【ラグビー】逆転で最高のスタートダッシュ切る

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◇2017ムロオ関西大学Aリーグ第1節対近大◇9月30日◇鶴見緑地球技場◇

【前半】関大12-17近大
【後半】関大21-0近大
【試合終了】関大33-17近大

「アカン、ダメや…」。関大ラグビーファンなら誰もが目をそむけたくなる試合の入りだった。昨年の最下位から逆襲を誓った近大とのリーグ開幕戦。前半18分までに3被トライで17点のビハインドを背負う。スタンドからは悲鳴とため息が漏れた。

しかし、ピッチ上の15人はいたって冷静だった。PR藤井拓海主将(人4)は「ミスでやられた。危機感よりも、ディフェンスからトライにつなげられたらひっくり返せると思っていた」。開幕戦に向けて120パーセントの準備で照準を合わせてきた関大。自分たちのラグビーに自信があった。

紫紺のフィフティーンの反撃は、持ち味のターンオーバーからだった。20分だ。敵陣深くで相手にプレッシャーをかけ、ボール奪取に成功すると、素早くラックを形成。藤井拓がボールを持ち出すと、SO北田圭史(文4)、FB竹中太一(商4)と展開する。最後は、左の大外で待っていたWTB吉田陸央(政策4)が相手を振り切りインゴールに飛び込んだ。

その後も関大は攻め手を止めない。SH木下皓太(人3)の球出しのテンポが上がりだした31分、敵陣22㍍付近で起点を作ると、再び藤井拓が縦を突く。そこにサポートしていたHO西勇樹(人3)がパワフルなランでトライを決め、5点差に迫った。

「自分たちのラグビーが展開できた」(藤井拓)。後半は完全に関大のための40分間だった。前へとプレッシャーをかけるディフェンスを披露すると、近大もミスを連発。徐々に近大陣でのプレーが増え出した10分には、ゴール前左10㍍でラインアウトを獲得する。LO高井杏輔(社1)がクリーンキャッチし、そのままモールにつなげると、最後尾でボールを持っていた西が抜け出しこの日2トライ目。難しい角度のコンバージョンも北田がしっかり沈め、19-17と逆転に成功した。

その後、木下が「ラッキー。たまたま」と謙そんしながらも、空いたスペースを的確についてトライを決める。

27分には、CTB末廣賢三(文1)からのパスを受けた吉田陸が再び5ポインターになりダメ押し。最後まで攻める姿勢を貫き戦い続けた。

また、関大伝統の粘りのディフェンスも適所で飛び出し、後半は近大を無得点に抑える。終始主導権を握ったままノーサイドの笛を聞いた。

ムロオ・マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた西は「チームが一つになって関大らしい戦いができた」と満足げ。試合後の選手たちには充実感の笑みが浮かんだ。前評判の高かった近大を撃破した勢いそのままに、関大は次節で春季トーナメント覇者の京産大とマッチアップする。だが、「下馬評は関係ない」。桑原久佳監督は言い切った。「関西制覇」への第一関門をこれ以上ない形で通過した紫紺のフィフティーン。どんな強敵だろうと恐れるものはない。【文:嶋健太朗/写真:嶋健太朗、谷満梨奈】

▼桑原監督
「初戦の緊張感があるのはわかっていた。前半は硬くてミスから失点したけど、持ち直して勝ち切れてよかった。(3連続トライを許したが)自分たちのミスだったからいけるかなって。ラインブレイクされていなかったし。相手もキック処理のミスとかもあって後半は勝負を分けた。後半もミスあったし、硬さはなかったけど、普段通りといった感じ。ゴール前でのミスが出るのはまだ詰めが甘いかな。去年の開幕戦は選手たちが関学をなめていた。今年は近大が夏合宿よかったって話を聞いて、それがよかったのかもしれない。最後までみんなよくやってくれていたし、キャプテン、副キャプテンも引っ張ってくれていた。最後まで守らずに攻め続けてチャレンジし続けたのがよかったと思う。一番は『良かった』っていう気持ち。この勢いで2週間後の京産に臨みたい。下馬評は関係ないし、やってみないとわからない。十分に勝てると思う」

▼藤井主将
「前半ミスで立て続けにいかれた。危機感よりも、前半残り20分、後半40分あったので、ディフェンスで前に出て、トライにつなげられたらひっくり返せると思っていた。前半も最後逆転する気でいたし、5点差で終われたことが大きかった。後半はよかった。ディフェンスから前に出ようと話して、自分たちのラグビーが展開できてのれた。関大の強みとしてきた相手のボールを取ってからトライにつなげることができて、いいゲームだと思う。フォワードも一人一人前に出れていたし、自分自身もしっかりボールキャリーできた。相手のラインアウトにもしっかりチェイスしてターンオーバーもあったし、相手のミスにもつけ込めた。開幕を意識してやってきた。きょうの結果はプラスに捉えて、反省点を見直していきたい。京産大はセットプレーが強みを持っているが、しっかり勝負して負けずにやって、自分たちの強みであるディフェンスを出せたら十分に勝機はある」

▼吉田陸
「初戦に勝てたことが一番。最初の失点はあっさりいかれてしまった。きょうは関大の狙いであるディフェンスからのターンオーバーを攻撃につなげることがうまくいった。自分の1本目のトライがそう。2本目は左にスペースがあって、うまく展開してボールを運べた。全員で取ったトライ。関大の強みが出せた。昨年は4年生の力もあってAリーグに残留できて、4年生の分も結果を残したい。きょうは3トライ以下に抑えられたことがよかった。京産戦もディフェンスからターンオーバーを狙いたい。(自身としては)トライを取ってチームを助けて勢いづけたい」

▼木下
「入りは硬くて、思ったよりもできなかった。試合前に開幕戦は硬くなると、全員で認識していたので、崩れることなく切り替えられた。後半は自分たちのラグビーができて逆転できた。自分のトライはたまたま。スペースがあったのでラッキー。何よりも勝てたことがうれしい。これで波に乗れると思う。まだまだ力を出せると思うし、出し切れたら京産にも勝てる。やってきたことを信じてやるだけ」

▼西
「入りは緊張もあって硬さがあった。前半取られて、いつもの関大なら焦っていた。きょうは焦りはなくて、インゴールの中でも声が出ていたし、切り替えてリズムに乗れた。2トライはたまたま。みんなのおかげ。最後に仕留めただけ。マン・オブ・ザ・マッチもみんなのおかげ。去年も開幕戦のメンバーに入っていたが、スタメンは初めて。きのうは緊張していて眠れなくて、ここに来るまでもふわふわしていた。ロッカールームに入ってみんなから声を掛けてもらって、緊張がほぐれた。仲間の支えのおかげ。後半は相手もしんどいから、走り勝とうと言って練習からやってきた。練習の終わりフィットネスをしたりもしていたので、暑さも関係なく最後までやれた。前半の最後は相手もバテていたので攻め切ろうと意思統一できていた。チームが一つになって関大らしい戦いができた。次もチームに勢いをつけられようにしていきたい。3年目でチームの仕上がりは一番いい。ラグビーに100パーセント、絶対はない。最後に1点差でもいいので勝てるように練習をしていきたい」