山崎(順大)
2回戦 ●澤井―手嶋(福岡大)

あと一つ勝てば、講道館杯への出場権も得られるベスト8。しかも相手は関東大会男子100㌔級覇者の石川(筑波大)である。燃えないわけがない大一番に、荒木佳祐(人3)は挑んだ。序盤は互いに探り探りの試合展開。しかし、1分半が経過し両者に指導が入ってから、相手が動く。立て続けに技あり二つを許し、さらには受け身の体勢を取った際に、けがを抱える右ひざから畳に落ちた。

ここまで、ヤマ場としていた日体大・斗石との1回戦を技ありで、2回戦は須田(金沢学院大)を指導3による一本勝ちで下した荒木。

だが、満身創痍の体に鞭を打ち続けた代償は大きかった。「ひざがはまらなくなってしまった」(荒木)。思うように技を掛け切れないまま、3回戦で力尽きた。

最初で最後の全日本インカレとなった小寺達(人4)。数日前から体調を崩し、満足に練習ができなかった。それでもなんとか大会に出られるまでに調整。1年生ながら東京大会優勝の増山(明大)との2回戦に登場する。試合は技を掛け合う場面もあまりなく、静かだった。しかし、小寺に2、増山に1の指導が与えられていた場面で、再び両方へ指導が出されてしまう。この瞬間、小寺の反則負けが決まった。大きな力の差がなかっただけに、小寺は「何もできなかった」と唇をかんだ。

対戦相手が変更になったことで初戦を楽に勝ち進んだ澤井亮一(社3)。試合場の進行がさくさく進み、1時間も経たないうちに2回戦を迎えた。九州大会チャンピオンで、澤井よりも数十㌔上回る福岡大の手嶋相手に、4分間では試合は決せず。時間無制限のゴールデンスコアに突入する。だが、延長に入って1分後。澤井が仕掛けにいったところを突かれる。返し技で一本負けとなってしまった。

「こうして考えてみると、今回は万全な状態で臨めた選手がいなかった」と山城正記監督。どの選手も技などの技術面でレベルを上げてきただけに、けがや体調に気を配る必要性も見えた。また、4週間後には全日本学生体重別団体優勝大会が控える。個人の結果に一喜一憂せず、気持ちを切り替えていかなければならない。「16年間やってきたものの集大成を出せたら」と小寺。澤井も「4年生が引退試合になる。力になれるよう、調整していきたい」と語気を強める。今年度の締めとなる学生大会。全員が100㌫の実力を出せば、上位進出も全く夢ではない。【文/写真:谷 風花】

▼山城監督
「小寺の相手は、1年とはいえ東京学生大会の1位。強いのは聞いていた。警戒していた背負い投げはさせなかったが、組み手争いで有利に働かなかった。2つ目の指導は両方に入っても良かったと思うが、少しの差というか、小寺のほうが劣勢だったんだろうと思う。そんなに差はなかった。団体までにもう1回頑張ってほしい。小寺は負ける時でも、ほとんど投げられることはない。勝負強さは発揮してくれた。澤井は1回戦の相手が変わって、澤井のほうが実力は上。全国でもほとんど勝ってるし、計量も昨年のようにぎりぎりではなかった。体も大きくして、準備が良かったと思う。2回戦は九州大会の1位。澤井もひじが良くないから、万全ならパワーでいけるところを発揮しきれなかった。ただ、技を掛けて返されたから、仕方がない。年々強くなっているから、来年を見据えて。まだ、この1年で伸びると思う。荒木は1回戦がヤマ場。なんとか有利に勝てて、2回戦も危なげなかった。ただやはりひざの具合が。技を掛けるたびに気にしていたし、内股に持っていけなかった。荒木が勝つときは、自分のペースで投げることが出来る。万全だったらもっと時間をかけずにいけたとは思うが、1、2回戦は荒木のペースでできていた。今年のほうがレベルは上がっていた。こうして考えてみると、今回は万全な状態で試合に臨めた選手がいなかった。日頃からけがや体調管理に気を配らないといけない」

▼小寺
「調子が悪いと言ったら言い訳になるが、万全ではなかった。でも、普通に試合はできた。2回戦もそんなに大きい差はなかったが、何もできなかった。お互いに同じような柔道だったんだと思う。お互いに持たれるのを嫌っていた。なかなか引き手が取れなかった。片襟でも良かったが、掛け逃げの指導を取られるのがいやだな、とか考えながらやっていると、なかなか技にはいけない。足技は出していたが、あまり大きいのは出せなかった。全国の壁は高かったし、緊張もあった。10月末には引退になる。16年間やってきたものの集大成を出せたらいいかなと思っている」

▼荒木
「全試合でひざがロッキングした。けっこう緊張はしていたけど、ヤマ場と思っていた1回戦の相手は別に、という感じだった。自分のペースでできていた。2回戦の相手は手足が長くて、なんとか指導3という感じ。狙いにいった技はかからなかった。3回戦の相手もそんなにだと思うが、ひざがはまらなくなってしまった。ひざに集中してしまった。2日前の練習の時も、練習で5回くらいひざが外れてしまった。今大会はそういう意味で疲れた。もうひざの半月板はぼろぼろだと思うが、10月までストレッチで治療したり、筋トレをしたり。澤井と一緒に、今まで以上に技を磨いて頑張っていく」

▼澤井
「もともと予定していた相手は強かったから、相手が変わってラッキー。うれしい誤算だった。楽に技は掛けれたが、緊張でなんとなくふわふわはしていた。次の試合まで間が全然なくて、2回戦の序盤で腕が張ってしまった。裏投げも読まれていた。指導狙いでいけるかなとも思ったが、相手も重かったしうまくいかなかった。自分は102㌔とかで出場しているが、この階級は平均120㌔くらいある。2、30㌔重い相手と試合をしていかないといけない。ひじが痛いのは1年の時からで、手術もしている。試合続きで休めないし、痛みと付き合いながらやっている。次の団体では4年生が引退試合になる。その力になれるよう、調節していきたい」