【アイススケート】「次につながる」中村、自己最高6位に手応え

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◇第85回全日本選手権大会◇12月24日◇東和薬品RACTABドーム◇

【男子フリー】
7位 中村 135.20
21位 吉野 102.09

【最終結果】
6位 中村 202.16
20位 吉野 157.32

前日のショートプログラム(SP)終了時点で、中村は7位、吉野は19位。フリーでは共に冒頭にトリプルアクセルを入れることを明かしていた。難度の高い技だけに、勝負の行方を左右する鍵となる。

公式練習ではトリプルアクセルの確認を行った吉野。「不安を取り除くために回数をこなしていた」が、転倒や抜けてしまうジャンプが多く、不安を残したまま練習が終了した。6分間練習でも後半にはアクセルを中心に最終調整。ステップアウトまで調子を戻したが、成功がないまま本番を迎える。

冒頭のトリプルアクセル。勢いよく跳び上がったが、転倒。それでも、「パンクで終わらせることだけは絶対に嫌だった」と大技に果敢に挑んだ。

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その後も吉野は、音楽に合わせたダイナミックなステップで魅せる。演技終盤のイーグルには客席からため息が漏れた。フリーの曲は『Tosca』。「スケートを始めたきっかけとなる本田先生の現役最後の曲」と思い入れは強い。自身4回目となる全日本を滑り切った吉野は、ゆっくりと礼をして声援に応えた。

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SP7位の中村。最終組には惜しくも入れなかったが、十分に上を狙える位置に付けた。プログラム最初の要素はトリプルアクセル。惜しくもステップアウトとなったが、回転不足を取られることはなかった。さらに一つ転倒があったが、最後のコンビネーションスピンではレベル4を獲得するなど、ミスを取り返した。

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「失敗を引きずらないようにできた」と中村。得点は135.20と、SPと合わせて200点を突破。自身最高となる6位に入り、昨シーズンからは一回りも二回りも成長した姿を見せた。

演技後、中村は現在4回転ジャンプに挑戦中であることを話した。まずは4回転ジャンプを練習するための体をつくる、としていたが、10月ごろからは氷上での練習も始めている。「手ごたえはある」と今後の飛躍を予感させた。

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全日本男子シングルは、中村6位、吉野が20位という結果で幕を閉じた。次に控えているのは来年1月初めのインカレ。大舞台で得た経験は、学生日本一への足掛かりとなるはずだ。【文:庄田汐里/写真:川﨑恵莉子】

▼中村
「アクセルはステップアウトしてしまったが、最後まで気持ちを切らさず、感情をこめて滑ることができた。ほっとしている。トリプルアクセルもコンビも失敗があったが、それを引きずらないようにできたことは手ごたえ。4回転は来年には決めにいきたい。ジャンプはもちろん、見ているお客さんを引き込めるような演技をしたい。課題の多く残った試合だった。8月から再スタートを切って、ここはまだ通過点。次につながるいい試合になった。(再スタートということで、現時点での出来は)いい感じに、いいペースで来ている。アクセルやコンビ、体力や精神面でももう少し時間がかかるかと思っていた。(フリーの演技直前は、濱田コーチから)『シニアとしての演技をしっかりやりなさい』と言葉をかけてもらった。感情をこめて強く滑れたと思う。髙橋大輔さんのような、強くかっこいい男の演技をイメージした。4回転の練習は数はやっていないが、手ごたえはある。シーズンオフを通して試合で決めれるようにできたら。今練習しているのはサルコーとループ。回転は足りていないと思うけど、片足で降りられそうな状態。氷の上では10月頃から、体の状態がいい時には練習していた。徐々に体もできてきている。今後も陸トレと並行してやっていく」

▼吉野
「内容より、大阪での全日本で4分半滑り切れてよかった。要素をこなしていく度に終わりが近づいていく、と色々考えながら滑っていた。大学1年でシニアデビューしたので、今まで全日本には4回出ている。それぞれ思い入れがあって、得るものがあった。いい経験。今回は比較にならないくらい練習をしてきていて、今まで考えたことのないようなところまで考えて準備をしてきた。自分の人生にとってはとても大きい。家族や関大のコーチ、お世話になった先生方、スケートリンクのスタッフ、支えてくれた全ての人に感謝の気持ちでいっぱい。スケートしていて良かった。『自分らしく滑り切っておいで』と(長光)歌子先生に言ってもらった。本田武史先生からはLINEで『思い切りやってくれ』と言葉をもらった。(トリプルアクセルは)ダメダメだった。成功を狙いすぎてもいけないし、パンクで終わらせることだけは絶対に嫌だった。締め切ることだけ考えていた。トリプルアクセルは、自分が小さい頃からトップの選手が跳んでいたジャンプ。他のジャンプとの半回転分の壁は、クリアしていかないといけないハードル。成功できなかったのは悔しい。スケートを始めたきっかけとなる本田先生の現役最後の曲が『Tosca』。(本田先生が)喜んでくれていたらいいな、と思う。ここ3週間は(トリプルアクセルの出来は)ステップアウトくらいが一番良くて、感覚がよくわからなかった。不安を取り除くために(公式練習などでは)回数をこなしていた。西日本の後、一緒に練習している本田太一(関大中・高スケート部)がトリプルアクセルを決めているのを見て、(プログラムに)入れようと思った」